国際ICT利用研究学会論文誌
Online ISSN : 2433-9989
Print ISSN : 2433-0205
最新号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 水國 照充
    2022 年 5 巻 1 号 p. 1-
    発行日: 2022/08/30
    公開日: 2023/08/30
    ジャーナル フリー
    本研究では, 高齢者を対象としたe スポーツによる認知トレーニングの効果とトレーニングへの参加意欲を検証した。【方法】健常高齢者12 名を対象に『ぷよぷよ』を2 カ月間(全8 回), 対戦形式で実施した。実施前後にMMSE,CPT,ストループ検査,TMT による評価を, 実施後4 カ月時点で, ストループ検査,TMT による評価を行い, トレーニング効果を解析した。また, トレーニング期間終了時に参加に関するアンケート調査を実施した。検査の学習効果を確認するため, トレーニング未実施群として健常高齢者6 名に,MMSE, ストループ検査,TMT による評価を行った。【結果と考察】トレーニング実施群のストループ課題の正答数とTMT の施行時間は,トレーニング前と比較して有意差がみられた。トレーニング未実施群では, 有意差はみられなかった。また,アンケート結果から参加者が意欲的に参加したことが明らかになった。e スポーツによる認知トレーニングは, 健常高齢者に全般性注意機能の向上をもたらし, 積極的に参加できることが示唆された。
  • 中村 洋介, 神谷 一生
    2022 年 5 巻 1 号 p. 17-
    発行日: 2022/08/30
    公開日: 2023/08/30
    ジャーナル フリー
    本研究では,都市圏活断層図(国土地理院),長期評価(地震本部) から各種データを収集し,日本全国の撓曲帯上の土地利用について334 箇所を対象に調査を行った。撓曲帯の傾斜でみると,0◦ ≦ 傾斜< 5◦ では28% を占めていた住居・商業建築物が20◦ ≦ 傾斜< 25◦ では9% に減少し,0◦ ≦ 傾斜< 5◦ では11% に留まっていた森林が20◦ ≦ 傾斜< 25◦ では68% まで上昇するなど,傾斜の変化とともに土地利用の特徴にも変化が見られた。各地域における傾向を分析すると,北海道地方や東北地方,中部地方では他の地域に比べて農業などの第1次産業における生産量が大きいが,撓曲帯上の土地利用でも同様の傾向が出ており,それぞれ農業用地として37%,41%,43% が利用されていた。その一方で,関東地方や近畿地方などは人口が集中している都市を抱えていながら,住居・商業建築物や公共建築物などの人的利用が見込まれる施設の割合が59%,61% と非常に高くなっていた。政令指定都市に位置する撓曲帯に絞ってみると,撓曲帯上の土地の70% が人的利用の見込まれる施設に使用されていた。
  • ~初期平安京の正方形仮説~
    高見 友幸
    2022 年 5 巻 1 号 p. 26-
    発行日: 2022/08/30
    公開日: 2023/08/30
    ジャーナル フリー
    初期平安京は厳密に正方形の都城であるという仮説が最近になって提起されているが,本研究はこの正方形仮説の淵源を唐長安城に求めるものである。従来,唐長安城は古代日本の都城の規範とされてきたが,厳密な正方形性が議論されることはなかった。本稿では,唐長安城の新たな復原の結果と初期平安京の正方形仮説を合わせて考察することで,ふたつの都城の復原を相補的に検証する。正方形仮説は,1)初期平安京が1 辺1500 丈の正方形であり,2)初期平安宮が1 辺400 丈の正方形であり,3)大極殿院が1 辺40 丈の正方形であることを主張するが,この仮説に含まれる1500 丈,400 丈,40 丈という数値の由来を定量的な解釈により示すことができた。この結果は同時に唐長安城の復原案の正当性を支持するものである。
  • 松本 貴裕, 福井 昌則, 高見 友幸
    2022 年 5 巻 1 号 p. 34-
    発行日: 2022/08/30
    公開日: 2023/08/30
    ジャーナル フリー
    近年,プログラミング学習手段としてプログラミング環境の構築の不要なWeb アプリケーションが様々存在する。それらサービスは,プログラミング学習サイトと競技プログラミングサイト,解説サイトがそれぞれ独立して運営されている。そのため,ユーザーは各サイトを行き来する必要がある。また,プログラミング言語が限定されていないため,汎用的な学習コンテンツとなっている。本研究では,プログラミング言語「Python」の学習を可能とするWeb アプリケーションのシステム設計・構築を行う。システムは,プログラミング学習サイトと競技プログラミングサイトが共有のデータベースを用いて連動するサイトである。本稿では,このプログラミング学習サイト部分の開発を行った。また,従来のサイトでは扱われていない,テキストファイル・画像・Web・音声を用いたコンテンツを開発した。
  • 佐藤 礼華, 吉岡 輝貴, 李 牧イ, 高見 友幸
    2022 年 5 巻 1 号 p. 42-
    発行日: 2022/08/30
    公開日: 2023/08/30
    ジャーナル フリー
    人の動きやモノの動きをデータ化する技術であるモーションキャプチャが注目されている。本研究では,モーションキャプチャの手法としてPython/MediaPipe を用いることで,高齢者体操ゲームの開発可能性を検討した。モーションキャプチャによれば,プレイヤーの動作をリアルタイムに確認可能であるが,それとともに,様々なゲーム要素の付加も見込むことができる。本開発で得られた成果は,1)インストラクターによる体操の動作をあらかじめ撮影し,体の各部位と関節の座標および角度を時系列データにすることができた。2)このデータを体操の正しい動作とすることで,Web カメラで撮影されたプレイヤーの動作を点数化することができた。こうして得られた点数をゲームシナリオの中にどのように組み込むかが今後の課題である。
  • 永田 清
    2022 年 5 巻 1 号 p. 47-
    発行日: 2022/08/30
    公開日: 2023/08/30
    ジャーナル フリー
    学習者の情報セキュリティ意識と学習スタイルを考慮した情報セキュリティ学習のためのe-Learningシステムを開発しているが,自主学習における到達度評価は選択式のモノを基本としていた.しかし,学習した内容に対し簡単な記述を行ったり,レポートを作成する場合も考慮する必要がある.そのためには自然言語の分析評価が必要であり,これまで開発を行ったJava 言語のプログラムに多言語対応の自然言語処理機能を追加することとした.基礎機能としては,形態素解析機能と構文解析機能であるが,それらによって得られたデータと対応する単語分散表現などの機能を用いて,文書解析を行うこととした.文書解析結果としては,句読点混合,“です・ます” 調と“である” 調の混合などの基本的なものから,さまざまな可読性指標も組込むこととする.
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