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クエリ検索: "エピペン"
627件中 1-20の結果を表示しています
  • 向田 公美子, 楠 隆, 野崎 章仁, 日衛嶋 郁子, 林 安里, 熊田 知浩, 宮嶋 智子, 藤井 達哉
    アレルギー
    2014年 63 巻 5 号 686-694
    発行日: 2014/05/01
    公開日: 2017/02/10
    ジャーナル フリー
    【目的】
    エピペン
    ^[○!R]を処方された食物アレルギー小児の臨床的特徴や,
    エピペン
    ^[○!R]活用の実態を探る.【方法】当院における
    エピペン
    ^[○!R]処方例について,その臨床的特徴,アナフィラキシー例における
    エピペン
    ^[○!R]の活用状況を検討した.【結果】
    エピペン
    ^[○!R]処方例は総数で139例であった.処方のきっかけとなった食物は鶏卵,牛乳,小麦の順に多かった.喘息,アトピー性皮膚炎,他の食物アレルギーの合併は各々49例(35.3%),68例(48.9%),102例(73.4%)に見られた.臓器別の症状内訳では皮膚が94.2%で最も多く,次いで呼吸器78.5%,消化器28.1%,循環器24.8%であった.
    エピペン
    ^[○!R]処方後に誘発症状を起こした24例のうち,
    エピペン
    ^[○!R]使用例は6例(25%)にとどまった.不使用18例の理由は,注射行為への不安8例,不携帯5例,内服のみで改善3例,すぐ救急受診2例であった.【考察】
    エピペン
    ^[○!R]処方後の必要時に実際の使用率は低く,必要時に抵抗なく使用できるよう指導の工夫が必要である.
  • 鎗野 真吾, 田口 志麻, 西本 幸夫, 中川 智晴
    日本臨床救急医学会雑誌
    2015年 18 巻 1 号 60-62
    発行日: 2015/02/28
    公開日: 2015/02/28
    ジャーナル フリー
    アナフィラキシー患者の一部は,アドレナリン自己注射製剤(
    エピペン
    ®)(以下,
    エピペン
    )を所持している。しかし,
    エピペン
    の使用状況は明らかでない。今回,救急隊員と母親の連携で
    エピペン
    を使用した小児症例を経験した。症例:13歳男性。外出先で菓子摂食後,呼吸困難と紅斑が出現し,帰宅後に母親が救急要請した。救急隊到着前に母親が
    エピペン
    を注射しようとしたが,患児は注射に対する恐怖があり,母親では実施できなかった。救急隊到着時,患児は意識清明で自力歩行可能であったが,呼吸困難を訴え,喘鳴と全身紅斑を認めた。救急車内収容後,救急隊員が母親とともに患児に説明し,同意を得て母親が
    エピペン
    を注射し,救急搬送した。病院到着前に症状は軽快した。本症例は,患児が
    エピペン
    注射を拒んだものの,救急隊員と母親との連携により注射を実施でき,奏功した例である。
  • 柳田 紀之, 飯倉 克人, 小倉 聖剛, 王 怜人, 浅海 智之, 佐藤 さくら, 海老澤 元宏
    アレルギー
    2015年 64 巻 10 号 1341-1347
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/29
    ジャーナル フリー
    【目的】アドレナリン自己注射薬を誤射した3症例の臨床経過を検討し,報告する.  【症例1】50代女性が
    エピペン
    ®0.3mgをトレーナーと間違えて自分の右大腿部に誤射した.収縮期/拡張期血圧は7分後に144/78mmHgと一過性の上昇を認め,14分後には軽快した.7分後に動悸を訴えた以外,自覚症状は注射部位の局所の痛みのみであった.  【症例2】6歳男児が
    エピペン
    ®を用いて遊び,右第二指に誤射し,貫通した.貫通部位の発赤,腫脹を認めたが,保温のみで誤射80分後には軽減したため,帰宅した.【症例3】4歳女児が
    エピペン
    ®を用いて遊び,右大腿に誤射した.誤射23分後に収縮期/拡張期血圧は123/70mmHgと一過性の上昇を認めたが軽快し,1時間後,帰宅した.  【考察・結語】アドレナリン自己注射薬の誤射による副反応は一過性であり,3例とも重篤な副反応は認めなかった.アドレナリン自己注射薬の誤射防止のため取り扱いには十分な注意が必要である.
  • 山下 貴大, 平井 奈美, 水上 智之, 緒方 美佳
    日本小児アレルギー学会誌
    2017年 31 巻 2 号 113-123
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/30
    ジャーナル 認証あり

