2019 年 21 巻 p. 089-
多くの痛ましい犠牲を伴った東日本大震災から既に7年が経過した.その後も熊本地震,大阪府北部地震など,強い地震が日本各地で発生している.震災の発生後には,被災地の調査,災害発生機構の検証,対策の検討,施策の実施がその都度図られている.自然災害の大きさは,外力であるハザード(地震,津波,台風など)の大きさと,そのハザードに対する社会の脆弱性を掛け合わせることで決定される.そのため,次に大きな外力が社会に加わる前に,どれだけ社会の脆弱性を改善できるかが防災・減災の鍵となる.かつてより日本では自然災害の経験を通じて,ハザードに対する備え(脆弱性)を改善してきた.本書籍は,まさに発災直後より救援救助等の活動において重要な役割を担う空港の運用に係わる脆弱性改善のための提言書である.