近年の地域づくりでは、「産官学民金」それぞれのセクターに期待される役割や提供しうる資源のあり方が改めて検討されている。災害復興の現場においても、従来型の公助中心の復興政策におけるセクター間連携の見直しを求める声も聞かれ、東日本大震災の発災から10年以上が経過し、復興検証やその成果の反映方策のあり方が改めて問われており、被災地における復興活動の当事者自らの手による復興モニタリング・検証の可能性を検討することの意義は大きい。特に本論では、市民セクターにおける自発的活動として、宮城県を中心とする「震災復興シンポジウム:みやぎボイス」を取り上げ、復興過程の実態と課題の変遷を住民目線でモニタリングして政策評価・提言に活かす試みを紹介したい。