日本冷凍空調学会論文集
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39 巻, 2 号
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原著論文
  • 佐藤 渓太, 阿部 駿佑, 浅岡 龍徳
    原稿種別: 原著論文
    2022 年 39 巻 2 号 p. 105-
    発行日: 2022/06/30
    公開日: 2023/06/30
    ジャーナル フリー

    管内輸送を想定した熱輸送媒体として,大きな潜熱を有するエリスリトールと水を混合させたエリスリトールスラリーが有望である.エリスリトールスラリーは低流速条件で沈殿を伴う流れになりやすいため,流動様相が与える影響は無視できないとされている.既報ではエリスリトールスラリーの流動モデルが提案されたが,簡素化のために実際の流動とは乖離が大きい.本研究では,エリスリトールスラリーを水平円管に流動させ圧力損失を測定し,低流速条件における流動特性を調べた.モデルに新たな変数を加えることで沈殿部の流動を定義した.測定された圧力損失と比較すると,本モデルは,極めて固相率が低い条件を除いた広い範囲で精度よく圧力損失を見積もることができ,モデルの有用性を示すことができた.さらに,沈殿部の流動を新たにモデル化できたため,管下部における熱伝達についての検討へ展開することができた.

  • 山口 博司, 石川 雄將 , 山崎 晴彦, 神村 岳, 服部 一裕, NEKSÅ Petter
    原稿種別: 原著論文
    2022 年 39 巻 2 号 p. 117-
    発行日: 2022/06/30
    公開日: 2023/06/30
    ジャーナル フリー

    CO2 を用いた超低温冷凍技術の実用化に向けて,新たに開発したサイクロン分離・蒸発器をヒートポンプ冷凍機の実機へ導入する.実機への導入の前段階において汎用の蒸発器をモデルとした水平蒸発器を用いた実験では,蒸発器管内におけるドライアイスの内部閉塞が熱抵抗となりシステムの性能を低下させることが示された.そのため本研究では,ドライアイス閉塞の問題解決及びドライアイスを蒸発器内に貯蓄することを目的として,サイクロン分離器と蒸発器を組み合わせた新しい蒸発器を導入する.サイクロン分離・蒸発器を用いた冷凍機の特性調査を行った結果,-67℃の低温とCOPsystem 1.2 と低温域において極めて高い効率を達成し,水平蒸発器を使用したシステムと比べ性能が大きく向上されることが見込まれる.

  • 岩竹 渉, 河村 雷人 , 鳴海 圭亮, 工藤 大祐
    原稿種別: 原著論文
    2022 年 39 巻 2 号 p. 127-
    発行日: 2022/06/30
    公開日: 2023/06/30
    ジャーナル フリー

    スクロール圧縮機の小型化,高出力化にむけた上限拡大技術が求められている.スクロール圧縮機のシェル径を大型化することなく吸入容積を増加させるには,軸方向に渦巻の歯高を高くすることが効果的であるが,渦巻の根元にかかる応力が増大し,信頼性が低下する懸念がある.そこで,渦巻を水平方向に拡大する新たな渦巻形状の研究を開始した.圧縮機構が収納されるシェルの水平断面は円形である.しかし,旋回運動する渦巻の歯先摺動面は円形ではないため,シェル内には圧縮には使えない無駄スペースが存在していた.著者らは,無駄スペースを減らすために,渦巻歯先の摺動面を円形に近づけるオーバル(楕円)形渦巻を考案した.今回評価した条件のもとでは,オーバル形渦巻は従来の渦巻と比較して,吸入容積を20%増加させることができる.

  • -液相分配の均一性向上の試み-
    小野寺 亜由美, 畠田 崇史, 澤原 風花, 丸山 直樹, 西村 顕, 廣田 真史
    原稿種別: 原著論文
    2022 年 39 巻 2 号 p. 137-
    発行日: 2022/06/30
    公開日: 2023/06/30
    [早期公開] 公開日: 2022/03/31
    ジャーナル フリー

    本研究では,パラレルフロー型熱交換器における気液二相冷媒流の液相分配の均一性向上を目的として,垂直ヘッダ内部に設置した多孔管による冷媒供給方式を検討した.管の内径と細孔径を変化させながら気液分配量を測定して多孔内管の最適な仕様を検討するとともに,各実験パラメータが液相分配に与える影響を実験計画法に基づき定量的に評価した.その結果,多孔内管の内径は液相の最大到達高さに,細孔径は液相分配率の分布プロファイルに影響することが明らかになった.また,本実験条件の範囲内では,細孔の小径化により液相分配の均一性が向上することを明らかにした."

  • Afdhal Kurniawan MAINIL, Naoki SAKAMOTO, Hakimatul UBUDIYAH, MAINILM.K ...
    原稿種別: Original paper
    2022 年 39 巻 2 号 p. 145-
    発行日: 2022/06/30
    公開日: 2023/06/30
    ジャーナル フリー

    In this paper, an experimental study on the condensation heat transfer coefficient of refrigerant R1234yf was obtained inside a 3.5 mm outside diameter (OD) horizontal microfin tube. Comparison of present work (3.5 mm OD) and previous research (2.5 mm OD) was reported to evaluate the effect of diameter to heat transfer coefficient. Data were obtained over a range of mass velocity from 50 to 200 kg m-2s-1, vapor quality 0 to 1, and saturation temperature from 20°C to 30°C. The effect of mass velocity, vapor quality, and saturation temperature on condensation heat transfer coefficient was clarified. The experimental results were compared with some existing correlations in the open literature. Hirose et al. (2018) correlation has good agreement with experimental data.

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