本稿は,ロシアの財政調整制度である「Федеральный фонд финансовой поддерЖки субъектов Российской Федерации(連邦構成主体財政支援連邦基金)」と同様のシステムを地方交付税制度に導入した場合をシミュレーションし,都道府県間の財政格差について現状の地方交付税制度と比較した。その結果,1人当たり歳入を指標とした場合にはその格差がより小さくなることがわかった。さらに,使用されている公共サービスの要素価格の相対的な指標を,基準財政需要額を基に本稿で作成した指標に置き換えることで,地方交付税と非常に近い配分額となることがわかった。