島嶼地域科学
Online ISSN : 2435-757X
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選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 長谷川 秀樹
    2020 年 1 巻 p. 1-19
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/12
    ジャーナル オープンアクセス
    ある国において島嶼地域は,島嶼であるという事由により自治権や特別地位が付与されるべきか。ヨーロッパにある複数の島嶼地域を検証し,非対称性多元主義により大陸地域にはない自治権や特別地位が付与されている事例が多いことを明らかにする。自治権や特別地位は国家との関係で形成付与されるものであるが,ヨーロッパ島嶼地域の場合,EUを含む関係となる。この付与がEU統合への選択権(島嶼地域の脆弱な経済的利益を維持する目的からのEU市場への不参加),もしくはEU統合理念である補完性(地方分権)と社会経済的結束(地域間格差是正)から導かれる超周縁地域に対する特別選択の享受,と関わるからである。後者のケースにおいて従来地理学・生態学的概念であった「島嶼性」がEU,各国,島嶼地域レベルにおいて「制度化」されつつある。ヨーロッパ島嶼地域の自治権は,非対称性多元主義論や多極共存型民主主義論が主要対象とするエスニシティや文化的少数派というよりも,経済社会的少数派としての「島嶼性」とも関わる制度概念である。
  • 沖縄県北大東村「なかよし塾」を事例に
    佐久間 邦友, 高嶋 真之, 本村 真
    2020 年 1 巻 p. 21-40
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/12
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿の目的は,離島における自治体主導型学習支援事業の取り組みの現状と課題を明らかにすることにある。今日,離島地域では多くの自治体が学校外の学習支援を実施している。特に沖縄県北大東村「なかよし塾」は,地域の教育課題解決を目指す「学習支援センター」と認識されており,公教育の一端を担う重要な存在であると言える。これらは使用可能な財源が多様にあることで可能になっている。しかし,制度的には,財源や講師の確保と評価方法の確立が,実践的には,学校との連携・協働可能な関係構築と安心して学べる環境づくりが課題である。引き続き,制度と実践の両側面から,離島における持続的な学校外の教育保障を模索していく必要がある。
  • 八重山諸島石垣島新川の事例を中心に
    石川 恵吉
    2020 年 1 巻 p. 41-58
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/12
    ジャーナル オープンアクセス
     本稿は,八重山の自治会組織の上層役員が,村落祭祀の日選りに関わり,また女性司祭に対して祈願の依頼をおこなうなど,祭祀の実施・運営の中心的な役割を担っていることについて,組織の歴史的背景に注意を向けながら検討したものである。  上層役員の果すこうした役割の背景には,上層役員と系譜的につながる琉球王国時代の村役人「世持」「田ぶさ」の存在があった。各地の口頭伝承や歴史資料を照合していくと,彼らは百姓層の社会生活に関する指導・監督役を担う一方で,村落祭祀にも深く携わり,祭祀を滞りなく実施する役割を担っていたのである。
  • 落合 いずみ
    2020 年 1 巻 p. 59-73
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/12
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿はオーストロネシア語族アタヤル語群(アタヤル語・セデック語)において,「耕地の区画」を指す文化的語彙を,*Ratudと再建する。この語は現代においてatu(アタヤル語),ratuc(セデック語パラン方言),gasut(セデック語トゥルク方言)などの形式で現れる。この語は,それぞれの言語において,ならびにそれぞれの方言において,特有の音変化を経たために,同源関係が見えにくくなっている。本稿では,これらの形式に起こった音変化を遡り再建形を導く。
  • ファン=デル=ルべ ハイス
    2020 年 1 巻 p. 75-94
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/12
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿では,2018年から2019年にかけておこなわれた現地調査の結果に基づき,沖縄語宜野座惣(そ)慶(けい)方言の敬語形式の記述を試みる。惣慶方言の現況,主な特徴,調査方法を述べ,惣慶方言における敬語形式の一覧を挙げる。  敬語形式の語源と北琉球列島における分布に言及しつつ,惣慶方言における代表的な敬語形式である,応答詞,二人称代名詞,丁寧形式,派生的な尊敬形式,語彙的な尊敬形式,謙譲語形式を記述する。
  • 民謡クラブ・民謡酒場という『場』に着目して
    澤田 聖也
    2020 年 1 巻 p. 95-114
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/12
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    現在,唄者は沖縄民謡の担い手として,テレビ,ラジオ,レコードなどのメディアやフェスティバルやイベントなどの出演,民謡酒場での演奏など多岐にわたる活動をし,人々から高い支持を得ている。しかし,唄者の歴史を沖縄戦前後まで遡ると,現在の唄者のイメージや役割と大きく異なり,世間一般的に高い評価を得るような存在ではなかった。唄者のイメージは時代を下ることにプラスになり,それに伴い唄者の役割も変化していった。  本論文では,1945年から2000年代における民謡クラブと民謡酒場の専属唄者の活動を通して,第一に唄者に対するイメージの変化,第二に唄者の役割の変化を明らかにすることを目的としている。
  • 佐藤 崇範
    2020 年 1 巻 p. 115-126
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/12
    ジャーナル オープンアクセス
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