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盧 炯珉, 岡野 久仁彦, 山下 俊
セッションID: 2b07
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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トラン部位を有する光駆動分子モーターを合成し, DSCおよび偏光顕微鏡によって熱的性質を観察した。また, UV-vis, CD,
1H NMRスペクトルを用いて光応答を検討した。
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田中 邦彦, 松浦 佳宏, 南 允美, 木下 基, 池田 富樹
セッションID: 2b08
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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りん光を示す金属錯体は,有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子へ応用可能なことから大きな注目を浴びている。これまでに,われわれは発光性金属錯体液晶を用いることにより,赤色や白色を示す高偏光性有機EL素子を開発している。本研究では,高偏光有機EL素子を開発することを目指して,二価の白金とさまざまな配位子をもつ新規化合物を設計・合成し,偏光発光特性について報告する。
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高屋敷 由紀子, 飯野 裕明, 半那 純一
セッションID: 2b09
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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biphenyl,terphenyl,Quarterphenylとbenzene環のみをコア部にもつ誘導体を数種類合成し、それらについて液晶性と電荷輸送特性について比較検討した。環の数が増えることで液晶相温度は高くなるが、電荷輸送に関しては高次の液晶相に於いて0.1cm2/Vsを超える高移動度の誘導体も実現できた。
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飯野 裕明, 小堀 武夫, 半那 純一
セッションID: 2b10
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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近年、高いFET移動度を示すことで注目されているベンゾチエノベンゾチオフェン(BTBT)液晶を合成し、その液晶相とその電荷輸送特性を検討した。BTBT液晶はSmA相が現れやすくアルキル鎖の長さを非対称にすることで液晶相の温度域を広げることに成功した。このSmA相における電荷輸送特性を過渡光電流測定法により検討した結果、従来の有機半導体材料と同様に10
-4cm/Vs台の移動度を示す正孔・電子の両極性の電荷輸送を観測した。
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大野 玲, 半那 純一
セッションID: 2b11
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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液晶における電荷輸送は室温近辺では移動度に温度依存性がないものの、低温領域ではディスオーダーモデルに従う温度依存性を示ことが分かってきた。これはホッピングサイトにガウス型のエネルギー分布が生じていることを意味する。このエネルギー分布はキャリアが配向性の乱れた分子のダイポールモーメントとのクーロン力によって生ずると考え、液晶分子の配向性とエネルギーのディスオーダーとの関係をモデル化し、明らかにした。
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物部 浩達, 清水 洋
セッションID: 2b12
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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トリフェニレン誘導体などに代表される円盤状液晶は、カラム軸方向に高速の電荷移動度を持つことが報告されている。本研究では、2,3,6,7,10,11-Hexaalkoxytriphenyleneの波長可変CO2レーザー照射による配向制御と、面内平行電極間での液晶相での異方的導電性について報告する。
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坂本 謙二, 三木 一司, 三崎 雅裕, 坂口 幸一, 土方 譲, 近松 真之, 阿澄 玲子
セッションID: 2b13
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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我々は、厚さ2.8 nmの極薄ポリイミド光配向膜を用いpoly(9,9-dioctylfluorene) (PFO)を一軸配向させることによって、積分偏光比16(波長400-600 nm)、電流効率0.13 cd/Aを示す偏光高分子EL素子が作製できることを前回報告した。今回、PFO発光層の厚さを変えることにより、電流効率を0.3 cd/Aまで向上させることに成功したので報告する。
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福永 篤史, 浦山 健治, 瀧川 敏算
セッションID: 2c01
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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側鎖型液晶エラストマーを低分子液晶溶媒で膨潤させたゲルの電場応答挙動を調べた.電場に誘起されたマクロ変形および複屈折変化の定常状態特性とダイナミクスを調べ,実験結果を記述する簡単なモデルを構築した.
