テレビ・ドキュメンタリーに係わるリテラシーの構成要素を抽出することを目的に,日本のテレビ番組制作者(以下,番組制作者)による書籍の記述の分析を行った。その結果,「制作」では,スポンサーの発言力の大きさ,テレビ局と制作会社の上下関係,総務省の力の大きさ,憲法の知る権利,放送法の「不偏不党」に対する意識等の項目が抽出された。「言語」では,編集で撮影順と異なる組合せにすること,できる限り映像で見せること,ナレーションは映像等の要素と補い合うものであること等の項目が抽出された。「リプレゼンテーション」では,撮られる側がカメラやスタッフを意識するため,普段通りではなくなること,番組制作者が撮られる側にはたらきかけを行うことで真実を伝えること,ドキュメンタリーは世界を再構成し再提示していること,正確な情報を伝えるべきと考えていること等の項目が抽出された。「オーディアンス」では,日本国民のマジョリティや高齢者をターゲットにしていること,興味を引く様々な工夫をしていること等の項目が抽出された。
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