     【目的】大都市圏外を医療圏とする当科におけるアドレナリン自己注射薬 (AAI) 処方および使用の実態を調査した.

     【対象と方法】当科でAAIを処方した124名 (男79名, 女45名), 再処方を含めた322本の処方について後方視的に検討した.

     【結果】すべて食物アレルギーに対する処方であり, 体重15kg未満の児が36名 (29%) であった. AAIを処方された児の97%にアナフィラキシー (An) の既往があった. 処方後に全体の27% (34名) がGrade 3以上のAnを55件起こした. 15kg未満児の6件を含む30件でAAIが使用され, いずれも重大な副作用はなかった. AAI処方に影響した因子は, 熊本市外で救急病院まで10km以上の患者であった (p<0.01). 患者背景, Anの発症頻度やAAI使用頻度には距離による差はなかった.

     【考察】当院では, 近隣の救急病院の有無がAAI処方に考慮されていたが, AAIの使用実態は救急病院への距離によって違いのないことが示された. 救急病院への距離にかかわらず, AAIが適切に使用されるための指導が必要である.

  • 大場 邦弘, 小花 奈都子, 林 健太, 川口 隆弘, 石川 涼子
    日本小児アレルギー学会誌
    2016年 30 巻 5 号 623-626
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/01/24
    ジャーナル 認証あり

    今回, アドレナリン自己注射薬

    エピペン
    ®を右母指に誤注射した小児例を経験したので報告する. 症例は生来健康な10歳男児.
    エピペン
    ®を所持している8歳男児と2人で遊びに行った. 8歳男児が持参したリュックが開いており, 10歳男児がその中の
    エピペン
    ®を見つけ, 興味があって取り出した. 筆記用具の 「ペン」 だと思い込み, 安全キャップを抜いて, 可動するニードルカバーを押したところ右母指腹側中央に誤注射した. 自力では
    エピペン
    ®が抜けずに自宅へ戻り, 母親が抜いて, 誤注射から1時間後に当院を受診した. 受診時, 頻脈や血圧上昇はなかったが, 右母指爪甲下の一部が蒼白となっていた. 特に薬剤の使用はせずに経過観察とした. 爪甲下の蒼白部位は誤注射7時間後には縮小, 1日後には消失したが, 淡青色に変化した. 組織壊死や骨髄炎の合併はなかった. 状況から,
    エピペン
    ®の針は右母指末節骨に刺さり, 薬液の一部が右背側指動脈に作用し血管収縮したため, その部位が虚血に至ったと考えられた.

