毒ヘビの捕食行動の成功率はその行動を取り巻く様々な要因によって影響される。これらの要因の一部はヨーロッパ及び新世界のクサリヘビ科の行動から解明されている。本報ではこれらの要因の果たす役割をアジア産のマムシ類2種,即ちマムシとマレーマムシについて研究し分析した。マムシは捕食ストライク後,殆どの獲物を放す。咬みつく部位は普通,頭部と胸部であったが,小さなマウスでも大きなマウスと同様の頻度で放された。マレーマムシも咬みつく部位は普通頭部と胸部であったが,ストライク後獲物を放さないでいることが多かった。小さなマウスほど大きなマウスより放されることが少なかったが,毒効はマウスの大きさに影響されなかった。死亡までの時間はマムシの場合より早かった。
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