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平岡 一幸
セッションID: 2c02
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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本研究では、強誘電性のキラルスメクチックC(SmC*)相を持つ液晶エラストマー(以下、SmC*エラストマー)を取り上げ、温度変化ならびに電界印加時の形状変化を検討した。特に電界誘起変形においては、自発分極と電界との相互作用による形状制御を検討した。電界により誘起される変形挙動と分子再配列を解析することにより、電界誘起変形のメカニズムについて考察を行った。
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米谷 慎, 多辺 由佳, 横山 浩
セッションID: 2c03
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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軸不斉液晶単分子膜中における分子長軸廻り回転ダイナミクスについて、膜透過ガスとの関連を中心に分子シミュレーションによる検討結果を報告する。
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松山 明彦
セッションID: 2c04
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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液晶溶媒中にとけた側鎖型液晶ゲルの体積相転移を理論的に研究する。6つの異なるネマチック相が定義されている。温度変化に伴って様々な構造間の相転移が起こることを報告する。
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福田 順一, Zumer Slobodan
セッションID: 2c05
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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ネマチック液晶中において,液晶の弾性変形が媒介するコロイド粒子間相互作用を解析的に評価した.粒子間距離rが小さい場合は,相互作用ポテンシャルはrに対してベキ的に,rが大きい場合は指数関数的に振る舞うことが示された.これらの結果は,最近の実験によって見出されたポテンシャルの振る舞いを,ほぼ完璧に説明するものである.
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渡辺 豪, 斎藤 純一, 多辺 由佳
セッションID: 2c06
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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メソゲン構造を有する棒状液晶分子が、分子長軸を界面に平行となるよう配置した単分子膜では、光学異方性が見られない。一方、分子長軸が界面法線から傾いた配置においては、二次元スメクチック
C相が実現される。この結果は、理想的な二次元ネマチック相が存在しない事を示唆している。そこで本研究では、二次元面に配置された液晶分子の配向相関長について、MD計算を用いた定量解析を行ない、実験で光学異方性が見られない理由を考察した。
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高橋 祐香, 西澤 あゆみ, 竹内 和仁, 鷺坂 将伸, 羽沢 勝治, 高橋 賢次, 柏倉 幾郎, 吉澤 篤
セッションID: 2c07
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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我々は、側鎖にヒドロキシル基を持つシアノビフェニル誘導体を合成し、その液晶性とヒト肺がん細胞A549に対する効果を検討した。抗腫瘍効果は鎖長に依存し、ヘプチル鎖を持ったものが最も幅広い温度のネマチック液晶を発現し、かつ5μMの添加でコントロールと比較して約55%と有意な抑制作用を示した。一方、正常細胞WI-38に対して検討した結果、抑制効果を示さなかった。我々は、これら化合物の液晶性と抗腫瘍効果について議論する。
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福士 由佳子, 羽澤 勝治, 門前 暁, 高橋 賢次, 柏倉 幾郎, 吉澤 篤
セッションID: 2c08
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
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私達は棒状液晶性化合物が慢性骨髄性白血病細胞株K562に及ぼす影響を評価した。特に2-(4-butoxyphenyl)-5-(4-hydroxyphenyl)pyrimidine が顕著な細胞増殖抑制作用を示した。細胞周期測定とウエスタンブロッティングの解析結果から、2-(4-butoxyphenyl)-5-(4-hydroxyphenyl)pyrimidine と典型的な白血病治療薬であるImatinib Mesilateとの抑制作用メカニズムには顕著な違いがあることが示唆される。
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日高 芳樹, Rinto Anugraha, 植木 達博, 甲斐 昌一
セッションID: 2c09
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
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ホメオトロピック配向の液晶電気対流系において,対流モードと南部-ゴールドストーン・モードの非線形相互作用によって時空カオス「ソフトモード乱流」が生じる.ソフトモード乱流において,カオス・パターンを特徴付ける秩序度を実験的に求めることによって秩序-無秩序転移が起こることを明らかにし,さらにソフトモード乱流のマクロ揺動によって生じる液晶配向場の線状欠陥のふるまいについて述べる.
