鑑賞者が演奏者と時間と空間を共有する生演奏では、演奏の録音や映像で演奏を鑑賞するときとは異なる心理反応が 生じる。我々がこれまでに行った研究では、演奏の録音や録画を鑑賞するときよりも、演奏者の感情的解釈がより強く鑑賞者に伝わることを明らかにしている。生演奏における鑑賞者の心拍時系列や身体の動きの分析では、鑑賞者自身が演奏の特徴により強く引き込まれることを示す結果を得ている。現在までに得られている知見を統合すると、生演奏の演奏者−鑑賞者間ダイナミクスにおいて重要な要素の一つは、鑑賞者が演奏に継続的に注意を向けることであることが示唆される。

10:00 〜11:00 1 佐藤正之（東京都立産業技術大学院大学認知症・神経心理学講座）メロディックイントネーションセラピー日本語版の適応と効果 2 馬場存（駿河台大学心理学部） 病態を踏まえた精神科音楽療法の方法論〜統合失調症と躁うつ病の個人音楽療法の比較〜 3 近藤瑛佑（医療法人中村会介護老人保健施設あさひな）、田部井賢一（東京都立産業技術大学院大学産業技術研究科）、奥野竜平（摂南大学理工学部）、赤澤堅造（大阪大学名誉教授） 中重度認知症患者の音楽療法におけるアクセシブル電子楽器サイミス使用に向けて 4 小野寺妙子（帝京平成大学健康医療スポーツ学部）サクスフォンストラップと首周辺の疲労について

11:00 〜12:00 5 小谷マミ子（埼玉県立小児医療センター）、武藤友里（埼玉県立小児医療センター）ターミナルケアにおける音楽療法導入によるNICU 看護師の心理的変化 6 橋本ゆかり（フリーランス、上野学園大学ピアノ専攻、音楽療法士）発達障害や認知症や失語症の方などに対する音楽療法の効果 7 下村佳子（三輪病院，医療技術部） 　失語症、構音障害、嚥下障害への歌唱による音楽療法の効果の1 症例 8 古川慎二（Groove-Bee 合同会社、認定栄養ケア・ステーションBee、 　　　　 株式会社日本ケアリンク( せらび有栖川・美浜・新宿)、堀切菖蒲園クリニック）医療介護現場から伺える代替医療( 音楽療法) の継続的な発信の重要性