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クエリ検索: "コウノトリ"
856件中 1-20の結果を表示しています
  • 山階 芳麿, 高野 伸二
    山階鳥類研究所研究報告
    1959年 1 巻 13 号 505-521
    発行日: 1959/10/05
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    1.1957年夏南ロデシアで開かれた第X回国際鳥類保護会議においてDr.E.Schüz氏が近年減少しつつある
    コウノトリ
    の国際調査を提案し,1958年をその調査年とする事が決定した。我国もこの調査に参加する事とし,日本鳥類保護連盟が主体となって各機関協力の下に全国的な調査を行った。
    2.明治以前には
    コウノトリ
    は日本に広く分布していたらしい。江戸の社寺の屋上にも営巣したという事が古文献に多く残っている。しかしその後減少し殆ど姿を消し,現在「日本鳥類目録」で承認されている記録,北海道(十勝)•本州(秋田,福井,石川,千葉,横浜,兵庫)•四国(徳島)の中,石川,福井,兵庫のみが近年のもので,他は北海道(1923年)を除けば全て明治前半の記録である。
    3.林野庁の1958年
    コウノトリ
    調査結果は第1表~第3表に示した。現在棲息及び繁殖が確認されている兵庫県及び福井県以外では
    コウノトリ
    が常住している所は発見出来なかった。なお,第3表の栃木県大田原市立羽田小学校所蔵標本は
    コウノトリ
    ではなく,オオハクチョウCygnus cygnusである事が確かめられた。
    4.「週刊朝日」の協力による
    コウノトリ
    の調査結果によれば,秋田,宮城,石川,福井,兵庫,滋賀,大阪,山口諸府県における記録の報告があったが,新らしい
    コウノトリ
    の常住地は発見されなかった。最も報告の多かった秋田県のものはアオサギの誤認と思われる。唯石川県及び山口県では近年迄
    コウノトリ
    が繁殖していたらしい事が推察された。
    5.兵庫県出石附近の
    コウノトリ
    は明治27年に一番が再発見されてから,次第に数を増し,昭和5~6年頃が最盛期で約百羽と推定された。その後又数が減り,昭和31年には20羽となった。昭和33年の調査では少くとも7巣,15羽,昭和34年には8巣17羽が棲息する事が判った。
    6.福井県下で
    コウノトリ
    の繁殖が初めて確認されたのは昭和32年で,武生市と小浜市の2ヶ所であった。同地にはその後毎年営巣している。確認された数は昭和32年8羽,昭和33年6羽,昭和34年7羽であるがその中3羽は死亡が認められている。
    7.
    コウノトリ
    の保護については現在未だ充分な対策がたてられていないが,次第に地方の人々の関心も高まりつつある。現在保護の対策として次の事が考えられる。
    1.農薬の使用制限2.農薬の害を受けない給餌場の設置3.営巣場所としての林の保存4.人工営巣場所の設置5.サギ類との関係の調査
  • 内藤 和明, 菊地 直樹, 池田 啓
    農村計画学会誌
    2004年 23 巻 3 号 227-230
    発行日: 2004/12/30
    公開日: 2011/04/13
    ジャーナル フリー
  • 内藤 和明, 菊地 直樹, 池田 啓
    保全生態学研究
    2011年 16 巻 2 号 181-193
    発行日: 2011/11/30
    公開日: 2017/08/01
    ジャーナル オープンアクセス
    2005年の豊岡盆地における
    コウノトリ
    Ciconia boycianaの放鳥に続き、2008年には佐渡でトキNipponia nipponが放鳥されるなど、絶滅危惧動物の再導入事業が国内で近年相次いで実施されるようになってきた。飼育下で増殖させた個体の野外への再導入事例は今後も増加していくことが予想される。本稿では、豊岡盆地における
    コウノトリ
    の再導入について、計画の立案、予備調査、再導入の実施までの経過を紹介し、生態学だけでなく社会科学的な関わりも内包している再導入の意義について考察した。再導入に先立っては、IUCNのガイドラインに準拠した
    コウノトリ
    野生復帰推進計画が策定された。事前の準備として、かつての生息地利用を明らかにする
    コウノトリ
    目撃地図の作製、飛来した野生個体の観察による採餌場所の季節変化の把握、採餌場所における餌生物量の調査などが行われた。豊岡盆地では、水田や河川の自然再生事業と環境修復の取り組みが開始された。予め設定した基準により選抜され、野生馴化訓練を経た個体が2005年から順次放鳥され、2007年からは野外での巣立ちが見られるようになった。
    コウノトリ
    は多様なハビタットで多様な生物を捕食しているので、再導入の成否は生物群集を再生することにかかっている。このことは、地域の生物多様性の保全を通じて生態系サービスを維持するという地域社会に共通の課題にも貢献することになる。
  • ―コモンズ論の観点からの分析―
    所谷 茜, 杉田 早苗, 土肥 真人
    計画行政
    2022年 45 巻 2 号 43-50
    発行日: 2022/05/15
    公開日: 2022/11/28
    ジャーナル フリー
  • ―コウノトリ育む水田環境の整備―
    大田垣 知己
    農業農村工学会誌
    2010年 78 巻 6 号 489-492,a1
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