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宮崎 利邦, 鳥飼 正志, 山下 護
セッションID: 2c10
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
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Gay-Berne粒子からなる非常に薄い体系について、温度による配向秩序の変化をモード結合理論を応用し動的に考察する。 射影演算により 長波長成分から短波長成分の間をモード分離した波長依存配向相関関数を導入し、これに対し近似的に成立するモード結合方程式を自己無撞着に解き、配向秩序の変化と分子方位振動モードの関係を、膜厚を変えてしらべる。
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中川 匡弘
セッションID: 2c11
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
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本稿では、Landau-de Gennes理論に基づいて、微視的秩序パラメータと巨視的なダイレクタの両方を考慮してネマチック液晶のダイナミクスを論じる。具体的には、テンソル秩序パラメータの制約条件に関連するLagrange未定乗数を考慮して、ホモジニアスセルの閾値特性を論じ、Oseen-Zocher-Frankのダイレクタ理論と一致することを解析的に示す。さらに、外場印加時における、微視的秩序と巨視的ダイレクタの関係を数値シミュレーションにより調査する。実際、微視的秩序パラメータは、界面アンカリングと同様に外場により、界面でその影響を受けることが見出されている。
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剛体的斥力分子モデルによる結果
香田 智則, 兵頭 洋祐, 清野 一樹, 桃井 優一, 古田 薫, 西岡 昭博, 宮田 剣, 村澤 剛
セッションID: 2c12
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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相分離を誘導する井戸型ポテンシャルを用いて,液晶と基板を長さの異なる剛体冠球円柱分子の相分離構造としてモデリングした.基板の影響により,基板付近でネマチック秩序が強化される場合と,低下する場合の両方が存在することを,モンテカルロシミュレーションにより示した.
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青木 圭子, 米谷 慎
セッションID: 2c13
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
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シンプレクティック解法による高精度分子動力学法によりモデル粒子系の結晶-ヘキサティックスメクティックB(HexB)-スメクティックA(SmA)相転移を調べた。それぞれの相におけるダイナミックスの観察にとどまらず、相対エントロピーや比熱などの熱力学量の考察も行った。熱力学的な平衡状態に相当するHexB相に加えて、複数の準安定状態が広い温度範囲にわたって見つかった。これらの準安定なHexB状態は、6回ボンド対称性の秩序変数が異なる離散的な値をとる。
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分元 博文
セッションID: 2SP1
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
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特別講演:当社のOCBモードLCDの開発状況と高速応答の応用展開に関して講演する。
OCBモードLCDの実用化のための大きな障壁となっていたベンド配向の安定形成技術を開発した。高速応答OCB-LCDにおいて,黒挿入表示とバックライトの同期点滅を組み合せることにより,動画表示の品位を大幅に向上させた。さらに,高速応答特性を生かし,時分割3D表示等の新規分野への応用展開を進めている。
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伊藤 雄平, 河村 希典, 葉 茂, 佐藤 進
セッションID: 3a01
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
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当研究室では, 凹から凸レンズ特性まで良好なレンズ特性を維持しながら連続的に可変できる液晶レンズについて研究を行っている. 本研究では液晶層近傍に補助円形パターン電極を配置した新規液晶レンズを作製し, 凸レンズ特性におけるレンズ特性の評価を行った. その結果, 円形パターン電極縁近傍における電界分布を制御することにより, 円形開口部における有効径及びレンズパワーの向上を行うことができた.
