詳細検索結果
以下の条件での結果を表示する: 検索条件を変更
クエリ検索: "アメーバ赤痢"
1,182件中 1-20の結果を表示しています
  • 飯村 光年, 高崎 郁代, 磯野 悦子, 松島 昭三, 小松 達司, 青崎 正彦, 三木 亮
    医療
    2002年 56 巻 4 号 220-223
    発行日: 2002/04/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    (目的と方法)赤痢アメーバ症は近年増加傾向にある. われわれは以前から腸アメーバ症の診断のために, 血便や慢性下痢などの患者に対し, 積極的に大腸内視鏡を施行している. 炎症所見を認めたときは, 大腸内視鏡下に炎症部粘液を細胞診用ブラシを用いて採取し鏡検する手法を施行しており, これによって1年間に5例のアメーバ大腸炎を診断できた. そこでこの手法の他検査に対する有用性および5症例の臨床像について検討した. (結果と結論)各症例の内視鏡像は, びらんの散在, 紅量をともなうアフタの多発, 孤立性潰瘍の多発, 潰瘍性大腸炎ようのび慢性の発赤・びらんと多彩であり内視鏡のみでの診断は困難であった. また5例中3例が海外からの輸入感染症であった. 腸アメーバ症の診断には赤痢アメーバの証明が必要であるが, 内視鏡的粘液採取は便の直接鏡検・大腸生検による赤痢アメーバの検出に比して, 感度が高く迅速に赤痢アメーバ嚢子を検出でき, 腸アメーバ症の診断法として優れていると考えられた.
  • 岡田 光男, 八尾 恒良, 江頭 芳樹, 江頭 啓介
    日本大腸肛門病学会雑誌
    1988年 41 巻 6 号 727
    発行日: 1988年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 藤井 久男, 畑 倫明, 石川 博文, 森田 敏裕, 小山 文一, 寺内 誠司, 榎本 泰三, 中野 博重, 西山 利正
    日本消化器内視鏡学会雑誌
    1997年 39 巻 12 号 2421-2426
    発行日: 1997/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     アメーバー性大腸炎amebic colitisの再発の報告は少ない.アメーバ性直腸炎の治療6年後に盲腸に限局して再発したアメーバ性大腸炎1症例を報告した.患者は同性愛者と判明し,再感染の可能性が考えられた.最近,sexually transmitted disease (STD)としてのアメーバ性大腸炎が増してきて:おり,欧米と同様,大都市を中心に赤痢アメーバ症において同性愛者の占める割合は増してきていると推定される.とくに問診の困難性を考慮すると,同性愛者と確認できなかった場合も,再感染の危険性につき十分説明し,治癒後も定期検診を勧めるべきである.
  • 清水 輝久, 宮下 光世, 安武 亨, 松本 佳博, 七島 篤志, 草野 裕幸, 中越 享, 富田 正雄
    腹部救急診療の進歩
    1993年 13 巻 4 号 541-545
    発行日: 1993/08/30
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
  • 森山 潔, 浅利 靖, 平田 光博, 瀧島 常雅, 相馬 一亥, 大和田 隆, 中村 隆
    日本集中治療医学会雑誌
    2000年 7 巻 3 号 209-213
    発行日: 2000/07/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    高ビリルビン血症を伴う重篤な肝機能障害を呈し,入院後の速やかな診断,治療にもかかわらず,多臓器不全が進行する劇症型の経過をたどり,大腸穿孔を起こし死亡した
    アメーバ赤痢
    の1症例を経験したので報告する。患者は61歳の男性で,3年前よりスリランカに在住していた。39℃台の発熱が出現し,粘血便も出現,13日後の腹部のコンピュータ断層撮影(computed tomography, CT)所見よりアメーバ性肝膿瘍,大腸炎と診断され,当救命救急センター搬入となった。来院時の検査データは肝不全および腎不全を示していた。肝膿瘍を穿刺したところ,アンチョビ様の膿がドレナージされ,便検体で
    アメーバ赤痢
    原虫が観察されたため,
    アメーバ赤痢
    と診断し,メトロニダゾール750mg・day-1による治療を開始した。第19病日の腹部CT所見にて回盲部周囲の消化管穿孔が認められ,回盲部切除術を施行したが,ショックを離脱できず,第20病日に死亡した。
  • 平川 昭彦, 田中 孝也, 梶本 心太郎, 石倉 宏恭, 岩瀬 正顕, 中谷 壽男
    日本臨床外科学会雑誌
    2003年 64 巻 10 号 2516-2519
    発行日: 2003/10/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    劇症型アメーバ性大腸炎の1例を経験したので報告する.症例は53歳,男性.肛門部痛を生じたため前医に入院.肛門周囲に膿瘍を認めたため切開排膿術を施行するも粘血下痢便が続き,イレウスを生じたため当センターに搬送となる.搬入時,高熱および腹部の圧痛,肛門部の膿排出あり,腹部X線写真およびCTにてイレウス像を呈していた.翌日,腹部痛が増大したため開腹術を施行した.大腸は大部分がぼろ雑巾様の壊死を呈しており大腸全摘出+回腸瘻造設術を施行するも術後多臓器不全となり死亡した.病理組織にてアメーバ性大腸炎と診断した.
