多様な情報と人々をつなぐはずのソーシャルメディアが,社会的分断や情報のタコツボ化を助長しているという問題が顕在化している。特に,エコーチェンバーやフィルターバブルといった閉じた情報環境は,自分の好みに合致した情報のみが来やすく,自分とは異なる観点からの情報が来にくいため,フェイク(偽)ニュースやヘイト(憎悪)の温床となる危険性を孕んでいる。本稿では,計算社会科学の観点から,偽ニュースが拡散する仕組みについて解説し,ウェブの負の側面について論じる。また,今後のウェブの技術が克服すべき問題について議論する。
システマティック・レビューにおいては,網羅的・系統的な文献検索が不可欠な作業として求められる。本稿では,システマティック・レビューの理解に必要となるキーワード,EBMとコクランについて紹介したのち,システマティック・レビュー,特にシステマティック・レビューにおけるデータベースの選択・検索について概説する。システマティック・レビューの文献検索は,データベースごとに特徴と機能,注意点を理解したうえで,検索式を設定することが重要である。また,システマティック・レビューやシステマティック・レビューに利用でき得るリソースの情報収集とアップデートを継続することも必要である。
多様な文脈において人間が情報ニーズを生成し,そのニーズを満たすために情報を試行錯誤により探し出し,有用な情報を獲得し,それを利用するという一連のプロセスである探索型検索は,探索者の知識構造を変化させる究極の自律学習である。情報を探しやすくするには,探索的検索をシームレスに実行できるようなシステム環境を整備するとともに,探索者の経験知,領域知識,自己効力感を高める必要がある。インフォプロには,情報システムの整備とともに,情報探索プロセスの理解,情報探索を通じた効率的・効果的な自律学習方法の伝授,情報探索経験知の形式知への変換が求められる。
病院には医療関係者のための図書室と,患者のための図書室の二種類の図書室がある。前者は医学図書館であり,主に医学情報を提供している。地域医療支援病院などの3割程度に設置されており,相互協力(ILLでの文献複写依頼)を中心に司書が一人で仕事をしている。後者は,患者・家族・市民のために医療・健康情報サービスを行っている。患者の立場に立ってインフォームドコンセントを支援する,という役割を担っている。全国に100以上の患者図書室が開設されている。それらの現状と問題点などを紹介する。さらに,一般市民に対する健康情報サービスが,公共図書館を中心に広がっているため,病院の図書室ばかりではなく,大学医学部図書館との連携・協力が求められている。
Rによるテキスト分析入門
公開日: 2020/04/01 | 70 巻 4 号 p. 181-186
三村 喬生, 松村 杏子, 松村 優哉, 関家 友子
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海外の新事例から学ぶ「ねつ造・改ざん・盗用」の動向と防止策
公開日: 2016/04/01 | 66 巻 3 号 p. 109-114
白楽ロックビル
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企業における個人情報の取扱いの実務
公開日: 2016/11/01 | 66 巻 11 号 p. 579-584
影島 広泰
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システマティック・レビューにおけるデータベース検索
公開日: 2017/09/01 | 67 巻 9 号 p. 472-478
眞喜志 まり
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ウェブの功罪
公開日: 2020/06/01 | 70 巻 6 号 p. 309-314
笹原 和俊
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