2026 年 40 巻 1 号 p. 18-25
十二指腸乳頭部癌は胆道癌に分類され,50歳から罹患率が高くなり,やや男性に多い.十二指腸乳頭部癌は胆道癌全体の5~10%と稀な疾患であるが,切除後の5年生存率は52.8%で,胆管癌(33.1%),胆嚢癌(41.6%)と比べるとやや高い.十二指腸乳頭部癌発症の危険因子として家族性大腸腺腫症が知られているが,散発性(非遺伝性)のものの危険因子は明らかではない.確実に腺腫であることが術前に診断できれば局所切除術(内視鏡的/外科的乳頭部切除術)を考慮してよいが,腺腫内癌や深部での浸潤癌の有無の判定が難しく,癌の診断がついた場合や腺腫でも膵管/胆管内進展の所見を認める場合には膵頭十二指腸切除術が行われている.本稿では胆道癌診療ガイドライン改訂第4版と胆道癌取扱い規約第7版に基づく十二指腸乳頭部癌の外科的治療について解説する.