日本冷凍空調学会論文集
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原著論文
Al2O3-水ナノフルードの円管内層流強制対流熱伝達に関する数値解析
赤松 正人小林 雄大蕪木 武安原 薫岩本 光生
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2017 年 34 巻 3 号 p. 167-179

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抄録

Al2O3-水ナノフルードの層流強制対流熱伝達特性を数値解析により検討した.直径の50 倍の長さを有する水平円管は入口から中央部まで断熱され,残りの部分は一定温度で冷却されている.円管に流入する高温のナノフルードはハーゲン・ポアズイユ流れを想定し,その熱物性はKhanafer and Vafai によって報告された実験相関式または従来から使用されている固液分散系の推算式を用いて算出した.実験相関式および推算式に基づく熱物性を用いて数値解析されたナノフルードの平均Nu 数と水のそれとの比は共に1 以下を示した.一方,平均熱伝達率の比は共に1 以上を示した.ナノフルードの平均熱伝達率の増加特性は,ナノフルードの有効熱伝導率の増加特性によるものと考えられる.具体的には,実験相関式に基づいて算出された直径50 nm Al2O3 粒子を分散させたナノフルードと水の平均熱伝達率の比は体積分率が0.03 のとき最大値1.041 をとり,直径100 nm Al2O3 粒子を分散させたナノフルードと水のそれは体積分率が0.01 のとき最大値1.016 をとった.一方,推算式に基づいて算出されたAl2O3- 水ナノフルードと水のそれは体積分率が0.04 のとき最大値1.071 をとった

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© 2017 公益社団法人 日本冷凍空調学会
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