美術教育学研究
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身体を使った造形表現の展開と環境構成
―親子を対象とした表現遊びの事例から―
吉川 暢子
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キーワード: 親子, 表現遊び, 環境構成
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2017 年 49 巻 1 号 p. 457-464

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抄録

本研究は子どもの造形表現が生まれる過程と環境に着目し,その「場」における子どもの表現活動について明らかにするものである。「幼稚園教育要領」「保育所保育指針」「認定こども園教育・保育要領」の第1章総則において教育や保育は「環境を通して行う」としており,環境構成は「物的環境」と「人的環境」といった人,もの,場が相互に関連し合ってつくり出されている。そこで,身体を大きく使った「表現遊び」の実践から子どもの造形表現が生まれる過程や子どもが主体的に表現活動を行う「場」における環境構成を物的環境,人的環境の側面から分析・考察を行った。そこでは,「身体を大きく使う」という行為を媒介にして,さまざまな遊びに発展するとともに想像性豊かな造形行為が生まれた。また,子どもの豊かな表現が成り立つ環境構成や「場」を構築していくことにより,子どもはより豊かな表現を生み出していくことが可能になることが明らかになった。

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© 2017 大学美術教育学会
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