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伊東 良太, 能勢 敏明
セッションID: 3a02
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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ミリ波・THz波領域における液晶デバイスでは可視領域に比べ厚い液晶層を用いる必要がある。本研究では微細構造をもつメンブレンフィルムを用いた厚膜液晶セルを作製し、その特性の評価を行なった。メンブレンフィルムの微細構造はSEM観察により評価し、メンブレンフィルム内の液晶分子の配向状態は、くし型電極構造の静電容量を測定することにより評価した。また、磁場により液晶を駆動した場合の応答特性の測定を行なった。
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能勢 敏明, 堀川 竹晴, 柳原 進, 伊東 良太, 本間 道則
セッションID: 3a03
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
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CPW上にガラス基板をマウントする事により、高周波回路上に容易にサンドイッチ型の液晶セル構造を導入する事ができる。このような手法を用いて平板型のミリ波位相変調器を実現する試みを行ってきた。ここでは、基板の低誘電率化によってCPW自体の電極構造の見直しを行い、位相変調特性の改善を試みた。低周波領域ではそれほど違いは見られなかったが、40GHz以上の高い周波数領域で良好な特性が得られる事などが分かった。
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森武 洋, 尾崎 良太郎, バク グェン・タイン, 亀井 利久, 内海 要三
セッションID: 3a04
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
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ネマチック液晶を用いたマイクロストリップ構造のマイクロ波移相器について、デバイス内での液晶の配向分布を連続体理論を用いて計算し、理論的な移相変化量を計算し実験結果との比較を行った。また、電圧の印加・除去時の配向変化についても計算を行い、位相器の応答時間についても実験と比較する形で検討を行った。どちらの結果とも計算結果は実験結果と良い一致を示し、デバイスの特性をシミュレーションできることを示した。
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野口 順也, 川崎 真太郎, 多辺 由佳
セッションID: 3a05
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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エリプソメーターは薄膜の厚さ・屈折率を決定する装置であり,幅広い分野で用いられている。偏光子・固定波長板・検光子を用いた簡単な構成により,原理的には高精度な測定が行える。しかし光学素子に機械的回転操作を施す従来の測定法では,誤差が生じやすい上に多大な測定時間を要するといった欠点があった。我々は固定波長板の代わりに電圧制御可能な二組の液晶リターダーを用いてこれらの諸問題を解決し,新しい分光エリプソメーターを開発した。
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小川 康宏, 尾島 正禎, 村田 浩二, 久保 等, 吉田 浩之, 藤井 彰彦, 尾崎 雅則
セッションID: 3a06
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
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近年、表面プラズモンのディスプレイ応用に向けた研究が盛んに行われており、表面プラズモンの制御方法の確立が求められている。そこで本研究では、干渉露光法によって1次元微細周期構造を作製し、金属を蒸着することで表面プラズモン励起素子を作製した。また、作製した素子と配向処理した基板でサンドイッチセルを作製し、種々の液晶を導入することにより表面プラズモン特性の制御を行った。
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尾崎 良太郎, 森武 洋, 吉野 勝美, Zakhidov Anvar
セッションID: 3a07
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
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二次元フォトニック結晶に液晶を導入した系において、負の屈折角の制御が可能であることが武田らによって報告されている。今回、我々は、彼らが検討したバンドよりもさらに高次のバンドにおいて、非常に狭い周波数領域ではあるが、液晶の配向変化によって、フォトニック結晶の実効屈折率の値を正から負へと変化させることが可能な特異な周波数領域が存在することを数値計算から見出した。
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城田 幸一郎, 河田 聡, 渡辺 眞次
セッションID: 3a08
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
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色素ドープ液晶ランダムレーザーの利得向上の一手段として、金属ナノ粒子の添加を検討した。金属ナノ粒子を用いる利点は、局在表面プラズモン共鳴による蛍光強度の増強が期待できることと、誘電体ナノ粒子と比較して散乱断面積が非常に大きいことである。使用する金属ナノ粒子は、液晶への分散性が高いこと、および、金属表面へのエネルギー移動による蛍光消光を避けるために液晶分子によって表面を被覆している。この金属ナノ粒子をレーザー色素をドープしたネマチック液晶に添加して、ランダムレーザー発振を起こさせ、その利得の変化を調べた。
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宮元 展義, 飯島 宏和
セッションID: 3a09
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
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層状粘土鉱物(フッ素四ケイ素雲母およびフルオロヘクトライト)の剥離によって、無機ナノシートをメソゲンとする有機フリーのライオトロピック液晶を調製し、その相転移挙動および構造をナノシートの濃度・粒子系の関数として明らかにした。試料の偏光顕微鏡観察を行ったところ、特徴的なテクスチャと複屈折による干渉色が確認された。平均粒径2.6μmのフッ素四ケイ素雲母ナノシート液晶では、約0.1 wt%以上で液晶相が出現した。一方、粒子径が0.94, 0.17μmと小さくなると、液晶相転移濃度は増加した。中性子小角散乱法により液晶構造の同定を行ったところ、基本面間隔数30 nm程度のラメラ構造の存在が明らかとなった。フルオロへクトライト系も類似の挙動が見られた。
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小野 淳平, 坂尻 浩一, 沓水 祥一
セッションID: 3a10
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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低分子水素結合性液晶3,4,5-tris(
n-alkoxy)benzohydrazides [TABH-
n]が形成する2種類のミセル型キュービック液晶相(
Pm3n,
Im3m) の構造と相転移挙動を,DSC測定,偏光顕微鏡観察,小角X線散乱測定,IRスペクトル測定から検討した.
