繊維機械学会論文集
Online ISSN : 1883-8723
ISSN-L : 0040-5051
21 巻, 4 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • (第1報) 切断過程の確率論的考察
    竹田 啓
    1968 年21 巻4 号 p. T71-T80
    発行日: 1968/04/20
    公開日: 2010/09/27
    ジャーナル フリー
    目的 本研究は紡績工程における単繊維の切断現象を工程の作用との結びつきにおいて解析しようとするものである.
    本報では, 切断過程が時間的に連続, 定常と考えたときの切断による繊維長分布の変化を, より一般化して確率論的に論じた.
    結果 繊維の消失のない過程での切断による本数分布n (l, t) の時間変化は, 切断率α (l), 切断点分布β (l1→l) の両確率関数で特徴づけられて
    ∂n (l, t) /∂t=-α (l) n (l, t) +2∫Llα(l1β(l1→l)n(l1,t)dl1)
    で表わされることを示した.
    つぎに, 一般的に与えられた両関数についてこれの解が求められ, その結果から, 時間的な本数増加の上限値, 分布のモーメント変化を導き, さらには, 実験的に両確率関数を求める近似法を得た.
    以上の理論の応用として, ローラーカードの実験について考察した結果
    α (l) =kl2.5
    β (l1→l) =6l/l21(1-l/l1)
    を用いることによって, 切断後の分布を比較的よく表わすことができた.
    なお, 繊維の消失率を導入することによって, 消失のある場合も同様な取り扱いが可能であることを導いた.
  • (第1報) 非接触式糸温度測定について
    千布 正雄, 藤本 枝太
    1968 年21 巻4 号 p. T81-T86
    発行日: 1968/04/20
    公開日: 2010/09/27
    ジャーナル フリー
    目的 細い加熱管中を走行する糸の加熱される状態を測定し, 走行糸の加熱の実際的な挙動を把握せんとするものである. 成果  (1) 走行しながら加熱される繊維の温度は, 加熱時間についてほぼ1次遅れとみなしうる状態を示した. (2) 繊維の温度上昇割合が1次遅れの式で示されるとき, その時定数は繊維加工において通常用いられる熱処理の範囲においては, 糸速度, ヒーターの長さ, およびヒーターの温度にはあまり影響をうけないと考えられる.
  • (第1報) 普通カード機との性能比較
    西川 茂, 川上 達也
    1968 年21 巻4 号 p. T87-T91
    発行日: 1968/04/20
    公開日: 2010/09/27
    ジャーナル フリー
    目的 1個のシリンダー表面に対して, 2組の原料繊維供給装置とスライバー紡出装置を取り付け, 双働的機能を与えたカード機を試作し, 化合繊用高能率カード機の実用化を試みた. 成果 従来のカード機に準じた条件のもとで, 試作カード機の性能を検討した結果, シリンダー表面の容量特性は, 従来のカード機のそれと同一の特性を示した.紡出スライバーの品質面においてもなんらの相違はなく, 本カード機1台で従来のカード機2台分の機能をもつことを確認した.
  • (第1報) 抜取検査の危険ときびしさ調整に関する理論的考察
    安井 康二
    1968 年21 巻4 号 p. T92-T95
    発行日: 1968/04/20
    公開日: 2010/09/27
    ジャーナル フリー
    目的 継続して多数のロットを抜取検査する場合, 抜取検査の危険を表わす新しい指数を導入する.この指数は個々の合格ロットの品質保証を目的とする.さらに, この指数を使って, 全数検査, 抜取検査, 無検査の3種類の検査方法を使いわけるきびしさ調整の方法を検討する. 成果  (1) 継続して抜取検査を行なう場合, 合格ロット中の悪いロット数および不合格ロット中の良いロット数の求め方を明らかにした. (2) 合格ロット中に不合格ロットが占める割合を求めた. (3) 合格ロット中に不合格ロットが占める割合を使って, 全数検査, 抜取検査, 無検査の3種類の検査方法を使いわける検査のきびしさ調整の原理を述べ, 従来の方法との違いを明らかにした.
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