エキスパートによりIgG4関連の大動脈周囲炎/動脈周囲炎および後腹膜線維症と診断された99例のデータを解析し,臨床像や診断に至った経緯を検討した。33例は動脈周囲/後腹膜の病理組織学的所見から,50例は他臓器のIgG4関連疾患の確診から,残りの16例は臨床経過などから総合的に診断されていた。IgG4関連疾患の厚生労働省研究班により策定された新しい臓器特異的診断基準を用いた検討では,73例(73.7%)が確診,6例(6.1%)が準確診,17例(17.2%)が疑診に分類された。
B型大動脈解離に対してエントリー閉鎖の有用性が証明され,TEVARが施行されている。中枢ランディングに問題のある症例には遠隔期の大動脈イベントを発症するリスクがある。フローズンエレファントトランクを用いた全弓部置換(TAR-FET)を遠位弓部にエントリーが存在する17例に施行。対麻痺等の合併症なく大動脈イベント回避率は5年で90%,35%の偽腔縮小率で良好なリモデリングを得た。TAR-FETは安全なB型解離の治療戦略の一つと考える。
大動脈解離を伴わない孤立性上腸間膜動脈解離(SMAD)の治療内容と遠隔成績について検討した。2005年から経験したSMAD例は30例で,腸管虚血が高度と診断した2例,瘤径拡大の1例に侵襲的治療を行った。他の27例では保存的に治療した。6~149(平均69)カ月の遠隔において,SMAD関連死,関連の血管合併症は認めなかった。SMADには,急性期に侵襲的治療が必要なる例が存在したが,大部分の例で保存的治療が可能であり,予後は良好であった。
Stanford B型大動脈解離に対する薬物療法について
公開日: 2017/03/10 | 57 巻 3 号 p. 29-31
高志 賢太郎, 西上 和宏, 田口 英詞, 兒玉 和久
ヘパリン在宅自己注射療法の適応と導入方法
公開日: 2013/05/24 | 論文ID 13-00008
小林 隆夫
大動脈食道瘻の治療戦略
公開日: 2016/06/10 | 56 巻 5 号 p. 59-64
山中 一朗, 仁科 健, 三和 千里, 阪口 仁寿, 廣瀬 圭一, 水野 明宏, 吉田 幸代, 矢田 匡, 恩賀 陽平
大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドラインup-to-date—血管内治療編—
公開日: 2023/08/10 | 63 巻 5 号 p. 69-73
加藤 雅明
IgG4関連疾患の疾患概念とIgG4関連心血管病変の意義
公開日: 2017/06/10 | 57 巻 6 号 p. 81-89
川 茂幸, 藤永 康成
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