目的 巻糸体からの解じょ張力の要素の主なものには, 糸の加速, 空気抵抗, 巻糸体からの引き出し摩擦抵抗などがあり, これらの値は, 糸や巻糸体の形状, 解じょ条件によって異なってくる.本報では解じょ速度100~500m/minの範囲内において, 解じょ速度, ガイド位置, 巻糸体の外径および形状, 糸の種類により, 解じょ張力がどのように変化するかを検討した. 結果 (1) 混紡糸チーズでは, 解じょ速度の増加によって糸張力が増加するが, とくに巻糸体先端とガイドとの距離が, 5~10cmの付近で増加が著るしい.また, 巻糸径により解じょ張力は大きく変化する. (2) コーンの場合, ガイドと巻糸体との距離が5cmのときでも, 解じょ張力の増加は小さい.とくに, フィラメント糸コーンでは, ガイド位置の変化による影響は, 今回の実験範囲では認められなかった. (3) 混紡糸とフィラメント糸のコーンよりの解じょ張力は, 混紡糸が約3倍の解じょ張力を示しており, 糸の表面状態が解じょ張力に大きい影響を与えることを示した.
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