日本の政府調達では、企業を規模や技術水準に応じて格付けし、その格付に応じて企業の参加できる入札を制限する等級制度がある。本稿は、2013年度に中国地方整備局の一般土木工事入札で等級区分が統合された事例を用いて、等級制度による競争制限効果が企業の入札参加に与える影響を、理論的、実証的に検証した。その結果、等級区分がある場合よりも、等級区分がない場合の方が、上位等級企業の入札参加は多く、下位等級企業の入札参加は少なくなるが、トータルでは企業の入札参加は多くなることが示された。
我が国では各地で「地域医療構想」が策定され病院の集約が検討されている。一方で、5Gなどの最新技術によるデジタル化の進歩で、病院間の連携はスムーズになり、そして住民は自宅で医療サービスを享受できるようになる。この二種類のデジタル化は病院の集約化にどのような影響を与えるのか、線分都市モデルを通して、投票と費用最小化との間に生じる齟齬、多数決のパラドックスに及ぼす影響を抽出する。さらに、集約化が進む医療高度化時代の費用構造に限定すると、投票ではハコモノ行政と揶揄される非効率な選択がされること、自宅病院間のデジタル化が改善、病院間デジタル化が改悪になることを明らかにする。
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