日本婦人科腫瘍学会雑誌
Online ISSN : 2436-8156
Print ISSN : 1347-8559
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原著
  • 合田 真優子, 宮本 真豪, 青田 沙紀, 三澤 亜純, 稲葉 洋文, 水野 祥, 河田 啓, 鈴木 由梨奈, 堀江 弘二
    2025 年 43 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2025/01/25
    公開日: 2025/02/12
    ジャーナル フリー

    概要:子宮体癌特殊型(漿液性癌・明細胞癌(Pure type)・混合癌(Mixed type))は予後不良で,さらに頻度が少ないためIA期の症例のみや,Pure type・Mixed type別に検討した報告は乏しい.当院では子宮体癌特殊型IA期に対し,単純子宮全摘+両側付属器摘出+骨盤リンパ節郭清を基本術式とし後療法を施行せず,腹水細胞診陽性時に大網切除の追加と化学療法を推奨してきた.今回2008年から2020年の当院における子宮体癌特殊型IA期の治療成績及びその再発・死亡リスク因子に関して検討し,さらにPure type,Mixed type別に治療成績を検討した.対象症例は59例であった.5年無再発率は78.5%,5年生存率は92.2%で,再発は13例で,腹膜播種が9例と最も多かった.再発リスク因子は腹水細胞診陽性(リスク比7.46)のみで,type別のリスク因子でも同様の結果であった.子宮体癌特殊型IA期の症例に対する当院の治療方針は5年生存率90%を超えていた.腹水細胞診陽性は再発・予後に関与する可能性が高く,術後化学療法選択の検討が必要であり,再発高リスク症例として慎重な経過観察が重要と考えられる.

症例報告
  • 露木 大地, 松本 有加, 田中 有紀, 住永 優里, 仲井 千裕, 田辺 優理子, 今竹 ひかる, 岸本 尚也, 江本 郁子, 天野 泰彰 ...
    2025 年 43 巻 1 号 p. 10-15
    発行日: 2025/01/25
    公開日: 2025/02/12
    ジャーナル フリー

    概要:子宮頸癌の進展様式は腟,腹膜,尿管,膀胱,直腸などへの直接浸潤が多いとされる.遠隔転移を呈する場合は,リンパ節転移,肺転移,骨転移の頻度が高く,小腸転移はまれである.今回,子宮頸癌IIIB期(扁平上皮癌,cT3bN1M0,FIGO2008)に対して初回治療として同時放射線化学療法を行い,その後の再発として小腸転移を呈したまれな症例を経験した.小腸転移再発時に小腸転移病変に対する緩和目的として小腸切除術を腹腔鏡下に行った.腹腔鏡手術は身体への侵襲が低く,術後のQOL改善に寄与し術式として有効であった.

    子宮頸癌の小腸転移はまれであるが,子宮頸癌患者の腸閉塞の原因として,放射線性腸炎や癒着性腸閉塞の他に小腸転移も想起する必要がある.文献的考察も併せ報告する.子宮頸癌の小腸転移はまれであるが,子宮頸癌患者の腸閉塞の原因として,放射線性腸炎や癒着性腸閉塞の他に小腸転移も想起する必要がある.文献的考察も併せ報告する.

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