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クエリ検索: "コチニール色素"
140件中 1-20の結果を表示しています
  • 平瀨 敏志, 竹尾 直子, 中村 政志, 佐藤 奈由, 松永 佳世子, 谷口 裕章, 太田 國隆
    アレルギー
    2020年 69 巻 1 号 48-52
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/02/12
    ジャーナル フリー

    【背景】

    コチニール色素
    は赤色着色を目的に食品添加物として様々な食品に用いられている.一方で即時型アレルギーの原因物質として報告されているが,多くが成人女性発症である.今回,8歳男児にコチニールアレルギーを発症した症例を経験したので報告する.

    【現病歴・経過】幼少期よりアトピー性皮膚炎・気管支喘息・食物アレルギーがあった.7歳頃より2回原因不明のアナフィラキシーを起こしエピペンを処方されている.8歳時に低アレルゲンコチニール入りのフランクフルトを初めて食べて冷汗・口腔内違和感・呼吸苦・全身に蕁麻疹が出現した.プリックテストではフランクフルトと

    コチニール色素
    (色価0.1・0.01)で2+と陽性,Immunoblotではコチニールの主要コンポーネントであるCC38Kに相当する分子量のタンパク質と約80~200kDaの高分子量領域のタンパク質でIgE抗体の結合を認めた.

    【考察】学童期男児に発症,低アレルゲンコチニールでアナフィラキシーを起こしたという意味で興味深い症例と考え報告した.

  • 穐山 浩, 杉本 直樹
    ファルマシア
    2014年 50 巻 6 号 522-527
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/07/02
    ジャーナル フリー
    2012年5月11日に消費者庁から「
    コチニール色素
    に関する注意喚起」として,
    コチニール色素
    が添加された食品を摂取したとき,急性アレルギー(アナフィラキシー)を引き起こした症例研究情報の提供が報告された.アナフィラキシーを発症した場合,じん麻疹,血管性の浮腫,呼吸困難などが同時に起こり,重篤な症状となる場合もあるため注意が必要である.
    コチニール色素
    は,赤色の着色を目的として食品添加物だけでなく,医薬品添加物,医薬部外品や化粧品など様々な用途で使用されている.消費者庁の注意喚起を受けて,
    コチニール色素
    によって引き起こされるアレルギーの実態把握,ならびに原因解明が急務となっている.
    本稿では,レギュラトリーサイエンスの観点から我が国と諸外国の規格を元に,
    コチニール色素
    ,そのアルミニウム結合物(レーキ)であるカルミンがどのような色素であるかについて説明する.また,最近の知見を交えながら,
    コチニール色素
    とアレルギーの実態および原因解明について解説する.
  • 長岡(浜野) 恵, 山崎 壮, 西村 哲治, 米谷 民雄
    日本食品化学学会誌
    2007年 14 巻 2 号 51-55
    発行日: 2007/08/31
    公開日: 2017/12/01
    ジャーナル フリー
    マウス膝窩リンパ節測定法(popliteal lymph node assay: PLNA)は、マウス局所リンパ節増殖試験(local lymph node assay: LLNA)では不向きとされた水溶性物質も対象としやすい簡便な抗原性試験法であり、近年、医薬品の抗原性評価法への利用が検討されている。本研究では、まずアレルギーが報告されている天然着色料の
    コチニール色素
    に着目し、
    コチニール色素
    原体、低アレルゲン
    コチニール色素
    原体および色素化合物であるカルミン酸について、PLNA反応性について比較検討した。ついで、ラック色素について、ラック色素原体およびラッカイン酸A,B,Cについて、PLNA反応性を比較検討した。通常の
    コチニール色素
    原体の投与群ではindexの上昇は著明であったが、低アレルゲン
    コチニール色素
    原体すなわち高度に精製された色素の投与ではindexの上昇はみられなかった。また色素化合物であるカルミン酸投与の場合もindexの上昇はみられなかった。したがって、PLNAの反応性を調べることによって、
    コチニール色素
    によるアレルギー発症の原因とされた色素中の不純物の有無を容易に判別できることが明らかとなった。一方、ラック色素では、ラック色素原体およびラッカイン酸の投与のいずれにおいてもindexの上昇は著明であった。このことから、ラック色素化合物本体に抗原性があることが示唆された。以上のことから、PLNAは、抗原性をもつ不純物(たんぱく質など)を検出するための、簡便な免疫学的方法として利用できる可能性が示唆された。
  • 峠岡 理沙
    日本皮膚科学会雑誌
    2021年 131 巻 3 号 499-504
    発行日: 2021/03/20
    公開日: 2021/03/20
    ジャーナル 認証あり

    食物アレルギーは経口摂取による消化管での感作が主体であると考えられてきたが,近年,皮膚を介してアレルゲンが侵入する経皮感作が注目されている.化粧品は皮膚の汚れを除去し,乾燥を防ぎ,外的刺激から皮膚を保護する働きを有している.その一方で,化粧品に含まれる食物由来成分あるいは食品と共通する成分により経皮感作が生じ,その食物を摂食し,アレルギー症状が出現した症例が報告されている.食物アレルギーの症例を診察する際には,化粧品による経皮感作によって発症した可能性を念頭に置いておく必要がある.

