構造物の老朽化問題に対し，橋梁の点検結果を基にした構造物の損傷評価に関する研究が継続的に行われてきた．本研究では，コンクリート橋梁のひび割れ損傷程度への影響度合いを予測するために，分類予測対応の機械学習アルゴリズムを用いた．この機械学習アルゴリズムを活用したひび割れ損傷予測モデルにより，コンクリート橋梁の複雑な損傷影響因子を機械学習により抽出し，将来的に，コンクリート橋梁の効率的な維持管理手法が構築されることを目的としたものである．本研究では，コンクリート橋梁の主桁の構成要素におけるひび割れ損傷予測を各種の機械学習アルゴリズムで実施した．その結果，勾配ブースティングと呼ばれる手法であるXGBoostおよびLightGBMが，良好な予測精度を示した．また，LightGBMによる予測モデルにより，重要な説明変数選択，およびSHAPによるひび割れ損傷程度への影響の可視化を行い，それらの結果についての検討を行った．