  • 面谷 幸子, 名徳 倫明, 山城 美樹, 長谷川 渚彩, 大橋 甲三郎, 長井 克仁, 西井 諭司, 初田 泰敏, 小川 雅史
    医療薬学
    2016年 42 巻 1 号 31-39
    発行日: 2016/01/10
    公開日: 2017/01/10
    ジャーナル フリー
    Workshops on the use of adrenaline auto-injection (EPIPEN), reconsideration of training programs on food allergies, and an approach to increase risk awareness of food allergies are required. We investigated the current state of education of school teachers and school pharmacists in Tondabayashi City.
    A total of 120 school teachers and 14 school pharmacists participated in our questionnaire. More than 90% of teachers had experience with children with allergies, and more than 95% of teachers were aware of anaphylaxis. Although most teachers were familiar with EPIPEN, they did not have detailed knowledge and were not confident in using it in an emergency. School teachers who attended EPIPEN workshops had a higher degree of confidence in using EPIPEN in an emergency than school teachers who do not attended the workshops. Attending workshops will increase the self-confidence of teachers in using EPIPEN in an emergency. The survey results indicate that it is important for school pharmacists to hold regular workshops on EPIPEN, including practical training, to develop the EPINEN skills of school teachers and enlighten them on the subject.
  • 田上 和憲, 中田 如音, 小林 貴江, 河邊 太加志
    日本小児アレルギー学会誌
    2022年 36 巻 2 号 148-151
    発行日: 2022/06/20
    公開日: 2022/06/20
    ジャーナル 認証あり

    皮膚裂傷はアドレナリン自己注射薬(AAI)使用に伴い発生しうる有害事象である.今回,医療現場で生じたAAI使用による裂傷事例を経験したため報告する.

    症例は2歳男児.卵アレルギーを有し,AAIが処方されていた.食物経口負荷試験で確認した閾値以下でのゆで卵白摂取を開始したが,後日,指示量を摂取後にアナフィラキシー症状を認めた.自宅ではAAIを使用できず,当院救急外来を受診した.アドレナリン投与の必要性について説明を受けた保護者が,医療者の監督下でのAAI使用を希望したため,医師が患児の下肢を固定した状態で,保護者がAAIを使用した.しかし,患児の体動に対応できず,足が動いた結果,大腿部に10cmの裂傷が生じた.使用したAAIの針はカバーに収納され,速やかに大腿から抜去された.また,アナフィラキシー症状は速やかに改善した.一方,裂傷は縫合を要さなかったものの後に瘢痕化した.

    医療従事者が実際にAAI使用を経験する機会は少ない.本例は稀な事例ではあるが,医療従事者へのシミュレーション教育などを用いた適切で継続的なAAI教育が重要であると考えられた.

  • 池田 奈央, 松﨑 寛司, 赤峰 裕子, 小野 倫太郎, 岩田 実穂子, 田場 直彦, 本荘 哲, 本村 知華子, 小田嶋 博
    日本小児アレルギー学会誌
    2018年 32 巻 1 号 136-143
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/31
    ジャーナル 認証あり

     【目的】アドレナリン自己注射器 (

    エピペン
    ®) の適切な取扱いに関係する要因を検討する.

     【対象】2015年6月から2016年1月に

    エピペン
    ®を更新した97名を対象とした. 更新までの間
    エピペン
    ®の取扱いが不適切だった 「取扱い不適切群 (26名) 」 (不適切使用7名, 使用期限超過19名) と不適切な取扱いがなかった 「取扱い適切群 (71名) 」 の2群に分け, その結果と患者背景, 小児アレルギーエデュケーター (PAE) の介入について比較検討した.

     【結果】取扱い適切群でPAEの介入が有意に多かった. 使用期限超過の中央値は2か月であった. 不適切使用は, 7名中6名の児において

    エピペン
    ®への興味に起因した行動であった. 多重ロジスティック回帰分析の結果, PAEの介入,
    エピペン
    ®の複数所持は
    エピペン
    ®の適切な取扱いの独立した因子で, アナフィラキシー複数回既往は不適切な取扱いの独立した因子であった.

     【結論】

    エピペン
    ®の適切な取扱いにPAE介入の有用性が示唆された. 指導時に不適切な使用例の詳細を医療者・患者間で共有することで不適切な取扱いを減少できる可能性がある.

