本論文では乳房X線像におけるスピキュラ陰影自動認識の一手法について述べる.本手法はスピキュラ陰影強調処理と特徴量選択という二つのステップからなっている.まずスピキュラ陰影の強調処理を行う.その強調処理では,Mathematical Morphologyを用いたTophat by Partial Reconstructionという新しく開発した手法を用いる.またその強調処理で得られた画像に対して雑音除去及びスピキュラの伸びる方向を示す方向マスクを作成する.そしてその画像における各画素の濃淡値及び方向を用いてスピキュラの集中度を計算し,二つの特徴量を選択して識別関数を作り,入力画像におけるスピキュラ陰影の有無を自動認識する.実験ではスピキュラ陰影を有する7症例を含む24症例に本手法を適用した結果,全て正しく認識された.