Al2O3-水ナノフルードの円管内層流強制対流熱伝達特性を非定常二次元数値解析により検討した.直径の50 倍の長さを有する水平円管は入口から中央部まで断熱され,残りの部分は一定温度で冷却されている.円管に流入する高温のAl2O3-水ナノフルードはハーゲン・ポアズイユ流れを想定し,その熱物性はKhanafer and Vafai によって報告された実験相関式を用いて算出した.異なる粒子径(dp = 25, 50, 100 nm),体積分率(φp = 0.01~0.04),参照温度(θ´= 20, 30, 40 ℃)下で計算した結果,dp = 25 nm,φp = 0.04,θ´= 40 ℃のとき,ナノフルードと水の平均熱伝達率比は最大値1.136 を示した.なお,ナノフルードの局所Nu数を水の熱物性を用いて算出されたPe数で評価するとGraetz解と差異が生じたが,実験相関式に基づくナノフルードの熱物性を用いて算出されたPe 数で評価するとGraetz 解とほぼ一致した.