目的 最近, 繊維産業界において空気流を利用した紡績法が盛んに研究されている.前報では1個の繊維塊を空気輸送したときの挙動について述べたが, 本論文では連続的に粗糸を供給し, フィーダーで開繊した状態で輸送する場合の繊維集団の挙動を流体力学的に研究する. 成果 (1) 管内の空気速度に対する開繊繊維塊の速度比は垂直部で0.7~0.9, ベンド部につづく水平部では0.55~0.65と小さく, 混合比が増加するにつれ速度比は減少する. (2) 開繊繊維塊と管壁との管摩擦係数は垂直部で0.01~0.21, 水平部ではベンド部の影響により0.25~0.83となる.混合比が増せば管摩擦係数は増加する. (3) 開繊繊維塊の長さは平均20~50mmで, 綿の粗糸と混紡粗糸とを比較すると, 混紡の場合は長いものが目立ち, 綿の粗糸より開繊されにくいようである. (4) フィーダーのファンの回転により繊維は少し切断されることがわかった.
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