    アメーバ赤痢
    は,比較的稀な疾患と考えられていたが最近増加傾向にある.粘血下痢便を主訴とした患者は,本疾患も念頭にいれ早期診断を行い,劇症型で手術を行う場合は全身状態を考慮した術式が選択されるべきと思われた.
  • 角谷 慎一, 道傳 研司, 海崎 泰治, 細川 治, 前田 重信, 林 裕之, 服部 昌和, 武田 孝之, 渡辺 国重
    日本消化器内視鏡学会雑誌
    2002年 44 巻 12 号 2095-2100
    発行日: 2002/12/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は21歳女性.イレウスにて入院となり,右卵巣腫瘍を併存していた.イレウスが増悪してきた入院第3病日に緊急開腹手術を施行した.腸管の癒着を剥離し,右卵巣を摘出したが,術中にショック状態となり,術後はDICに陥った.第10病日にsteroid投与後に下血が出現し,大腸内視鏡検査を施行した.直腸粘膜は灰白色調で,全周性の浮腫状肥厚がみられ,糜爛や潰瘍が散在していた.直腸粘膜生検及び右卵巣摘出標本より赤痢アメーバ原虫が検出され,metronid-azoleによる治療で回復した.劇症型アメーバ性大腸炎の診断は非特異的症状で発症するものがあり,内視鏡生検が診断に有用であった.
  • 仲間 健, 松井 克明, 伊藤 悦男, 崎原 永敬, 平良 浩章
    日本臨床細胞学会雑誌
    1985年 24 巻 2 号 174-177
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    直腸生検でアメーバ性大腸炎の疑診を受け, 超音波映像下肝穿刺吸引細胞診で赤痢アメーバを証明し, アメーバ (アメーバ性肝膿瘍) と確診された1症例を報告した.
    肝穿刺吸引物の塗抹標本では赤痢アメーバの数が少なく, また, パパニコロー染色ではその検出は容易ではない.他方, PAS染色では赤痢アメーバは強陽性に染まり, 40倍の低倍率で鏡検しても検出することが可能であった.
    肝の穿刺吸引物が茶褐色ないし赤褐色の粘稠で濃厚な液体であればアメーバ性肝膿瘍を疑い, 必ずPAS染色を施し鏡検することが肝要である.
    超音波映像下穿刺吸引細胞診の腫瘍診断における有効性についての報告は散見されるが, 非腫瘍性疾患であるアメーバ性肝膿瘍でもその有効性が確認できた.
  • 酒井 義浩, 宮岡 正明, 林 正之
    日本大腸肛門病学会雑誌
    1984年 37 巻 6 号 639-645
    発行日: 1984年
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    赤痢アメーバ (Entameba histolytica, 以下Ehと略す) は元来熟帯および亜熱帯に多いことが知られている.わが国は温帯に位置するために, その保有者は多くても, 発症者は極めて少いと考えられている.かつて戦地としての駐留国に濃厚汚染地域が存在したことは事実であり, 不十分な治療のまま帰国している例が散見されていた。これらの例は大多数がすでに現地で診断を受けており, 再燃時の診断は容易であった.しかし昨今航空輸走網の発達から海外渡航が頻繁となり, 発症しないうちに帰国して熱帯病が無意識に搬入されることが憂慮されている.著者らはすでにその可能性について報告したが, その伝播はいづれも例外的と考えていた.近年内視鏡的検索が大腸ファイバースコープの改良と共に下部消化管領域で積極的に行われるようになり, Eh由来の腸炎が注目され関心を集めるようになったことから, 報告例もまれではない。
    昭和59年4月までに著者らが経験した10例は腸管外病変のない, 大腸炎を主体としたアメーバ感染症であり, アメーバ性大腸炎として検討した.
