音声コミュニケーション研究会資料
Online ISSN : 2758-2744
3 巻, 1 号
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2023年1月音声コミュニケーション研究会資料
  • 辻 慎也, 荒井 隆行
    2023 年 3 巻 1 号 論文ID: SC-2023-2
    発行日: 2023/01/21
    公開日: 2024/02/15
    研究報告書・技術報告書 認証あり

    本研究では,一側性難聴者 (UHL) と両側聴力正常のモノラル受聴 (MNH)・両耳聴 (BNH) を対象に,残響下での時間分解能・文章了解度・方向性マスキング解除を測定した。白色雑音を用いたgap 検出テストの結果,MNH では約0.3 秒応答時間が増加し,傾聴努力がみられた。文章了解度テストの結果,残響下での音声聴取のため,UHL・MNH はBNH よりも大きな音声対雑音の比 (SN 比) が必要であり,残響は一側性難聴者の音声聴取を妨げる要因であることが示された。一方,29.06 年 (1SD: 14.19) と長い難聴期間のUHL とMNH との比較から,一側性難聴者は適応により,残響のマスキングからある程度解除され,方向性マスキングの効果は改善し得ると示唆された。

  • 山岸 慎平, 藤平 晴奈, 古川 茂人, 柏野 牧夫
    2023 年 3 巻 1 号 論文ID: SC-2023-3
    発行日: 2023/01/21
    公開日: 2024/02/15
    研究報告書・技術報告書 認証あり

    純音聴力検査で正常でもノイズ下での聞き取りが困難になる“隠れ難聴”の一要因として,内有毛細胞と蝸牛神 経間のシナプス障害(蝸牛シナプス障害)が注目されている.蝸牛シナプス障害は自発発火頻度の低い蝸牛神経を選択的に障害することが知られているが,生きているヒトを対象に低自発発火蝸牛神経の活動を抽出する方法は確立されていない.そこで,本研究ではヒトを対象に蝸牛シナプス障害を客観的に評価する手法の確立を目指し,蝸牛神経の活動を反映することが知られている聴性脳幹反応(Auditory brainstem response: ABR)のⅠ波(ABR-1)を計測した.低自発発火蝸牛神経と高自発発火蝸牛神経におけるadaptation の違いを利用するため,paired click を刺激として用いた.その結果,比較的時間間隔の短い条件について, 2 音目に対するABR-1 の反応強度が中年者に比べ若年者の方が大きいことと雑音下の単語了解度と相関することがわかった.計算機シミュレーションでは,短い時間間隔ほど低自発発火蝸牛神経の寄与が大きくなり整合する結果が得られた

  • —対話的可視化・可聴化環境について —声を眺めて、触って、変えて、聴いてみよう—
    河原 英紀, 榊原 健一, 安 啓一, 小林 敬
    2023 年 3 巻 1 号 論文ID: SC-2023-4
    発行日: 2023/01/21
    公開日: 2024/02/15
    研究報告書・技術報告書 認証あり

    ハードウェアの処理能力の向上とソフトウェア開発環境の進歩により教育研究に用いることのできる対話的可視化・可聴化環境の選択肢が豊富になっている。ここでは、それらの現状とこれからについて、開発中のツールや使用場面からの知見とあわせて議論する。

  • —聴覚障害のある若年者による評価—
    安 啓一
    2023 年 3 巻 1 号 論文ID: SC-2023-5
    発行日: 2023/01/21
    公開日: 2024/02/15
    研究報告書・技術報告書 認証あり

    本研究では聴覚障害のある学生を対象として発話訓練を目的とした自声の可視化方法について検討した。音声・音響学の講義において自声の録音を行い,その音声の可視化を行った。可視化の際には音声分析ソフトのAudacity およひPraat を用いた。時間波形とスペクトログラムを表示し,さらに,音高(ピッチ)や音圧レベルの表示も行った。受講した学生は聴者である著者の音声と比べた際にピッチの違いを述べることができたが,音素レベルの分析までは至らなかった。今後は表示させる音響特徴量の検討を進め,リアルタイムで可視化させる方法について検討する。

  • 竹内 京子, 青木 直史, 荒井 隆行, 鈴木 恵子, 世木 秀明, 秦 若菜, 安 啓一
    2023 年 3 巻 1 号 論文ID: SC-2023-6
    発行日: 2023/01/21
    公開日: 2024/02/15
    研究報告書・技術報告書 認証あり

    言語聴覚士養成校では, 聴覚心理学が必修科目である. しかし, 学生にとってあまり記憶に残らない科目であるようだ. そのため,「聴覚心理学を知ってもらう」ための講習会を開催した. 本発表はその報告である.

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