理学療法さが
Online ISSN : 2424-2438
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1 巻, 1 号
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原著
  • 大田尾 浩, 八谷 瑞紀, 伊禮 唯, 豆田 悠紀見, 井原 雄彦, 溝上 昭宏, 溝田 勝彦
    原稿種別: 原著
    2015 年1 巻1 号 p. 3-8
    発行日: 2015/02/28
    公開日: 2020/05/01
    ジャーナル フリー

    歩行評価の信頼性と測定誤差から,要介護高齢者への歩行評価の有用性を検討した。対象は要介護高齢者90名(78.5±9.2歳)とした。歩行評価は5m 歩行時間(歩行時間)とTimed Up&Go Test(TUG)を用いた。測定値から級内相関係数(ICC)および標準誤差(SEM)を算出し,Bland-Altman 分析から誤差の種類と許容範囲(LOA)を求めた。その結果,歩行時間(0.93〜0.97),TUG(0.90〜0.95)ともに高いICC が得られた。BlandAltman 分析の結果,歩行時間,TUG ともに加算誤差の存在が確認され,比例誤差は認められなかった。SEM から,歩行時間の測定誤差は0.5秒であり,TUG は1.3秒であることが明らかとなった。日頃より用いられる歩行評価であっても,計測方法を熟知することや計測の練習を行うなどの測定誤差を減じる努力が求められることが示された。

  • 小松 裕太, 八谷 瑞紀, 大田尾 浩, 溝上 昭宏
    原稿種別: 原著
    2015 年1 巻1 号 p. 9-14
    発行日: 2015/02/28
    公開日: 2020/05/01
    ジャーナル フリー

    要旨:本研究は,脳血管障害片麻痺患者を対象として,身体運動機能と ADL の評価を行い,ADL と関連した評価法を明らかにすることを目的とした。対象は,脳血管障害片麻痺患者16名とした。身体運動機能の評価は,大腿四頭筋筋力,FRT,片足立ちテスト,TUG,5 m 歩行時間を測定した。ADL の評価は,FIM-M にて測定した。脳血管障害片麻痺患者の身体運動機能と ADL との関連を分析した結果,FRT は,FIM-M,セルフケア,排泄管理,移乗,移動との間に有意な相関が認められた。その他の大腿四頭筋筋力,片足立ちテスト,TUG,5 m歩行時間と FIM-M およびすべての FIM-M 下位項目とは,有意な相関は認められなかった。FRT は,ADL との関連があることが示唆された。

  • 光武 翼, 岡 真一郎, 平田 大勝, 森田 義満, 松尾 崇史, 中田 祐治, 堀川 悦夫
    原稿種別: 原著
    2015 年1 巻1 号 p. 15-23
    発行日: 2015/02/28
    公開日: 2020/05/01
    ジャーナル フリー

    要旨:〔目的〕本研究は脳卒中片麻痺患者と健常高齢者の頸部関節位置覚を比較するとともに,脳卒中片麻痺患者における頸部関節位置覚と平衡機能との関係を明確にすることとした。〔対象〕対象は本研究に同意が得られた脳卒中片麻痺患者20名と健常高齢者 9 名とした。〔方法〕頸部関節位置覚の評価は,対象者がアイマスクを着用した状態で頭頂部にレーザーポインタを固定した後,頭頸部回旋前後での光の投射点間距離を測定した。脳卒中片麻痺患者と健常高齢者のレーザーポインタの投射点間距離を比較し,加えて,脳卒中片麻痺患者における投射点間距離と年齢,麻痺側,発症からの期間,Fugl-Meyer Assessment(FMA)の上下肢運動機能,Berg BalanceScale(BBS)との単相関および偏相関係数を求めた。〔結果〕脳卒中片麻痺患者はレーザーポインタの投射点間距離が健常高齢者より有意に大きかった。また,脳卒中片麻痺患者の投射点間距離は BBSと単相関および偏相関係数において有意な相関関係が認められた。〔結語〕脳卒中片麻痺患者の頸部関節位置覚は,平衡機能に関係している可能性が示唆された。

  • ―脳卒中患者を対象とした検証―
    福所みさき , 大田尾 浩, 八谷 瑞紀, 溝上 昭宏
    原稿種別: 原著
    2015 年1 巻1 号 p. 25-29
    発行日: 2015/02/28
    公開日: 2020/05/01
    ジャーナル フリー

    [目的]脳卒中患者が歩行に介助を必要とするのかどうかを,座位での下肢荷重力測定法から検討した。[対象]脳卒中患者204名とした。[方法]歩行能力から歩行可能群と歩行要介助群に分けロジスティック回帰分析を行った。また,ROC 曲線から歩行介助の要否を判別する下肢荷重力値を求めた。[結果]歩行可能群105名,歩行要介助群99名であった。多重ロジスティック回帰分析を行った結果,歩行介助の要否に影響を及ぼす要因に下肢荷重力が選択された。ROC 曲線から求めた歩行介助の要否を判別する下肢荷重力のカットオフ値は67.3%であった。また,歩行可能群と歩行要介助群とを正しく判別できた正診率は64.5%であった。下肢荷重力が87.5%以上のすべての者が歩行可能であり,46.8%以下のすべて者が歩行要介助であった。[結語]座位での下肢荷重力測定法は,脳卒中患者において歩行介助の要否を判別することに有用である。

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