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関 一義, 多辺 由佳
セッションID: 3a11
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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キラル液晶薄膜に物質流を与えると、液晶の配向方向が回転するLehmann効果が生じる。キラル自己保持膜でLehmann効果が起きると、配向回転だけでなく液晶分子重心の膜内流動が誘起される。我々はこの流動を利用して、膜上に置かれた微粒子を一方向回転させ、液晶モーターとしての応用を試みている。微粒子が最も効率よく動作する条件を探すことを目的に、今回はLehmannトルクの温度特性について調べた結果を報告する。
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福田 順一, 米谷 慎, 横山 浩
セッションID: 3a12
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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液晶のコレステリックブルー相の配向,および欠陥の構造が,電場の影響によりどのような影響を受けるかを,テンソルの秩序変数によって液晶配向を記述するランダウード・ジャン理論に基づく連続体シミュレーションによって調べた.ブルー相の単位格子の,弱い電場による変形が過去の実験事実を再現することを見出し,さらに強い電場によって欠陥がどのような動的過程を経て変形するかを明らかにした.
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山本 潤, 西山 伊佐
セッションID: 3a13
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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スメクティックブルー相は現在4つの種類が見つかっているが、我々はこれらのスメクティックブルー相には、高速(数100kHz~数MHz)かつ、強い揺らぎが普遍的に存在することを発見した。さらに、この揺らぎはスメクティックブルー相近傍の等方相(完全な液体相)でも、過渡的なクラスター構造として動的に生成・消滅をしていることもわかった。これらの事から、未だに解明されていないスメクティックブルー相の構造が、ダイナミクスに大きな特徴を持つそうであることが推測される。
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宮島 大吾, 荒岡 史人, 竹添 秀男, 相田 卓三
セッションID: 3b01
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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ディスコティックカラムナー液晶は液晶の中でも固く、配向を制御するのが難しいとされている。我々はディスコティックカラムナー液晶を形成する典型的な分子であるトリフェニレンの側鎖に、電場応答性を有する官能基を導入することで、電場による配向制御に成功した。
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山口 章久, アラム アクタルル, 山本 洋平, 福島 孝典, 相田 卓三
セッションID: 3b02
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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我々は最近、アルキル側鎖末端にイミダゾリウムイオン部位を導入したトリフェニレン誘導体が双連続キュービック相を形成することを報告した。今回、系の拡張を目的に、トリフェニレンに比べてより大きな共役系を有し、それぞれ電子供与性と受容性を有する、銅フタロシアニンとペリレンビスイミドをコアとする新規誘導体を合成した。本発表ではこれらディスク状分子の液晶性について詳細に述べる。
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趙 可清, 陳 超, 胡 平, 物部 浩達, 三宅 康雄, 藤井 彰彦, 尾崎 雅則, 清水 洋
セッションID: 3b03
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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6置換トルキセンは古典的によく知られたディスコチック液晶であるが、3置換誘導体を合成したところそれらもカラムナー相を発現することが見いだされた。飛行時間計測法によるキャリヤ移動度測定では10-2 cm2 V-1s-1 オーダーのホール輸送が観測された。カラム積層秩序について考察した。
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清水 洋, 森 博幸, 沓水 祥一
セッションID: 3b04
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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化学構造が電子的に同等な1,2-bis(4'-n-alkoxybenzoyl)hydrazine同族列は2種類の対称性の異なるキュービック相(Im3m及びIa3d)を示すことが知られている。飛行時間計測法によりこれらのキュービック相についてキャリヤ移動度を計測した。いずれも10-4 cm2 V-1s-1 オーダーのホール輸送を観測した。本データはキュービック相に関する初めてのキャリヤ移動度計測であり、かつその数値は一般的なスメクチックA相に相当することからキュービック相におけるスメクチック層状構造様の短距離的相関の存在が示唆される。
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大井 寛崇, 安田 琢麿, 加藤 隆史