  • 楠 隆, 野々村 和男, 廣田 常夫, 木原 明生, 岩井 義隆, 石上 毅, 成宮 正朗, 野村 康之, 西藤 成雄
    日本小児アレルギー学会誌
    2016年 30 巻 4 号 567-573
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/10/31
    ジャーナル 認証あり

    【目的】保育所通所児におけるアドレナリン自己注射薬 (

    エピペン
    ®) 保有状況やアナフィラキシー対応の現状を把握する. 【方法】滋賀県下の全認可保育所264施設にアンケート用紙を配布し, 253施設から回答を得た. このうち医師の指示書の提出を求めている237施設 (89.8%) を解析対象とした. 【結果】食物アレルギー (FA) 児の割合は6.1%, FA児在籍施設の割合は98.7%であった. アナフィラキシーを疑う症状を経験した児は161例 (FA児全体の10%) で, そのうち
    エピペン
    ®所有児は39例 (アナフィラキシー疑い経験児の24.2%) であった. 処方の適応とされる15kg以上の通所児に限っても
    エピペン
    ®所有児は27例 (31.8%) に留まった.
    エピペン
    ®所有児のいる施設は32施設あり, うち
    エピペン
    ®を預かっているのは28施設 (87.5%) であった. 過去1年間に施設内で誘発症状を経験したのは61施設 (全施設の25.7%) あった. 【結語】
    エピペン
    ®所有児のいる保育所の8割以上は
    エピペン
    ®を預かっていた. 一方で, アナフィラキシー疑い経験児の
    エピペン
    ®所有率は3割に留まっており, 保育所通所児において必要な症例に対する
    エピペン
    ®の処方が十分でない可能性が示唆された.

  • 木村 友之, 鈴木 慎太郎, 熊木 良太, 岸本 圭子, 宇野 知輝, 能條 眞, 島村 美理, 岩住 衣里子, 田中 明彦, 相良 博典
    アレルギー
    2023年 72 巻 5 号 453-462
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/07/15
    ジャーナル 認証あり

    【背景・目的】アナフィラキシーショックは生命を脅かす重篤な病態であり,患者は

    エピペン
    を迅速かつ確実に使用することが求められる.患者は薬剤師から指導をうける場合がほとんどであり,薬剤師の知識の習熟度や指導内容によって大きく影響をうけるが,これまで
    エピペン
    の知識や指導実態に関する調査はほとんど存在しない.今回我々はその実態を把握すべく全国調査を行った.

    【方法】本学外部の調査会社のシステムに会員登録している薬剤師のうち過去に

    エピペン
    の処方箋取り扱い実績のある薬局に勤務する薬剤師を対象としアンケート調査を行った.

    【結果】

    エピペン
    がアナフィラキシーショックの第一選択薬であることは多くの薬剤師が知っているが,投与経路や第二選択薬の候補など深い知識の習得は不十分であり,処方頻度や処方経験が少ないことが判明した.

    【考察】アナフィラキシーの再発に備えた医師から提示されたアクションプランまで患者と相談が可能な技能や知識を獲得するべくアレルギーの関連学会や,医療従事者向けの講習会などで学修することが望ましい.

  • 大谷 清孝, 藤本 まゆ, 稲垣 瞳
    日本農村医学会雑誌
    2016年 65 巻 4 号 862-867
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/01/13
    ジャーナル フリー
     アドレナリン自己注射製剤(以下
    エピペン
    ®)は,15kg未満児には原則禁忌であるが,生命の危機に直面している緊急時に用いる場合はこの限りではない。今回,乳製品の誤食によりアナフィラキシーを認めた15kg未満児に対して,
    エピペン
    ®が奏功した1例を経験した。症例は2歳男児。乳によるアナフィラキシー既往が3回あり,体重が12kgであったため,保護者の同意を得て,
    エピペン
    ®を処方していた。家族旅行中に乳製品の誤食直後から,咳嗽,膨疹,呼吸苦,嗄声,意識低下を認めた。母親がアナフィラキシーと判断し,
    エピペン
    ®を使用した。使用後は徐々に軽快し,救急車にて医療機関へ搬送となった。搬送時は蕁麻疹が残存しており,抗ヒスタミン剤とステロイド薬を投与後,入院となった。遅発性の反応を認めず,全身状態良好のため翌日退院となった。15kg未満児のアナフィラキシーに対して
    エピペン
    ®が有効であったが,症例の蓄積が必要である。
  • 東 範彦, 大谷 智子, 野中 早苗, 小谷 碧, 二瓶 聡美, 竹下 淳子, 伊藤 幸栄, 國井 優子, 萩原 幸世, 竹下 英里, 松岡 典子, 杉原 茂孝
    東京女子医科大学雑誌
    2017年 87 巻 Extra1 号 E80-E87
    発行日: 2017/05/31
    公開日: 2017/07/31
    ジャーナル フリー

