論文ID: 24-30LG
GWP が1 以下の環境負荷が極めて小さく,効率性に優れたHFO 冷媒のR 1132(E)は,外部エネルギー源により自己分解反応を起こすことが知られている.本研究では,R 1132(E)混合冷媒を利用するにあたって,自己分解反応の発生条件を明らかにするとともに,そのきっかけとなる圧縮機の放電エネルギーの定量を行った.R 1132(E)とR 1234yf の二元系冷媒の評価から,R 1132(E)濃度が低下するにつれて自己分解反応は生じにくくなること,過大な放電エネルギーに対してもR 1132(E)が35mass%以下であれば安定であることがわかった.また圧縮機の放電エネルギーの定量から,2.2kW 機ではエネルギーは1J に満たないことがわかり,冷媒として安定的に利用できるR 1132(E)混合組成条件を明らかにした.