抄録
黄色肉芽腫性胆嚢炎(XGC)は胆嚢炎の一亜型であり,漿膜下層を中心とする壁肥厚像を呈することが多いため,進行胆嚢癌との鑑別に苦慮することがある.胆嚢癌が否定できないため過大手術を余儀なくされた症例の報告が後を絶たない.XGCの画像診断上の特徴的所見は,CTにおける粘膜層の連続性保持,胆嚢壁内の低吸収域などである.細胞学的診断に関して,従来のブラシ細胞診の感度は十分ではなかったが,近年超音波内視鏡下穿刺細胞診(EUSFNA)技術の向上により感度が改善されつつある.治療の選択において,胆管狭窄のない場合は胆嚢癌の併存が10%程度あるため切除を勧める.胆嚢床切除~S45切除程度で腫瘤を露出させずに切除可能である.一方,胆管狭窄像を認める場合はブラシ細胞診,EUSFNA,術中胆嚢床生検を順次施行し,癌が検出されなければ胆嚢摘出術のみを行う.摘出胆嚢の迅速診断でも癌が検出されなければ手術を終了する.今後,多施設共同でprospective databaseを構築し,系統的な診断・治療戦略が確立されることが望まれる.