抄録
近年の画像診断の進歩にも関わらず,硬化性胆管炎の診断には,しばしば難渋することがある.特に,IgG4-SCはステロイド治療が奏効する比較的予後良好な疾患とされているが,その胆管像からPSCや胆管癌などの予後不良な疾患として扱われてきた症例も少なくない.そのため2012年に厚生労働省研究班と日本胆道学会との合同でIgG4関連硬化性胆管炎臨床診断基準2012が作成された.硬化性胆管炎の診断には臨床経過,血液生化学的所見,各種画像所見,合併疾患,病理組織学的所見など多方面からの検討が必要である.治療においては,IgG4-SCでは再燃を繰り返す症例やステロイド治療抵抗性の症例が問題となっており,PSCの根治的な治療法は肝移植のみである.今後,基礎的・臨床的研究により両疾患の病態解明がさらに進展し,その診断と治療が進歩することが期待される.