  • 診断,治療および外科的治療の必要性について
    西脇 巨記, 本多 弓〓, 田中 宏紀, 谷脇 聡, 成瀬 博昭, 伊藤 和子, 梶 政洋
    日本臨床外科医学会雑誌
    1997年 58 巻 11 号 2478-2482
    発行日: 1997/11/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    アメーバ赤痢
    は法定伝染病で,近年増加傾向にある疾患である.当院は名古屋市を中心とした法定伝染病患者の受け入れ施設を有する病院であり,当院にて1982年より1992年までに経験した27例の症例において診断および治療について検討した.
    大腸炎症例が19例,肝膿瘍症例が8例あり,男性例が22例,女性例が5例であった.男性例においては約半数以上が同性愛行為を有すると思われた.初診時診断での正診率は,大腸炎症例で14%, 肝膿瘍症例で25%と低値であった.血清抗体価の測定は4種類を施行し,大腸炎症例で67%, 肝膿瘍症例で100%と良好な結果を得た.
    糞便検査,血清抗体価の測定は簡便で有用と思われ,今後,海外渡航者や同性愛者などの粘血下痢便を主訴として来院する患者に対しては積極的に施行していけば
    アメーバ赤痢
    は早期に診断できると思われた.
  • 中村 雅憲, 青松 直撥, 長谷川 毅, 福岡 達成, 平川 俊基, 青松 和輝, 青松 敬補
    日本外科系連合学会誌
    2014年 39 巻 5 号 954-958
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    症例は42歳女性.強い腹痛にて近医受診.婦人科的に異常を認めず,精査加療目的に夜間当院を紹介受診.腹部全体に強い腹痛を認め,圧痛・反跳痛は認めるも,筋性防御は軽度であった.腹部CTでは,虫垂の軽度腫大を認めたが,腹水は認めなかった.白血球は46,600/mm3と異常高値を示し,骨盤腹膜炎の診断にて緊急入院となった.翌朝,腹痛は右下腹部に限局し始め,虫垂炎による腹膜炎の診断にて緊急手術を施行した.虫垂は軽度腫大程度で穿孔は認めなかったが,少量の膿性腹水を認めた.手術は虫垂切除・腹腔洗浄ドレナージ術を施行した.術後経過は良好であったが,虫垂の病理結果にて赤血球を貪食したアメーバ虫体を多数認め,術後10日目からメトロニダゾール内服を開始した.今回,海外渡航歴がなくHuman immunodeficiency virus抗体陰性の女性に虫垂炎として発症したアメーバ性大腸炎の比較的稀な1例を経験したので報告する.
  • 上田 和光, 河村 正敏, 福島 元彦, 村上 雅彦, 町田 彰男, 横山 登, 渡辺 佳哉, 斎藤 肇
    日本臨床外科医学会雑誌
    1993年 54 巻 11 号 2906-2910
    発行日: 1993/11/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は63歳,男性.下血を伴う腹痛を主訴として来院.既往に海外渡航歴はなく,同性愛好者であった.来院後2日間で急激に状態が悪化し汎発性腹膜炎の診断のもと緊急手術を施行した.開腹所見は,盲腸穿孔を合併した全大腸型
    アメーバ赤痢
    であり,全大腸切除術,回腸瘻造設術を施行した.術後発熱が続き第13病日に腹腔内遺残膿瘍にて再手術(ドレナージ術)となるも救命しえた.再手術後は経過良好であり,現在元気に外来通院中である.全大腸型
    アメーバ赤痢
    症の死亡率は非常に高率であり,また診断は必ずしも容易ではなく,抗アメーバ剤の投与時期が遅れることが更に予後を悪くしているものと思われる.本症例は結果的には救命しえたが,その術式は緊急手術としては侵襲が大きく,反省するとともに早期診断の重要性を痛感した.
  • 内田 善仁, 渡辺 正俊, 河野 裕, 藤川 佳範, 野村 幸治, 宮原 妙子, 青山 栄, 小田原 満, 針間 喬, 藤田 潔, 竹本 忠良
    日本消化器内視鏡学会雑誌
    1982年 24 巻 6 号 949-954_1
    発行日: 1982/06/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    アフタ様びらんとタコイボ状病変,それに両者の移行型とも考えられるような潰瘍性病変など,多彩な内視鏡所見を示したアメーバ性大腸炎の1症例を呈示した.そして,アメーバ性大腸炎における内視鏡所見について,文献的考察を加えた. アメーバ性大腸炎の内視鏡所見は多様であり,また,特徴的な所見もないので,アメーバ性大腸炎の内視鏡診断は困難である.したがって,大腸炎症性疾患に遭遇したときには,常に本症の可能性も念頭におき,慎重に対処する必要がある.
