京都市伏見区丹波橋において,1958年5月から,1969年10月の間に体温測定したヤマカガシ1099匹,アオダイショウ83匹,ヒバカリ44匹,ジムグリ24匹について述べる.ヤマカガシ(26.75℃)とアオダイショウ(27.67℃)間,及びヒバカリ(24.85℃)とジムグリ(24.44℃)間には平均体温に有意差はなかった.しかし他の組合せすべてに有意差があった.ヒバカリとジムグリは夏期には採集されなかった.ジムグリの体温は地温よりも気温により相関したが,他の3種では逆であった.アオダイショウの月平均体温の変化はヤマカガシのそれと大体一致する.しかし月最高と月最低体温の差はアオダイショウがより幅がせまい.ヤマカガシでは雌の平均体温は雄より高かったが,他の種では雌雄間で体温に差がなかった.4種のすべてで,胃に餌のある蛇と空の蛇との間には体温の有意差は認められなかった.
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