近年,偏微分方程式の求解のための深層学習手法がいくつか提案されている.それらの手法では,ニューラルネットワークを学習させる際の損失関数に,微分演算子・境界条件・初期条件を取り込むことにより,それらが満たされるようにニューラルネットワークの各パラメータが学習される.学習後,偏微分方程式の近似解は独立変数に対する連続関数,つまり学習済みパラメータを持つニューラルネットワークとして得られる.本論文では,深層学習による偏微分方程式の求解手法の詳細について述べるとともに,静電場シミュレーションに深層学習手法を適用し,Laplace方程式の求解を行った.結果として,深層学習手法により得られた近似解が解析解と良い一致を示すことを明らかにした.
本研究では,著者らがこれまでに提案している直交構造格子を用いた水-氷相変化の数値計算手法を,実現象を想定したより広範な温度条件へ適用すべく,水の凍結および氷の融解を同時に扱う計算手法を提案する.提案手法では,流体の流れ,固体内の熱伝導,および固液相変化を全て同一の直交構造格子上で計算する.また,固液相変化の計算では,各計算セル内の界面位置を近似的に考慮し,界面温度が常に凍結温度と等しいという仮定のもとでステファン条件の計算を行う.密度逆転領域を含む自然対流の再現性について基本的な確認を行った後,凍結・融解が同時に生じる問題へ提案手法を適用した.計算結果から,密度逆転領域を含む水の自然対流が水の凍結および氷の融解の進行に大きく影響していること,また,提案手法では水–氷界面の温度が水の凍結温度とよく一致することを確認した.
重量当たり最大曲げ剛性を有す六角形断面のハニカムコアに比し,本報提案の四角形断面のキュービックコアは,重量当たり16%曲げ剛性が向上することを理論的に示し,FEM解析により確認した.接合面もより広いことから,コア芯材と上下面板の結合強度がより増しハニカムコアの欠点である長時間に亘る振動荷重やせん断荷重を受ける構造には適用しにくい欠点も解消する.更にハニカムコアでは容易でない湾曲部のキュービックコアを得る方法も示す.
埃の堆積形状は,実際の観察からランダムに繊維が絡み合い,形成し成長していると考える.埃の形状や堆積過程を解明することで,埃の堆積量の予測や検出につながると考える.本研究では,初歩的な埃堆積モデルを提案し,そのシミュレーションを行った.堆積した埃のフラクタル次元と空間占有率の関係から,埃の堆積形状がフラクタルであることを実験的に確認し,初歩的な埃堆積モデルの有効性を確認した.
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