冷蔵庫用レシプロ圧縮機においては,冷蔵庫での運転実態に合わせた低負荷領域での効率向上が重要となると共に,能力のワイドレンジ化が望まれている.現在,多くの圧縮機は摺動部潤滑のための給油機構として,シャフトの回転運動を利用したものが採用されている.そのため,低速運転時では給油能力不足による性能低下が懸念される.本研究では,レシプロ圧縮機における給油機構に関する基礎検討およびその評価をロバストパラメータ設計の観点から実施した.その結果,潤滑油粘度に対してロバストとなる粘性給油機構の手法を示し,圧縮機運転範囲を低速側に拡大する上で提案した手法が有用であることを示した.