繊維機械学会論文集
Online ISSN : 1883-8723
ISSN-L : 0040-5051
20 巻, 6 号
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  • (第5報)タフトの繊維配列度
    加藤 三千夫, 吉田 幸吉, 片山 勝巳
    1967 年20 巻6 号 p. T147-T155
    発行日: 1967/06/20
    公開日: 2010/09/27
    ジャーナル フリー
    目的 実在のタフトの繊維配列度を測定考察し, タフトの性質を検討する.方法としてタフトの両端をギルで保持して張力を与え, 繊維を引き抜くときの応力の大小によって比較検討した.またタフトは紡錘形を示すものが多いゆえ, タフトの方向を長軸ときめて配列度を実験考察した. 成果  (1) 切断強度, 切断伸度および引き抜き伸度との関連結果から考察すれば, 切断強度小なるタフトは配列度良好であった.  (2) 配列度良好なるタフトは切断および引き抜き伸度は小である.いずれも工程初期の試料と後期試料との2集団に分けられ, 減少傾向は同方向である.  (3) 配列度についての井谷氏の研究で同じ試料を対象としているのは3例にすぎないが, まったく同じ結果であった.  (4) 配列度の変動率は機械型式別には明らかな変化は認あられないが, 工程後半におけるラップで大なる値 (48.1~56.6%) を示している.圧縮による影響と考えられる.
  • 篠原 昭, 山内 清一
    1967 年20 巻6 号 p. T156-T161
    発行日: 1967/06/20
    公開日: 2010/09/27
    ジャーナル フリー
    目的 織物をエラスチカとして取り扱うことによって, その曲げ剛さを求める新しい方法を解析した. 成果 本測定法による曲げ剛さがカンチレバー法によって得られる曲げ剛さとほぼ等しい値を与えること, および試料の変形が理論的に求められる形と一致することを確かめた.解析の結果によると, 試料の変形に要する力P'と試料の曲げ剛さDとの関係は次式で表わされる. D=0.071×P' (g.cm2)
  • (第3報)フライヤへの巻きつき数, 粗糸の仮より数とスピンドル位置およびトラバース モーションによる影響について
    一志 淑夫, 中沢 賢, 松橋 周一
    1967 年20 巻6 号 p. T162-T171
    発行日: 1967/06/20
    公開日: 2010/09/27
    ジャーナル フリー
    目的 前報にひき続き, フライヤ頭部での巻きかた (右巻き, 左巻き) が粗糸の巻き取りに与える影響, 粗糸の仮より数とスピンドル位置の相互関係とその与える影響, およびトラバースモーションによる層内変動について検討しようとした. 成果
     1) フライヤ頭部での粗糸の接触する長さが短いと, 前報のプレッサーの巻き数の少ない場合と同様な傾向を得た.これから, 粗糸に対するフライヤ内の摩擦抵抗が巻き取りに与える影響を明らかにした.
     2) スピンドル位置の相違は大略仮より数の相違と見なしてよいことを明らかにし, その影響を明らかにした.
     3) 層内変動の様相を明らかにし, スイングモーションによる不正回転およびしの巻き径の変化を厳密に測定し, 粗糸重量がこれらの積に比例する巻き取りドラフトの変化と, その傾向があうことを明らかにした.
  • 岩田 昭治
    1967 年20 巻6 号 p. T172-T177
    発行日: 1967/06/20
    公開日: 2010/09/27
    ジャーナル フリー
    目的 近年ますます高速化を要求されつつある合繊フィラメント糸の増撚において, リング, トラベラー方式による高速撚糸とこれにともなう問題点を明らかにするため, これまでの応用実験結果と実用状況を総合して報告する. 結果  (1) 最適リングとトラベラーの形状は, スモールコニカル形の自動給油リング (V6Hh形) とHBC形トラベラーであり, 120mmφ8000rpm以上の高速撚糸において, 従来のフランジ高さ9.5~11.1mmのバーチカル形リングより秀れている.  (2) 撚糸張力平均値を, デニール当りの大きさで制限した場合の最高スピンドル回転速度は, 細デニール糸においては, 軽量トラベラーの制約を受け, 太デニール糸においては可能な最大バルーニング径とその制御方法に制限される.そしてスモールコニカルリングと適合するトラベラーを用いることにより現在での実用スピンドル回転速度より20%の増加が可能である.  (3) 今後の問題として, 糸質の向上, 糸とトラベラーの摩擦の減少および, バルーンストレッチの調整とその制御方法の改善などにより, リングとトラベラーの摩擦, 摩耗の面より定まる性能限界まで高速化を進めることができると考えられる.
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