本研究では、戦後の新幹線駅の新設が市区町村人口に与えた個別の処置効果をSynthetic Control Methodにより分析し、以下のことが示された。第一に、新幹線開業の効果は正負が混在する。第二に、処置効果は開業時の人口と正の相関を持つ。第三に、処置効果は経年的に、特に1980年代以降弱まっている。第四に、処置効果は現在の政令指定都市からの距離の増加に対して急激に弱まる傾向にあるが、減少は単調ではない。本研究は、Difference in Differences法や操作変数法によって分析された交通インフラ投資の効果計測に関する研究を補完するものである。