    兵庫県豊岡市では,平成15年3月に「

    コウノトリ
    野生復帰計画」を策定し,絶滅した
    コウノトリ
    を人里に戻そうとする世界的にも例に見ない環境再生に向けた取組みを始めている。この野生復帰計画は,①自然環境と農業に関する「環境整備事業」,②
    コウノトリ
    の繁殖に関する「放鳥事業」,③広報,経済的な戦略等の「普及啓発」の3事業を総合的に進め,
    コウノトリ
    と共生するまちづくりを目指している。県の農林行政としては,プロジェクトチームを設置し,環境再生整備を重点的に行っており,ここでは,特に水田周辺の環境整備とその検証についてその一部を紹介するとともに,今後の新たな展開についても併せて紹介する。

  • 村田 浩一
    日本野生動物医学会誌
    1999年 4 巻 1 号 17-25
    発行日: 1999年
    公開日: 2018/05/05
    ジャーナル フリー
    ニホン
    コウノトリ
    (Ciconia boyciana)の生息数がわずかとなった1950年〜60年代, 兵庫県但馬地方では官民一体となって, この稀少鳥種のための様々な保護対策を展開した。餌となるドジョウを全国から集める『ドジョウ一匹運動』や, 営巣中の個体を守るための『そっとする運動』などはその代表的なものである。野生動物のために講じられたこれらの保護活動は, 現在でも学ぶところの多い先駆的なものとして評価できる。江戸時代に出石藩が瑞鳥(兆)として手厚く保護してきたことが, この地域でとくに保護活動がさかんであった理由のひとつである。
    コウノトリ
    保護に対する地域住民の思いは現在も確実に受け継がれており, 兵庫県が主宰する野生復帰計画の励みともなっている。
    コウノトリ
    が水田で採餌できるように, 完全無農薬を目的としたアイガモ農法が徐々に広がりつつある。餌生物を増やすためにビオトープづくりを行っているグループや, 生物観察会などの環境教育を行っているグループもある。その一方で, 開発による環境破壊はなおも進行中である。野生復帰した
    コウノトリ
    が餌場とするであろう河川の護岸はコンクリートで固められ, 水田地帯を縦断する広域農道が建設されようとしている。圃場整備された水田は生物の生息に適さない環境となっている。
    コウノトリ
    が絶滅した1970年当時よりもはるかに悪化している自然環境に, 果してこの鳥を野生復帰できるのかどうか疑問を感じずにはおれない。経済発展か野生動物保護かという2者対立の構図は, 過去においても現在においても大きな問題である。
    コウノトリ
    の野生復帰を成功させるためには, 今すぐにでも現状の開発技術を自然環境復元のために転用し, 人間が野生動物と共生できる妥協点を模索する努力を始めなければならい。そのためには, 地元住民の協力を得ることが最重要課題である。望まれるのはライフスタイルの変革である。だがこれは, 地元住民だけではなく, 多くの環境問題を身近に抱えているすべての市民が目標としなければならない課題でもある。
  • 江崎 保男, 宮良 全修
    山階鳥類研究所研究報告
    1995年 27 巻 2 号 92-97
    発行日: 1995/10/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    A flock of Oriental White Storks appeared in Yonaguni Island, the westernmost Japan in November 1993. The flock size at the time was eleven. The communal roost that was formed in a lowland valley with paddy field seems to have been shifted to another paddy field area during a short period in March 1994, probably due to human disturbance at the former place. Another important habitat for storks was pasture where they foraged. The flock of eleven storks were never recorded after December, but it is highly probable that the eleven birds overwintered in the island, since roosting of a single bird apart from the communal roost with ten birds was suggested for a night in February. Large flocks at the communal roost were recorded last on 19 March and thereafter one or two storks were witnessed until the summer of the year.
  • 自然キャピタル
    中村 貴子
    農林業問題研究
    2009年 44 巻 4 号 498-507
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
    The purpose of this study is to think on the concept of Natural capital in the Japanese farm village, in the case of “Kounotori-Hagukumu-Nouhou (KHN)” in Toyooka city. KHN is a special method of agriculture. This agricultural method leaves the water on the rice fields for three months longer than usual, thus creating biological diversity.
    In the case of this study, the Natural Capital is the Stork. This study clarifies the influence that the stork has had on rural society. The rice grown by the KHN method has become famous, and is sold for a high price. In addition, this study clarifies that the existence of the stork brought about various social changes to people. People felt the stork was an amenity. As a result, it was concluded that the farm village which could keep a stork alive was rich. It was conjectured that such consciousness change for agriculture and the relations with living creatures were important for the rich social formation.
  • 田開 寛太郎
    環境教育
    2017年 27 巻 2 号 2_28-38
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/02/05
    ジャーナル フリー

