本稿では、筆者らが女性地方議員に対して実施した「議会活動における参画に関するアンケート調査」に基づき、女性議員が被りやすいいじめ・ハラスメントの特質について検討した。分析の結果、①心理的ハラスメントを中心として、81.0%が同僚議員から、76.2%が有権者から何らかのハラスメントを受けた経験がある、②21.4%は問責決議案や辞職勧告を出される、謝罪を求められるなどの「懲罰的な対応」を受けた経験がある、③懲罰的な対応を受けたことがある者の38.9%は、自らについて話し合いが行われる際に退場が言い渡され、十分に弁明の機会がなかった、④36.9%が会議規則に基づき議会運営委員会や代表者会議に出席ができないと回答していることが明らかとなった。少数派排除につながる制度は、合理的な理由から生まれたものが多い。しかし、その理由を離れて少数派排除につながることもある。少数派排除に対して、ルールの範囲を確定するとともに、問題があるルールの変更が求められる。