    Objective: In recent years, food allergy has become a social problem, and its relationship with anaphylaxis is very important. The epinephrine auto-injector EpiPen® is valuable in anaphylaxis treatment. We analyzed EpiPen® usage in patients with food allergy.

    Method: We analyzed 187 pediatric patients prescribed EpiPen® in our department from 2005 to 2014.

    Results: The number of patients prescribed EpiPen® increased 2012, after a case of death from food-allergy-induced anaphylaxis occurred in Japan. The major reason for EpiPen® prescription is a history of immediate reactions (IR, 84 %), followed by a history of food-dependent exercise-induced anaphylaxis (FDEIA, 11 %). EpiPen® was used in 21 cases (19 patients). FDEIA cases are 9 cases (40 %). EpiPen® was injected by patient self in 7 cases, by parent in 12 cases,by faculty member in 1 case and by ambulance attendant in 1 case. Discussion: In the FDEIA group, the patients themselves are responsible for their anaphylaxis treatment. We souhld educate not only the guardians but also the patients in cases where EpiPen® is prescribed for FDEIA.

    Conclusion: It is important to figure out the peculiarity of the cases of EpiPen® was used and construct ambulance system.

  • 村田 宗紀, 早野 聡子, 塩谷 裕美, 福冨 崇浩, 柏崎 佑輔, 鈴木 健, 和田 芳雅, 只木 弘美
    日本小児アレルギー学会誌
    2017年 31 巻 1 号 80-88
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル 認証あり

     【背景】食物アレルギー児の増加を背景に, 学校職員が

    エピペン
    ®を使用する状況が増加している.

     【目的】教職員の

    エピペン
    ®注射手技を客観的に評価する.

     【方法】平成25年, 27年度に神奈川県大和市内の全公立小中学校を訪問しロールプレイ形式の

    エピペン
    ®講習会を開催した. 平成27年度には, 講習前に
    エピペン
    ®トレーナーを用いた実技試験を教職員678名に実施し, 5項目 (①安全ピン, ②持ち方, ③押さえ方, ④注射部位, ⑤注射時間) に関して評価 (各項目1点, 5点満点) した.

     【結果】参加者全体の平均点は2.9点であり,

    エピペン
    ®の持ち方や注射時間の正答率が低かった. 講習未経験者でも
    エピペン
    ®使用法ラベルを確認した場合, 講習経験者と同等の得点であった. また, 管理職の得点が高い学校では教員全体の得点が高かった.

     【結語】

    エピペン
    ®使用法ラベルの確認を徹底指導することが, 正確な使用のため有用と思われる. 学校全体の食物アレルギーへの対応力向上のため, 管理職が危機意識をもち率先して対応することが望まれる.