      The present study was undertaken to determine ways of promoting local residents acceptance for the restoration of small-scale wetlands within a fallow field. This initiative is a Toyooka city-commissioned project for the conservation of habitats for the Oriental white stork. The study focuses on the reintroduction of the Oriental white stork, and on how such a project could affect local peoples’ lives. The study also aims at raising any issues that the residents might have, concerning the restoration of a wetland as a conservation of habitats for a wild animal. Furthermore, this paper aims to clarify what kind of education would be required to re-establish the area as a region friendly to the Oriental white stork. Data was collected from 24 practitioners of the project using an interview with a qualitative research method. It is evident from the survey results that the practitioners have not carried out land management “for the stork” but rather for “disaster/wild animal damage prevention” or “a sustaining landscape.” Due to this government-led program’s emphasis on improving biological diversity, the various commitments of the residents and Toyooka city have been generated. From these commitments, it can be presumed that practitioners could not make the best of proactive learning, based on their own awareness of the issues. In line with the survey results, this paper concludes that in order to enhance educational practices for the conservation of stork habitats and wetlands, Toyooka city would require to: 1) enhance a variety of learning opportunities such as education for sustainable development (ESD), 2) improve managerial cooperation regarding wetlands for the purpose of providing educational and interpretative programs.

  • 藤巻 裕蔵
    日本鳥学会誌
    1988年 37 巻 1 号 37-38
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    The White Stork Ciconia ciconia boyciana has ceased to breed in Japan since 1965. However, between 1972 and 1988 there were 23 records of wintering or migrant storks from Hokkaido, northernmost island of Japan. Some of these records may probably represent the same individuals. Thus, at least 12 birds have occurred in Hokkaido since 1972. Although this species also sporadically occurs in Honshu southwards, there is no evidence that the birds observed in Hokkaido flew from the south through Honshu.
  • 本田 裕子
    農村計画学会誌
    2016年 35 巻 Special_Issue 号 241-246
    発行日: 2016/11/20
    公開日: 2017/11/20
    ジャーナル フリー
    This research aims to consider the Farmer's Awareness after 10 years of the first release of White Stork, in Toyooka, Hyogo, Japan. Farmers play very important role on supporting for the Re-introduction Project of White Stork, for example, the rice paddy area of “White Stork Friendly Farming Method”. So, it is important to examine Farmer's Awareness. In this research, questionnaire survey and comparative analysis of the past questionnaire surveys regarding differences between farmers and non-farmers were conducted. Farmers in Toyooka, show are positive for the re-introduction project as well as non-farmers. Although the interest of doing something for the project is on the decrease. Therefore, it is suggested that design for more farmer's participation should be expectated.
