繊維機械学会論文集
Online ISSN : 1883-8723
ISSN-L : 0040-5051
23 巻, 6 号
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  • (第2報) 理論計算値と実測値との比較
    丹羽 雅子, 川端 季雄, 七島 陽子, 河合 弘廸
    1970 年23 巻6 号 p. T120-T133
    発行日: 1970/06/20
    公開日: 2010/09/27
    ジャーナル フリー
    目的 各種の平編布について, あらゆる二軸伸長変形様式のもとでの伸長特性を実測し, 他方, 前報で明らかにした平編布の二軸伸長変形理論を適用して, これらの特性を理論計算し, 両者を比較検討して理論の精度およびその実用性を確認する.また, 理論を実際に応用するに当たっての問題点の解決をはかり, 具体的な理論計算法を確立する. 成果 (1) 二軸伸長特性の実測結果から, 平編布の二軸伸長変形理論の正確さが実証でき, 計算結果と実験結果との間に良い一致が認められた. (2) 本理論を実際に応用するに際して2, 3の問題点を含むが, これを解決して理論計算法を確立した.そして, 本実験の範囲では広範な編構造をとる平編布の二軸伸長特性の予測が可能となり, 計算の簡単さとあいまって, その実用性が確かめられた.
  • (第1報) 風合い問題解決の手法に関する試論
    松尾 達樹
    1970 年23 巻6 号 p. T134-T143
    発行日: 1970/06/20
    公開日: 2010/09/27
    ジャーナル フリー
    目的 風合い問題の日常的発生に対して即応的に対処できるようなシステムを検討すること.この場合風合いの計測方法を確立することが最も重要な課題である.そのために本報文では「風合いとは (布の) 力学的特性を官能的にとらえたものである」という立場に立って (布の) 力学的特性の把握方法の問題, 力学的特性と風合いとを結びつける問題などに特に重点をおいて検討を加えている. 成果 1.風合いを第1図に示すように分類した. 2. (布の) 力学的特性を最も効果的に把握するために基本力学特性という概念を提出し, その内容を検討した. 3.風合い形容語を基本力学特性に結びつける一つの仲立ちとして基本風合いを設定した.基本風合いは基本力学特性についてできるだけ素直に官能的な言葉を与えてやることによって構成されたものである. 4.生のままに任意の風合い形容語で表現された風合いを基本風合いにほん訳する方法を提案した. 5.分類されたそれぞれの風合いについて, 測定された基本力学特性のデータから風合いをどのように読み取るかということについて検討した. 6.上記1から5までの成果をもとにして第5図に示すような風合い問題解決のためのシステムを提案し, 解決に至るまでのそれぞれのルートについて具体的な説明を与えた.
  • (第4報) ポリエステルコードの加撚について
    荻野 義雄, 竹内 一二
    1970 年23 巻6 号 p. T144-T150
    発行日: 1970/06/20
    公開日: 2011/01/05
    ジャーナル フリー
    目的 ポリエステルタイヤコードの加撚時に, リングとトラベラーなどが糸質に及ぼす影響とリング素材と給油方式について検討する. 結果 (1) 現在のポリエステルコードは, バルーニングの制御として, バルーンコントロールリングを用いると, 繊維との摩擦抵抗が大きいため, 糸の溶融劣化現象が認められた.そのためにナイロンコードに比べ約40%スピンドル回転数を下げる必要がある. (2) 撚糸張力は, ナイロンコードと異なり, デニール当たり0.3gまで与えても糸質には影響しない. (3) リングの素材では, ナイロントラベラーを用いた場合, オイルリングより油の拡散と維持能力のよい焼結リングのほうが, 約20%スピンドル回転数を上昇させることができる. (4) リングの給油方式は, 自然給油式より十字短少溝付の強制給油式のほうが約25~30%スピンドル回転数を上昇させることができる. (5) 今回のリング径178φ, リフト355mm (約4kg巻き) の条件で, ナイロン840d/2撚糸の最高スピンドル回転速度は, 7000rpmまで, ポリエステルコード1100d/2撚糸で5000rpmまでは可能である.
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