  • 杉山 大介, 田中 摂子, 関原 正夫, 田村 政昭
    日本臨床救急医学会雑誌
    2007年 10 巻 1 号 41-46
    発行日: 2007/02/28
    公開日: 2024/02/08
    ジャーナル フリー

    2001年~2005年の5年間に,当院救急外来を受診したハチ刺症患者648例およびハチアナフィラキシー患者51例を対象に,年齢分布,性別,症状,治療,受診手段などについて検討した。ハチ刺症は30歳以降になるとアナフィラキシー症状を生じる確率が高くなり,注意が必要である。またアナフィラキシー症状を呈しているにもかかわず自家用車で来院した患者が多く,救急車を利用すべき重篤な救急疾患であることを啓蒙する必要性がある。治療に関しては,アナフィラキシーショックに対しても初期治療として即効型のステロイドが投与されている例が多く,アナフィラキシーショックに対する薬剤投与の第一選択がアドレナリンであることを,医療者に対し周知啓蒙することが重要と思われた。またハチアナフィラキシーの既往のある患者に対しては,携帯型アドレナリンの自己注射キットを積極的に導入していく必要性があると考えられた。

  • 遠藤 智之, 篠澤 洋太郎
    日本内科学会雑誌
    2006年 95 巻 12 号 2463-2468
    発行日: 2006/12/10
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    アナフィラキシーは極めて短時間に呼吸と循環に生命のリスクを来たす全身性の重篤な病態である. 迅速な患者評価と, 適切な処置・投薬により呼吸と循環の安定化を図らねばならない. 即効薬はエピネフリンであり, 現在はアナフィラキシー既往者に対するエピネフリン自己注射キットの処方が可能である. アナフィラキシーの初期対応を習得するには挿管困難を再現できるシミュレーターを用いたチームトレーニングが有用である.
  • 阿久澤 智恵子, 青栁 千春, 金泉 志保美, 佐光 恵子
    桐生大学紀要
    2015年 26 巻 1-8
    発行日: 2015年
    公開日: 2020/06/24
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究の目的は,保育所(園)の管理者が食物アレルギー児のアナフィラキシーショック時の対応に必要だと認識している要素と
    エピペン
    ® を持参する子どもへの対応の課題を明らかにすることである.A 県内の認可保育所(園)419ヵ所の施設長を調査対象とし,郵送法により無記名方式のアンケート調査用紙を送付した.アナフィラキシーショック発現時の救急処置体制を作るために必要だと思われる要素について自由記述をしてもらった.結果,回収116件中66件の記述があり,120記録単位が得られた.得られた記録単位を質的帰納的に分析した.アレルギー児の緊急事態発生時の救急処置体制を作るために必要な要素は,【研修受講・実演訓練の実施】【迅速な対応のための園内・園外の連携体制整備】【マニュアル・アクションプランの作成】【職員・他職種間の情報共有】【危機管理意識】【緊急時のアセスメント力】【専門職の配置の改善】の7つのカテゴリーに分類された.また,
    エピペン
    ® を持参する子どもを受け入れている保育所(園)11施設が苦慮していることや課題についての記述についても内容分析を行った.その結果,事故が起こった時の救急処置対応のマニュアルを整え,全ての職員が自己の役割を理解し,その役割を果たせるように全職員が研修を受講すること,シミュレーション訓練を行っておくこと,それらの教育的支援のために看護職配置を推進していく必要性が示唆された.
  • 木村 彰宏, 田村 京子, 小島 崇嗣
    日本小児アレルギー学会誌
    2019年 33 巻 3 号 295-303
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/31
    ジャーナル 認証あり

     【背景】アドレナリン自己注射製剤 (

    エピペン
    ®) の普及に伴い, 不適切な使用例の報告が増加している.

     【目的】食物アレルギー児と保護者の,

    エピペン
    ®の取り扱い方の習熟度と使用すべき症状の認識度を明らかにする.

     【方法】

    エピペン
    ®の処方更新に来院した中学生以上の食物アレルギー児33名と保護者97名を対象に
    エピペン
    トレーナーの取り扱い方の習熟度を調べた. また家庭での取り扱い方の練習の状況, 保管場所, 使用すべき症状の認識度などについて, 無記名アンケート調査を行った.

