2022 年 88 巻 6 号 p. 472-484
鹿児島産の一年生アマモを用い,本種の光合成に対する温度の影響や光と温度の複合応答,生育環境中の個体群での光合成の日周変化を明らかにした。実効量子収率の温度への応答は8-28℃で高かったが,より高温で低下した。光と温度の複合応答では,低温強光条件で顕著に低下し,その後の暗馴致でも初期値まで回復しなかった。光合成・温度曲線は,総光合成速度が31℃で最大となったが,より高温で低下し,実効量子収率と似た傾向を示した。群落での水中測定では,実効量子収率が光に対して負の応答を示し,正中前後で最低となった。