セッションID: 3b05
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
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複数のアルキル基を両端に導入した液晶性ポリカテナーセキシチオフェンおよび、オクチチオフェンを設計、合成した。これらオリゴチオフェンはカラムナー液晶相を形成した。オリゴチオフェンの酸化還元能および、電荷輸送特性について検討を行った。
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三宅 康雄, 物部 浩達, 胡 平, 趙 可清, 藤井 彰彦, 尾崎 雅則, 清水 洋
セッションID: 3b06
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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液晶は、アモルファスシリコンと同等の高速キャリア移動度を示しうる自己組織化性を有する新たな有機半導体材料として注目されている。本研究では、カラムナー相における水素結合相互作用とキャリヤ移動度の相関を検討するために周辺側鎖の1本にアミド基を導入したトリフェニレンについてキャリヤ移動特性を調べた。アミド基の導入によりCol
h相の温度範囲は相当するヘキサアルコキシ誘導体よりも拡張されるものの、キャリア移動度は2桁程低下し(10
-5~10
-4cm
2/Vsオーダー)、異常に大きな熱活性化挙動を示すことがわかった。同等の極性を持つ非水素結合性エステル誘導体のキャリア移動度特性との比較検討も行い、分子内水素結合がキャリア移動度に与える影響について調べた。
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速水 真也, 小島 由寛
セッションID: 3b07
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
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鉄(II)化合物[Fe(3Cn-bzimpy)2](BF4)2は、液晶転移付近で反磁性から常磁性への転移が観測された。この反磁性-常磁性転移は結晶-液晶転移に伴って起こったことが示唆された。また誘電率の温度依存性を測定したところ液晶転移に伴った誘電率の急激な増加が観測された。したがってこの鉄(II)金属錯体液晶は、キラル源や屈曲構造を有さない強誘電性液晶である。
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鈴木 克明, 内田 幸明, 田村 類, 山内 淳
セッションID: 3b08
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
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有機ラジカル液晶性化合物は、液晶相中における特異な磁気物性について興味が持たれている。今回、同じ分子構造を持ち光学純度の異なる化合物を合成し、それぞれの化合物について、温度可変EPR測定を用いて磁化率の温度変化を評価した。その結果、光学活性体の化合物は、固相-液晶相転移により分子間強磁性的相互作用を示したのに対し、ラセミ体の化合物は弱い分子間反強磁性的相互作用を示すことが明らかとなった。
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古川 裕太郎, 田中 雅展, 小林 景子, 高西 陽一, 山本 潤, 吉澤 篤
セッションID: 3b09
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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側方フッ素置換のメソゲンをスペーサーを介してビナフチル基に連結した化合物が広い温度範囲で、キュービックブルー相を発現したことを昨年報告した。その化合物は単一化合物であるにも関わらず、結晶から加熱時、キラルネマチック相とブルー相を経て液体に転移する部分と直接個体から液体に転移する部分があり、液体と結晶が共存した。スペーサーやメソゲンを変化させ、ビナフチル誘導体の相挙動における構造物性相関について検討した。
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山本 真一, 長谷場 康宏, 樋口 博紀, 菊池 裕嗣
セッションID: 3b10
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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可視光波長程度のオーダーの3次元周期構造を有するブルー相は、格子面に起因した複数の回折光から多色の小板状光学組織を呈する。本研究では、ブルー相が一定の格子面を基板に平行に向ける要因を、固体基板の表面自由エネルギーから検証した。数種の表面自由エネルギーの異なる固体基板に平行配向するブルー相の最安定格子面の比率を調べ、ブルー相の格子面が、固体基板の表面自由エネルギーと一定の相関を示す結果を得た。
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蟹江 澄志, 松原 正樹, 中村 浩, Zeng Xiangbing, Liu Feng, Ungar Goran, 村松 淳司
セッションID: 3b11
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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世代の異なるアミノ基置換有機デンドロン分子と表面にカルボキシル基を有する単分散球状金ナノ粒子とをそれぞれ合成し,両者をハイブリッド化することにより,有機溶媒に安定に分散する有機デンドロン複合化金ナノ粒子を得た.得られたハイブリッドナノ粒子のバルク状態での組織構造評価を行い,デンドロンの世代が組織構造に与える影響について調査した.
