湿地研究
Online ISSN : 2434-1762
Print ISSN : 2185-4238
1 巻
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 岡田  操, 井上  京
    2010 年 1 巻 p. 3-15
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    泥炭の水理特性は深度によって異なっていることが知られている.従来,泥炭地定点での地下水位変動は泥炭の性質と関連させてタンクモデルを援用する方法によって解析され,良い結果を得てきた.しかしこの方法を広域に適用するには,地点ごとに異なるパラメータの取り扱いなど解決すべき点が多い.一方,広域の地下水流動計算にはダルシー則によった運動方程式と連続方程式に基づく方法が多用されてきたが,泥炭の性質が正確に反映されていない場合があった.本研究では観測した降雨と地下水位の変動記録に基づき,泥炭地の空隙率や透水係数などの水理学的特性を定式化した.ついで従来のダルシー則に基づいた方法と,本稿で提案する泥炭の水理学的性質を考慮した方法によって自由地下水の二次元流動計算を行なった.その結果透水量係数と同じ次元をもつパラメータを地下水位深度の指数関数で表わすことにより観測結果をよく再現できることがわかった.
  • 佐藤 祐一, 西野 麻知子
    2010 年 1 巻 p. 17-31
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    琵琶湖のコイ科魚類の産卵環境に配慮した水位操作のあり方を検討することを目的として,琵琶湖の水位や降雨量などの環境条件からコイ・フナ類の産卵数を定量的に予測するモデルを構築した.このモデルを用いて琵琶湖沿岸帯の3 地点(延勝寺,針江,新浜)における2004 年から2008 年の産着卵数の計算を行ったところ,各地点で観測された年間の産着卵数の変動や,年ごとの産着卵数の違いをよく再現できた.また水位操作の変更などの対策がコイ・フナ類の産卵に与える影響を予測したところ,6 ~ 7 月に水位を高く維持する操作を実施し,長期的なスパンで産卵適正水温の高い系群の復活を図ることが重要であると考えられた.
  • 小山内 朝香, 亀山  章, 佐伯 いく代
    2010 年 1 巻 p. 33-42
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    タコノアシは準絶滅危惧種に指定されている湿生植物である.本種の生育地復元の基礎情報とするため,植物群落調査と植栽試験を行い,水位の違いと競争種の有無が成長・繁殖に与える影響を調査した.植物群落調査の結果,水面からの比高が0 ~ 20cm の,水位変動の大きいコドラートにおいてタコノアシの常在度と相対優占度が高かった.また植栽試験を行った結果,比高0cm 区および20cm 区は,40cm 区のものに比べて基部径と草丈の成長量ならびにさく果形成数が大きかった.40cm 区では競争種を除去した場合でもさく果形成数が少なく,また競争種を残した場合では,多年生高茎草本の被圧により個体の成長と実生の定着が阻害された.これらの結果から,本種の成長・繁殖に適した立地は,水位変動による攪乱が起こり,競争種である多年生高茎草本の成長が抑制されやすい比高0-20cm の水際部であることが明らかにされた.
  • 矢野 雅昭, 水垣  滋, 林田 寿文, 村上 泰啓
    2010 年 1 巻 p. 43-53
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    ハンノキ形態と冠水環境との関係を明らかにするため,釧路湿原の地下水位計近傍15 箇所において,ハンノキの樹高,幹の地際及び根系最上端の高さの現地調査を行った.ハンノキは,タイプにかかわらず地盤より平均で約17 cm 高いところに地際があり,根系の最上端は地際よりさらに高いところに確認された.根系最上端の位置は期間平均水位より高いことから,高い位置に根系を発生させることで冠水環境に対応していることが示唆された.根系最上端が12 時間から1 週間連続して冠水する条件では,生存するハンノキの個体数割合が急激に減少すること,また連続1 週間以上の冠水条件では萌芽形態の方が単幹形態よりも生存する個体数割合が高いことがわかった.これらのことから,ハンノキは地盤よりも高い位置に生育し,さらに高い位置に根系を発生させ,萌芽形態をとることによって,より長い時間の冠水条件に適応していることが示された.
  • 岡田  操
    2010 年 1 巻 p. 55-66
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    瞳沼はサロベツ湿原中央の低地帯にある面積0.7 ha ほどの沼である.小さい沼であるが,泥炭でできた相対的に大きな浮島を浮かべている点が特徴である.本稿では沼の現況の調査・計測結果を報告するとともに,沼と浮島の形成史について考察する.浮島は周辺の泥炭地を農地開発する過程の影響下で,二十世紀のわずか数十年の時間でできたと考えられる.開発のための排水路開削と通水の結果,自然堤防が形成され,それが地下水や地表水の流動環境を変え,水位上昇を招いた.水位上昇に伴ない浮力が増大し沼の周囲を含む低地帯の泥炭が浮上した.その後,浮いた泥炭の一部が周りから切り離され,浮島として漂うようになったと考えられる.このように瞳沼の浮島は人為的行為が原因になって形成されたこと,さらに形成時期をかなり特定できる点など特異な浮島であると言える.またその形成過程も単純ではなく,泥炭堆積層の浮上とその後の切断分離という複合的な過程の結果形成されたということも例が少ない.
  • 富田 啓介
    2010 年 1 巻 p. 67-86
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    地表面に泥炭の蓄積が認められない湿原(鉱質土壌湿原)の日本における分布を既往文献に基づいて整理し,成因に基づく分類案を示した.鉱質土壌湿原は中部地方の太平洋側や近畿地方・中国地方の瀬戸内海側の温暖な丘陵地から集中的に報告されているが,少数ながら北海道を含む寒冷地でも報告されている.これらのことから,鉱質土壌湿原の成因は植物遺体の分解を促す温暖な気候だけでなく,泥炭の母材となりうる堆積物を蓄積させにくい水文的・地形的システムも関与している可能性がある.また,通常は泥炭地であっても何らかの理由で地表面に泥炭が存在しない時期が存在する場合もある.このような点を考慮して,地形と水文的特色により鉱質土壌湿原を分類すると,谷壁斜面に流出した地下水が地表面に拡散・流下することで形成される谷壁型,谷底低地や堤間低地などの低地に地下水が収束して形成される谷底型,および泥炭地湿原が一時的に無機土壌に覆われた擬似型に大別できた.
  • 風間 善浩
    2010 年 1 巻 p. 87-92
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
  • 「尾瀬の木道エコペーパー」の開発と活用について
    小暮 義隆
    2010 年 1 巻 p. 93-97
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
  • 宇田川 飛鳥
    2010 年 1 巻 p. 99-104
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
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