  • 菊地 直樹
    湿地研究
    2012年 2 巻 3-14
    発行日: 2012年
    公開日: 2019/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    野生復帰の先進事例である
    コウノトリ
    の野生復帰では,地域のさまざまな要素を地域資源化することで,自然再生と地域再生の両立を図る包括的再生が進展している.
    コウノトリ
    に関心を持つ多数の観光客が訪問するようになり,地域として観光客とどのような関係を創出していくのかという課題が現出している.本稿は,兵庫県立
    コウノトリ
    の郷公園の来園者へのアンケートを通して,野生復帰による
    コウノトリ
    の観光資源化の実態を明らかにした.一般観光客と
    コウノトリ
    観光客の特性の差に注目したところ,
    コウノトリ
    観光客は阪神の都市圏から日帰りないし1 泊2 日程度の日程で訪問し,
    コウノトリ
    そのものに関心が集中する傾向にあり,豊岡市ではあまり消費しない特性をもっていることが明らかになった.
    コウノトリ
    の観光資源化による自然再生と地域再生の両立を図るためには,宿泊客の増加とともに,
    コウノトリ
    の観光資源の魅力の向上が重要であり,
    コウノトリ
    を切り口にした地域の自然と文化を体験できるプログラムの設計が課題である.今後,観光の利益の地域への還元と交流の資源化という地域資源をマネジメントする社会的な仕組みづくりが求められている.
  • 野生復帰のための環境整備
    内藤 和明, 池田 啓
    ランドスケープ研究
    2000年 64 巻 4 号 318-321
    発行日: 2001/03/29
    公開日: 2011/07/19
    ジャーナル フリー
  • 高橋 正弘
    環境情報科学論文集
    2018年 ceis32 巻
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/07
    会議録・要旨集 フリー
    2015 年10 月に
    コウノトリ
    の再導入を行った福井県越前市において,市民を対象にアンケート調査を2回実施した。アンケート票の自由回答欄に書かれたテキストには市民の生の声が現出していることを前提とし,それらを切片化した上で分類する作業を行った。その結果,賛否に関する記述は「賛成・支持」「反対・不支持」「無関心」という3つのカテゴリーに,また課題をめぐっては,「課題の指摘」「課題の認識」「課題の知識」「課題への態度」という4つのカテゴリーに,それぞれ類型化することができた。この方法によって,量的データでは把握することができない市民の再導入をめぐるさまざまな考えの分布が,量的分析との比較で差異があることが明らかになった。
  • 池田 啓
    日本野生動物医学会誌
    2002年 7 巻 1 号 5-12
    発行日: 2002年
    公開日: 2018/05/04
    ジャーナル フリー
    兵庫県但馬地域に生息していた
    コウノトリ
    は,1971年,野生状態では絶滅してしまった。その後,飼育下での増殖が取り組まれ,1989年孵化に成功,1999年野生化を視野に入れた実践的な科学研究を行うため「兵庫県立
    コウノトリ
    の郷公園」が開園した。このプロジェクトでは,研究をオープンにし,多岐の分野・組織の人々とネットワークを組み,協働,連携してプロジェクトを進め,
    コウノトリ
    という種を単に野生下に回復するのではなく,将来的に
    コウノトリ
    と共存できる環境保全型社会を実現できるような方策の提言までも視野に入れた研究を行っている。
  • 樋口 行雄
    山階鳥類研究所研究報告
    1976年 8 巻 2 号 213-215
    発行日: 1976/07/31
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    In December 1974, wings and legs of Japanese White Stork Ciconia ciconia boyciana shot by hunter, was found in Tatsuno-cho, Matsuzaka City, Mie Prefecture, and a skull of the same bird was obtained in January 1975. It had apparently been observed since early November. This is the first record of Japanese White Stork from Mie Prefecture.
  • 本田 裕子
    環境情報科学論文集
    2015年 ceis29 巻
    発行日: 2015/11/25
    公開日: 2015/11/25
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,兵庫県豊岡市および新潟県佐渡市の住民を対象に実施されているアンケート調査を参考に,新潟県佐渡市で同様のアンケート調査を実施し,比較することで,住民意識にどのような変化があるのかを分析した。
    コウノトリ
    やトキのためという本来の野生復帰の趣旨から,地域活性化への希求によって
    コウノトリ
    やトキが地域資源化され,野生復帰を肯定的に捉える背景へと変容していた。地域住民の理解と協力がなければ成功できないことを考えれば,地域資源化は野生復帰が成功するためのプロセスの
    1 つとして位置づけられる。今後,新たな放鳥地が生まれることを考えれば,地域資源化された
    コウノトリ
    やトキの変容を注視していく必要がある。
  • 田開 寛太郎
    環境共生
    2022年 38 巻 1 号 85-96
    発行日: 2022/03/31
    公開日: 2022/04/10
    ジャーナル フリー