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秋山 陽久, 田中 明日香, 長沢 順一, 吉田 勝, 平松 秀夫, 玉置 信之
セッションID: 3b12
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
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アゾベンゼン系のメソゲンを側鎖に持ち、糖アルコールを主鎖骨格にもつスメクチック液晶化合物を種々合成した。その化合物は側鎖光応答性メソゲン部分の数が増加するにつれ安定なスメクチック液晶性を示した。このスメクチック液晶を少量、コレステリック液晶に添加した場合も、側鎖メソゲン部分の増加にともない大きなコレステリック反射色シフトを示した。また糖アルコール部分の立体構造の違いは液晶性や反射色に大きな影響を与えなかった。
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永野 祐任, Abu Kausar, 緒方 智成, 桑原 穣, 栗原 清二
セッションID: 3b13
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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アゾベンゼン分子は紫外光および可視光照射によりトランス体‐シス体光異性化をすることが知られている。アゾベンゼン分子を含む低分子液晶に粒径約7μmのガラスロッドを散布し、紫外光および可視光を照射したところ、アゾベンゼン分子のトランス体‐シス体の光異性化に伴いガラスロッドが運動することがわかった。光反応に伴うガラスロッドの運動挙動について、波長依存性、強度依存性等について発表する。
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神野 創太郎, 山口 留美子
セッションID: 3c01
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
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我々はラビング処理を施した光架橋性高分子ポリビニールシンナメート(PVCi)膜において,MBBAおよびある種のトラン系混合液晶がラビング方向と平行に配向することを見出した(1)。本研究ではこの面内配向方位における液晶材料依存性を知るために,容易軸がラビング方向と平行に発現することが確認されたMBBAとDON602を,各々容易軸が垂直に発現する5CBと混合し,容易軸を観察した。
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大園 拓哉, 物部 浩達, 山口 留美子, 清水 洋, 横山 浩
セッションID: 3c02
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
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マイクロリンクルは一定周期を有するサイン波状の微細凹凸構造であり、弾性体上の硬薄膜が応力下で自発的に形成する。その凹凸の溝はネマチック液晶配向を誘起する。一方、一般に配向の界面アンカリング力が時間とともに増加する表面記憶効果が知られている。本研究では、微細凹凸の溝方向を可逆的に変えられることを利用し、その記憶過程の時間発展について調査する。また、この過程を利用した新しい液晶配向パターニング法について述べる。
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吉田 浩之, 久保 等, 津田 哲哉, 藤井 彰彦, 桑畑 進, 尾崎 雅則
セッションID: 3c03
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/01
会議録・要旨集
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液晶は通常、有機分子からなり、異方性と流動性を示すが、金属や無機のナノ粒子を添加することによりその特性が変化することが知られている。本研究では金属ナノ粒子をネマティック液晶にドープすることで誘起されるスペクトル・相転移点・誘電特性の変化を調べた。またネマティック液晶以外の液晶についてもナノ粒子ドープによって引き起こされる物性の変化を調べた。
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