発話理解のプロセスをオンラインで表示する記述装置を導入し、英語ニュースの漸増的理解を例示する。その記述装置の特徴は、入力言語表現に刺激されて概念化された内容を概念的複合体として表示することにある。その表示には言語形式を用いるが、それは個々の単語の辞書的意味を表すのではなく、複合体全体として特定化する概念に対する貢献の目印になるだけである。また、概念的複合体には聞き手の文法知識、背景知識が直接参入することができる。
このような概念表示によって聞き手のニュース理解を跡づけてみると、どの段階でどのような背景知識が役立っているかを示すことができる。そのことから、英語ニュースを使った英語教育では学生にどのような背景知識を事前に与えるべきか、十分な理解が得られない場合の弱点をどう指導するか、などについての指針を得ることができる。
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