  • 石山 哲, 鶴田 耕二, 武市 智志, 高橋 慶一, 森 雅江, 今村 顕史, 菅沼 明彦, 味澤 篤, 根岸 昌功
    日本消化器外科学会雑誌
    2008年 41 巻 1 号 135-140
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    症例は37歳同性愛の男性で, 2002年3月下旬, 腹痛, 下痢を主訴に前医を受診, 小潰瘍を主体とした非特異的大腸炎と多発性肝膿瘍を認め, 赤痢アメーバ症が臨床的に強く疑われ, メトロニダゾールにて治療されていた. Human immunodeficiency virus (以下, HIV) 抗体陽性が判明したため, 4月初旬当院感染症科緊急入院, CD4陽性リンパ球数が224/ulとHIVによる低免疫状態が疑われた. 入院翌日, 右下腹部痛の急性増悪あり緊急CTにて遊離ガス像と多量の腹水を認めアメーバ性大腸炎の穿孔と診断し緊急手術を施行した. 穿孔部位は盲腸で, 穿孔部を利用した人工肛門造設術を施行した. 肝膿瘍は保存的に治療し, 1年後に人工肛門を閉鎖した.近年アメーバ性大腸炎, HIV感染とも増加傾向にあり, これらを念頭においた早期診断および治療が劇症化の阻止と救命に重要であると考えられた
  • 山崎 具基, 坂本 和宏, 谷藤 公紀, 中山 茂樹, 田中 迪夫, 枡岡 勇雄
    日本臨床外科医学会雑誌
    1989年 50 巻 8 号 1592-1599
    発行日: 1989/08/25
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    われわれは当初急性虫垂炎と診断し,その術後に大腸穿孔,肝膿瘍破裂をきたした
    アメーバ赤痢
    の1例を経験したので報告する.
    症例は,30歳パキスタン人の男性で,主訴は下痢,右側腹部痛であった.微熱,白血球増加,血沈値の亢進を伴うが,その他の血液生化学検査にて著変を認めず,また腹部エコーでも異常を認めず,その間に回盲部痛が顕著となったため,急性虫垂炎の診断で虫垂切除術を施行した.その後,順調に経過したが,術後7日目頃より夜間に悪寒戦慄を伴う高熱を認めるようになり,患者の既往歴よりマラリア症の疑診で治療するも軽快せず,むしろ,腹膜炎症状が増悪したので緊急に再開腹術を行なった.開腹すると上行結腸の穿孔に加えて肝膿瘍破裂があり,
    アメーバ赤痢
    を疑った.切除大腸粘膜および肝膿瘍壊死物質より栄養型のアメーバ虫体が発見された.その後,残された感染腸管の再穿孔,縫合不全を合併し,再々開腹を余儀なくされたが,Metronidazole早期投与により徐々に状態は回復に向い,幸いにして救命しえた.
    本症のように,虫垂切除術後に大腸アメーバの再燃を促し,マラリア症との鑑別診断がつかぬまま短期間のうちに大腸穿孔を生じ,肝膿瘍破裂を併発するというように激変した症例は数少なく,
    アメーバ赤痢
    の激症転化を考察する上で興味深い.
  • 林 繁和, 江崎 正則, 中村 常哉, 佐竹 立成
    日本消化器内視鏡学会雑誌
    1983年 25 巻 9 号 1392-1399
    発行日: 1983/09/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     患者は56歳,男性で台湾出征時と復員後の昭和28年,30年に粘血便症状があり,その後の海外渡航歴はない.今回,昭和55年9月,粘血便にて当科を受診し,注腸造影で盲腸の変形,拡張不良を認めた.内視鏡検査で盲腸の虫垂開口部辺縁に浅い不整形の潰瘍性病変を認め,同部の生検組織より潰瘍底部の肉芽組織に混在して赤血球を貪食したアメーバ原虫を認めた. 本邦では稀な疾患となりつつあった赤痢アメーバ症はここ数年来,再び増加傾向にあり注目されている.最近10年間に本邦で報告された赤痢アメーバ症81例を集計し,最近における本症の現況についても考察を行った.検討した81例のうち大腸に病変を認めたものは64例で部位不明例を除いた48例のうち回盲部に限局した例は5例にすぎず,このうち内視鏡検査が施行され生検組織より診断し得たのは自験例のみであった.
