スクロール圧縮機の小型化,高出力化にむけた上限拡大技術が求められている.スクロール圧縮機のシェル径を大型化することなく吸入容積を増加させるには,軸方向に渦巻の歯高を高くすることが効果的であるが,渦巻の根元にかかる応力が増大し,信頼性が低下する懸念がある.そこで,渦巻を水平方向に拡大する新たな渦巻形状の研究を開始した.圧縮機構が収納されるシェルの水平断面は円形である.しかし,旋回運動する渦巻の歯先摺動面は円形ではないため,シェル内には圧縮には使えない無駄スペースが存在していた.著者らは,無駄スペースを減らすために,渦巻歯先の摺動面を円形に近づけるオーバル(楕円)形渦巻を考案した.今回評価した条件のもとでは,オーバル形渦巻は従来の渦巻と比較して,吸入容積を20%増加させることができる.