  • *五十嵐 良明, 小濱 とも子, 清水 久美子, 河上 強志, 秋山 卓美, 藤井 まき子
    日本毒性学会学術年会
    2014年 41.1 巻 P-127
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/08/26
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    コチニール色素
    は食品用着色料として、そのアルミニウムレーキのカルミンは化粧品に赤色色素として添加されている。近年、食品添加物や化粧品製造に関わっていた人がカルミンに対して喘息を生じた例、
    コチニール色素
    またはカルミンで着色された食品や化粧品によってアレルギーを引き起こした例が報告されるようになり、注意喚起がされた。これらの反応は色素中に残存するタンパク質による即時型アレルギーである可能性が高いが、即時型アレルギーを評価する試験法は確立していない。本研究では、既存の感作性試験法でこれら化合物の反応性を調べるとともに、それら試験法の適用可能性を考察した。
    【方法】LLNA:DA:マウスの耳をSLS溶液で処理した後、試験物質を4回塗布した。8日目に耳介リンパ節を採取してリンパ節細胞を遊離させ、市販キットを用いてATP量を測定した。h-CLAT:THP-1細胞に試験物質を加えて24時間培養した後、FITC標識抗体で染色し、CD54及びCD86抗原量を測定した。PLNA:マウスの足に試験物質を注射し、1週間後膝窩リンパ節を摘出し、細胞数を測定した。
    【結果および考察】LLNA:DAで試験物質はDMSOに懸濁した。カルミンは溶媒あるいは
    コチニール色素
    に比べて若干高いATP量を示したが、陽性基準には達しなかった。DMSOのカウントが比較的高いことが影響したと考えられる。PLNAでは一部の
    コチニール色素
    及びカルミンは生理食塩水投与時の細胞数の2倍以上になり、カルミンは
    コチニール色素
    より高値を示した。カルミンは生理食塩水に不溶で懸濁状となり、これが刺激や炎症を惹起している可能性があり、本反応をアレルギー性と判断できるか、継続して検討している。h-CLATでカルミンはCD54のみ発現率を増加させ、
    コチニール色素
    ではいずれの表面抗原も増加させなかった。各種タンパク質の反応性と比較し、適用可能性を評価する必要がある。
  • 竹尾 直子, 仙波 京子, 片桐 一元, 藤原 作平, 廣重 滋夫, 大西 邦義, 鈴木 幸雄
    日本皮膚科学会雑誌
    2008年 118 巻 6 号 1085-1093
    発行日: 2008/05/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    23歳,女性.1年前より計4回にわたり膨疹や顔面腫脹を生じるエピソードを繰り返し,症状は次第に重篤化していた.2006年2月カンパリオレンジを含む食事を摂取後,全身に膨疹が多発,眼瞼,口唇は著明に腫脹し,呼吸困難を伴い救急病院へ搬送され,治療後,精査目的にて当科へ紹介された.問診では各エピソードで共通の食物は見出せず.食品添加物,着色料,アスピリンの負荷試験は陰性であった.実際に摂取した食物での負荷試験(アスピリン前投与)により,イチゴ牛乳(果汁含有乳性飲料;A社製),魚肉ソーセージ(B社製),カンパリ(リキュール;原産国イタリア)の単独あるいは同時摂取によりアナフィラキシー症状が誘発された.これらに共通して含まれる
    コチニール色素
    による負荷試験では,アスピリン前投与の上,大量の色素を投与することで誘発が可能であった.患者血清を用いた Western-blotting法では
    コチニール色素
    に含まれる約40kDaの4つのバンドに反応するIgE抗体を認めた.
  • 寿 順久, 小豆澤 宏明, 西田 陽子, 室田 浩之, 片山 一朗, 吉川 邦彦
    アレルギー
    2007年 56 巻 12 号 1510-1514
    発行日: 2007/12/30
    公開日: 2017/02/10
    ジャーナル フリー
    症例は33歳の女性.赤い食品の摂取後に出現する顔面を中心とした膨疹,嘔吐,下痢,呼吸困難などの症状を主訴に来院.紅白蒲鉾の負荷試験にて膨疹の出現を認め,紅色の色素成分であるコチニールのプリックテストにても陽性反応を確認した.さらにコチニールの主成分であるカルミン酸を用いた,プリックテスト,スクラッチテストは共に陽性であったため,本症例をカルミン酸によって誘発された蕁麻疹と診断した.
    コチニール色素
    はカイガラムシから抽出される紅色の天然色素で,食品や衣類などの染色に幅広く応用されている.近年
    コチニール色素
    が原因と考えられる1型アレルギーの報告が散見されるようになり,その背景に関する考察を加え報告する.
  • 板倉 裕子, 上野 英二, 伊藤 裕子, 岡 尚男, 尾関 尚子, 林 智子, 山田 貞二, 加賀美 忠明, 宮崎 豊, 大辻 泰子, 羽田野 良一, 山田 暎一, 鈴木 亮而
    食品衛生学雑誌
    1999年 40 巻 3 号 183-188_1
    発行日: 1999/06/05
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    食品中のラック色素及び
    コチニール色素
    の逆相TLC/スキャニングデンシトメトリーによる分析法を検討した. TLCプレートは逆相C18を用い, 展開溶媒としてメタノール-0.5mol/Lシュウ酸=5.5:4.5を使用することにより, ラック色素及び
    コチニール色素
    を良好に分離することができた. TLC上のスポットにスキャニングデンシトメータを用いて, 可視部吸収スペクトルを測定したところ, 良好なスペクトルが得られた. 本法を市販122食品中のラック色素及び
    コチニール色素
    の分析に応用し, その有用性を確認した.
  • 山田 貞二, 野田 直希, 早川 順子, 三上 栄一, 宇野 圭一
    衛生化学
    1985年 31 巻 3 号 179-185
    発行日: 1985/06/30
    公開日: 2008/05/30
    ジャーナル フリー