  • 宮川 清隆, 清田 千草, 佐々木 康雄
    医学検査
    2017年 66 巻 3 号 273-276
    発行日: 2017/05/25
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー HTML

    全身倦怠感および吐気を主訴とする患者の肝膿瘍液中に見られた,シャルコ・ライデン結晶の検出が発端となり,大腸内視鏡下採取便より赤痢アメーバを検出した1症例を経験したので報告する。来院時のCT検査で,肝右葉に膿瘍形成が認められ,穿刺により得られた膿瘍液は,黄褐色膿性にも関わらず無臭であった。グラム染色標本では,白血球が多数認められたものの細菌は認められなかったが,生標本の観察でシャルコ・ライデン結晶が確認されたため,大腸内視鏡検査が追加され便検体が提出された。ヨード染色を行い直接鏡検したところ,赤痢アメーバの嚢子が確認された。肝膿瘍検体において,シャルコ・ライデン結晶の存在は本症を疑ううえで重要な意義を持つことが再認識された。

  • 大重 和典, 野口 昌宏, 中原 信昭, 井手 法子, 川畑 拓也, 春松 英寿, 福田 芳生, 美園 俊明, 有馬 暉勝
    日本消化器内視鏡学会雑誌
    2001年 43 巻 8 号 1287-1292
    発行日: 2001/08/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は74歳男,主訴は軟便.重症筋無力症の治療中,頻回の軟便が出現した.患者は4カ月以上にわたってブレドニゾロン,アザチオプリンを投与されていた.治療前の注腸X線検査でニッシェと回盲部の変形を認めた.大腸内視鏡検査で広く深い潰瘍と回盲弁の開大を認めた.生検の病理組織標本で栄養型赤痢アメーバ虫体を認め
    アメーバ赤痢
    と診断された.症状は20日間のメトロニダゾールの投与により消失した.治療後の注腸X線検査,大腸内視鏡検査で潰瘍は改善傾向を認め,生検の病理組織標本で赤痢アメーバ虫体は認めなかった.免疫力の低下した患者における消化管症状では,
    アメーバ赤痢
    も鑑別に挙げなければならないと考えられた.
  • 湯川 寛夫, 永野 篤, 藤澤 順, 松川 博史, 清水 哲, 富田 康彦
    日本臨床外科学会雑誌
    2003年 64 巻 9 号 2211-2216
    発行日: 2003/09/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は60歳,女性.既往歴:慢性関節リウマチにて内服中.下痢,血便にて発症.血清アメーバ抗体陰性,便培養陰性,便中アメーバ原虫陰性. 2回の大腸内視鏡検査で粘膜びらん,小潰瘍がみられたが,生検を行うもアメーバ虫体は証明されなかった.炎症性腸疾患の増悪を疑いステロイド投与したところ上行結腸に穿孔をきたした.回盲部切除を施行したが第6病日再穿孔した.ドレナージ良好につき保存的に治療し,病理標本から
    アメーバ赤痢
    の確定診断を得てメトロニダゾールの投与を開始したところ軽快し退院となった.
    1970年から2003年の劇症型
    アメーバ赤痢
    による大腸穿孔の本邦報告例は自験例を含め58例と稀であるが,死亡率は72.4%と予後は極めて悪い.粘血下痢便を主訴とする患者に対しては本疾患も念頭に置き,繰り返し検査を行うべきである.手術に際しては過剰な侵襲を避け,正確な診断のもとすみやかに抗アメーバ療法が施行されるべきである.
  • 外江 由希子, 東 克彦, 山根 広志, 岡田 和久, 中村 嘉典, 雑賀 明宏, 谷本 聡, 辻内 和司, 高辻 幹雄, 岡 久渡, 伊藤 秀一, 西岡 新吾
    日本消化器内視鏡学会雑誌
    1997年 39 巻 7 号 1260-1264
    発行日: 1997/07/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例,61歳,男性.平成5年11月海外渡航,2週間後下痢粘血便,発熱が出現し,12月17日入院した.血液では炎症反応強陽性,大腸内視鏡検査で直腸,S状結腸に平皿状の厚い白苔を伴う隆起性病変即ちアメーバ性肉芽腫(Ameborna)を認めた.採取した組織より栄養型アメーバを検出し,赤痢アメーバ症と確診した.メトロニダゾールの投与により潰瘍性病変は治癒し,ジロキサニドフロエイトの投与によりシストは陰性化した.
feedback
Top