     【結果】取り扱い方の観察ではトレーナーラベルの確認, 注射部位の選択と注射部位に障害となる物がないことの確認, 押し付け時間などの点で不適切な手技が観察された. 取り扱い方の練習では1年以内に1度も練習をしたことがないと答えた者が大半を占めた. また, 対象患者の半数近くはぐったりする, 失禁, 息苦しさなどの重篤な症状の発現時でも, まだ

    エピペン
    ®を使用する時期ではないと誤認していた.

     【結論】

    エピペン
    ®は処方時の指導だけでは, 取り扱い方や使用すべき症状の持続的な理解につながらないことが示唆された.

  • 野田 均
    富山救急医療学会
    2014年 32 巻 6-
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/10/22
    ジャーナル フリー
    平成21年3月から救急救命士による、傷病者に処方されている「
    エピペン
    」の投与が可能となり、以後、教育機関や消防機関から、学校や保育所等と救急隊が連携するよう通知が出され、救急事案に対処する事となっています。 しかしながら、平成24年12月に東京都調布市にて
    エピペン
    を処方されていた小学生が給食後にアナフィラキシーショックを起こし死亡する事故が発生しており、その後、全国各地で保育所への
    エピペン
    の持ち込み禁止や、園児の入園拒否等の問題が報道され ています。
    こうした中、当署管内において、保育士による
    エピペン
    使用を控えている保育園があり、通園する子供の保護者から消防署へ緊急時の対応について問い合わせがありました。その後、当署と保育園において、緊急時の
    エピペン
    の使用等、救急隊と連携して対処するよう調整しました。
    このようなことから、社会問題となっているアレルギー疾患への対応について、当市における現状と事故を未然に防ぐ対策を考察しました。
  • 西岡 秀郎, 田口 志麻, 山本 勇一, 中川 智晴
    日本臨床救急医学会雑誌
    2020年 23 巻 2 号 168-170
    発行日: 2020/06/30
    公開日: 2020/06/30
    ジャーナル フリー

    アナフィラキシーショックに対する第一選択薬はアドレナリンであり,迅速な投与が死亡率を低下させる。また輸液も重要な治療である。わが国では救急救命士の処置として,アドレナリン自己注射製剤(

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    ®)所持者が自己注射できない場合の
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    投与,および心肺機能停止前の静脈路確保と輸液が認められている。著者らはアナフィラキシーショックにより意識レベルと血圧の低下を呈した患者に対し,救急救命士がこれらの処置を実施し,症状の改善に寄与した症例を経験した。

  • 村井 宏生, 藤澤 和郎, 岡崎 新太郎, 林 仁幸子, 河北 亜希子, 安冨 素子, 眞弓 光文, 大嶋 勇成
    日本小児アレルギー学会誌
    2013年 27 巻 4 号 566-573
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/12/11
    ジャーナル 認証あり
    【目的】教職員がアナフィラキシーを理解し初期対応を可能にするための教育は学校生活の安全のために必要不可欠である.教職員に対する
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    ®の実技指導を含む講習の有効性を検討した.
    【方法】福井市の小中学校教職員を対象に,食物アレルギーとアナフィラキシーに関する講習と
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    トレーナーを用いての実技指導を行った.講習会前後でアナフィラキシー対応に関する意識の違いをアンケート調査により比較検討した.
    【結果】講習前には,
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    ®認知度は97%であったが,使用法まで理解している者は29%にすぎなかった.使用に対する不安は,使用のタイミングが82%と最も多く,使用後の保護者からのクレームが68%であった.養護教諭や現場の教諭が
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    ®を施行するとした割合は,講習前の41%,28%から,講習後には63%,48%と著増した.実技指導により使用への抵抗感が軽減したとの回答が増加した.
    【結論】講演会に実技指導を加えることは,アナフィラキシーに対する理解を深め,
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    ®使用の不安を軽減する上で有用と考えられた.
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