    This study examined changes in how citizens are involved in environmental conservation and natural resource management, focusing on the oriental white stork’s current reintroduction and the associated reconstruction of “co-inhabitance with nature.” By distinguishing between subjects and targets of activities, the study revealed changes in “overemphasis on storks” and the “active/passive co-inhabitance society with storks.” From the time of the storks’ initial release to the present, there have been various problems associated with their reintroduction. Therefore, in order to succeed in reintroducing the storks into the wild and to expand the citizen network, environmental education and community education are necessary to foster the ability and attitude to proactively engage in environmental issues and conservation.

  • 若森 洋崇
    計画行政
    2007年 30 巻 1 号 127-134
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2024/04/05
    ジャーナル フリー
  • 菊地 直樹
    環境社会学研究
    2003年 9 巻 153-170
    発行日: 2003/10/31
    公開日: 2019/01/30
    ジャーナル フリー

    兵庫県北部の豊岡市では,1971年に野生下で絶滅した

    コウノトリ
    の野生復帰に向けた取り組みが行われている。人と
    コウノトリ
    の共生という理念は広範に受け入れられている一方で,稲を踏み荒らす害鳥という声も聞かれ,共生への協力や啓蒙の必要性が主張されている。野生復帰のように自然との共生という枠組みで地域社会のあり方を模索する場合,自然とどうかかわるかが重要な問題となるが,
    コウノトリ
    と接しながら生活してきた人たちはどのようにかかわってきたのだろうか。

    コウノトリ
    を聞き取る調査の場で,多くの人が2つの呼び方で
    コウノトリ
    を語った。ツルと
    コウノトリ
    である。語りを検証する中で,生活に埋め込まれた存在として語られる
    コウノトリ
    を「ツル」,学術的な価値を持った保護すべき対象として語られる
    コウノトリ
    を「
    コウノトリ
    」と規定し,語りから人と
    コウノトリ
    のかかわりのあり方を考察した。「ツル」では,人と
    コウノトリ
    の間には自然への働きかけの濃淡に基づいた可変的なかかわりがあった。「
    コウノトリ
    」では
    コウノトリ
    とのかかわりは希少性といった保護概念を軸にしたものに特化した。保護という価値へ関与しない人は
    コウノトリ
    とのかかわり自体がなくなり,遠い対象と認識されるようになった。

    コウノトリ
    」に限らない人と
    コウノトリ
    の関係性の再構築に向けて,
    コウノトリ
    を近くしていた自然への働きかけの意義を現代社会の生活様式の中で問い直すことが野生復帰の課題になる。

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