人工呼吸
Online ISSN : 2436-3103
Print ISSN : 0910-9927
38 巻, 2 号
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エディトリアルEditorial ―本号のトピックス―
Letter to Editor
特集「ARDS患者の人工呼吸管理update」
総説
  • 黒澤 一
    2021 年 38 巻 2 号 p. 146-149
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/11/30
    ジャーナル フリー

     喫煙および受動喫煙の健康被害は明白であり、喘息、慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)などの治療経過に多大な悪影響を及ぼす。タバコ煙には発がん性、変異原、あるいは催奇形性物質など多種類の有毒化学物質が含まれており、タバコ煙が健康被害を起こすメカニズムには、粘膜などの局所の刺激を介して起こるもの、血流を介して起こる即時的な影響、ニコチン依存、晩発性の影響などがある。喫煙が呼吸器の健康によくないことは常識であるものの、ニコチン依存などによる患者の禁煙支援の難しさも理解しておく必要がある。

解説
講座
原著
  • コリー 紀代, 小水内 俊介, 金井 理, 井上 創造, 近野 敦, 中村 美鈴, 二宮 伸治
    2021 年 38 巻 2 号 p. 162-168
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/30
    ジャーナル フリー

    【目的】本研究では、①プロジェクションマッピング映像による仮想生体反応の呈示の有無や実施者の属性にかかわらず、視線計測結果が習熟度評価指標となりうるかを検証し、②生体反応を呈するシミュレータを用いた際の作業負担感を初学者と熟練者において比較することを目的とする。

    【方法】看護師群と学生群の気管吸引の所要時間、視線の停留時間・停留回数を測定した。タスク終了後に日本語版NASA-TLXを用い、両群の作業負担感を比較した。

    【結果】生体反応呈示の有無と属性による交互作用は認められず、所要時間と視線停留時間において看護師群-学生群間の主効果が認められた。作業負担感は26項目中5項目に有意差が認められた。

    【結論】看護師群の視線停留時間が統計学的有意に短く、習熟度評価に有用な指標と考えられた。作業負担感は生体反応の呈示により学生群・看護師群ともに高まり、先行研究よりも有意差のある項目数が減少した。

呼吸管理の工夫
  • 林 久美子, 青景 聡之, 塚原 紘平, 内藤 宏道
    2021 年 38 巻 2 号 p. 169-173
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/30
    ジャーナル フリー

     呼吸管理をするうえで、肺胞の内側と外側の圧較差である経肺圧が、肺の過膨張の指標として注目されている。経肺圧測定の重要性が高まっているにもかかわらず、経肺圧を測定できる人工呼吸器は十分に普及していない。しかし、ほとんどの人工呼吸器にはグラフィックモニタが搭載されている。今回、プレッシャーサポート換気時の経肺圧に影響を及ぼす食道内圧とその際の流量波形に着目し、その関連性を検討した。食道内圧を測定した10症例でΔ食道内圧(ΔPes)を高い群と低い群に分け、流量波形を分析したところ、ΔPesが大きい患者では、吸気時間に占める食道内圧が最大振幅になるまでの時間が長く、吸気流量波形における減衰速度が遅い傾向にあった。食道内圧の測定が容易にできない施設では、流量波形を観察することで食道内圧(胸腔内圧)の状態を推測できる可能性があり、人工呼吸管理の一助になると考える。

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