コム
ギグ
ルテンなどのグルタミン高含有タンパクの特異な物理的性質を解明する手がかりの一つとして, ポリグルタミンの合成を行ない若干の性質を調べた。まずN-カルボン酸無水物法により, 平均分子量10
5, 2×10
4, 6×10
3の3種類のポリ-L-グルタベン酸-γ-メチルエステルを合成し, 液体アンモニアにより, アミド化することによりポリ-L-グルタミンとした。アミド化の条件を検討した結果, o-クレゾールに溶解し, 加温加圧の条件で円滑にアミド化が進んだ。ポザレグルタミンは対応するポリ-L-グルタミン酸-γ-メチルエステルに比較して, (1)有機溶媒に対する溶解度が低下する, (2)水に対しては親和性が強くなり, 溶解度もやや増加し, 吸湿性となる, (3)色素結合能が増大する, (4)極限粘度がやや低下する,などの変化がみられ, 側鎖アミド基の効果を示している。ポリ-L-グルタミンの水懸濁液を加熱すると極限粘度は低下するが, 側鎖アミドの開裂はほとんどみられない。ついでコム
ギグ
ルテンなどのモデル物質としてコポリ-{L-グルタミン酸-γ-メチルエステル, L-レイシン(1:1)},コポリ-{L-グルタミン酸-γ-メチルエステル, L-ロイシン, L-プロリン(5:3:2)}およびコポリ-{L-グルタミン酸-γ-メチルエステル, L-ロイシン, L-プロリン, S-ベンジル-L-システイン(3:2:1:0.07)}を合成し, 同様にアミド化を行ない, そのアミド化物を合成した。いずれもアミド化により, ボリ-L-グルタミンの場合と同様の傾向を示した。ただし極限粘度は逆に増大した。
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