オーストラリアで最初のEGSの循環試験が,Geodynamics社によってクーパー盆地のハバネロ実験場で行われた。Habanero #1を注入井,Habanero #3を生産井として約2ヶ月の循環試験中にトレーサー試験による貯留層評価と流体化学分析を実施した。
トレーサー試験においては,投入後4日でトレーサーが出現し,ピーク時までの容積は9,000 m
3に達した。またトレーサー流域ポア容積は18,500 m
3 ,トレーサー回収率は78 %と計算された。
また,循環試験中の平均地化学組成は,Naが5107 mg/l、Kが694 mg/l、Clが8885 mg/lとなっており,これらは循環試験に先だって行われた噴気試験時よりも高いことが示された。そのことは,貯留層内での岩石の溶解によるものと考えられる。
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