    Thin layer chromatography (TLC) and high performance liquid chromatography (HPLC) were used for the determination of a natural red dye from the scale insect Coccus cacti L. (cochineal) in various foods. Two kinds of orange products appeared by methylation of each of commercial cochineal color preparations and native cochineal color with ethereal diazomethane. These products were employed as reference species to decide whether cochineal color was added in foods or not. Oxalic acid was more effective than hydrochloric acid or acetic acid on the extraction of a color from foods and chromatography on an Amberlite XAD-2 column. A fraction containing a color to be tested was treated with ethereal diazomethane after removal of oxalic acid in the eluate. Orange products in the reaction mixture were detected by silica gel TLC and reversed phase HPLC. This method was found to be very suitable to determine the addition of cochineal color in foods.
  • ―何を聞いて何を検査する?―
    長尾 みづほ
    アレルギー
    2021年 70 巻 5 号 367-371
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/07/17
    ジャーナル フリー
  • 穐山 浩, 海老澤 元宏
    日本小児アレルギー学会誌
    2014年 28 巻 1 号 25-30
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/06/20
    ジャーナル 認証あり
    コチニール色素
    とはサボテンに寄生するカイガラムシ科エンジムシの雌の乾燥虫体を,水あるいはエタノールで抽出して得られる天然の赤色色素である.また,
    コチニール色素
    の主色素成分であるカルミン酸のアルミニウム結合物やアルミニウム・カルシウム結合物等による不溶化したものをカルミンという.
    コチニール色素
    ・カルミンが使われている食品による症例が報告されている.
    エリスリトールは,ブドウ糖を原料とし酵母によって発酵させる事により作られる四炭酸の糖アルコールである.全国調査から甘味料等による即時型アレルギーと確定したケースがこれまで15例あることが報告され,そのうち8例がエリスリトールであった.上記低分子化合物のアレルギーに関して最近の知見を含めて概説する.
  • 高松 豐吉
    東京化學會誌
    1886年 7 巻 1 号 1-7
    発行日: 1886年
    公開日: 2009/02/05
    ジャーナル フリー
  • 河原 弘規, 正木 伸弘, 松浦 広, 秋元 公彦, 三田 勲司, 橋本 直明, 川井 英雄
    消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy
    1996年 48 巻 140-141
    発行日: 1996/06/07
    公開日: 2015/03/20
    ジャーナル フリー
    Diagnosis of Helicobacter pylori (H. pylori) infection is based on the culture and isolation of this bacteria, we have developed a new endoscopic technique of targetting biopsy for isolation of H. pylori by cochineal extract spray.
    The cochineal extract is a non-toxic food-dye, its use to the human and safety having been approved in a law. In the conditions at pH>4, it indicates the distinctive color change from red to purple. H. pylori has an enzyme, urease which converts urea into ammonia. This ammonia elevates the local pH levels on the surface of gastric mucosa. Therefore, the presence of H. pylori would be expected when the color of cochineal extract sprayed on the gastric mucosa turned to purple within a few seconds. In fact, we isolated H. pylori at a high rate (90%) from the gastric mucosa where cochineal extract showed this color change.
    We conclude that this technique would be very useful in the definit diagnosis of H. pylori infection.
  • 渡辺 敏郎, 長谷川 直樹, 山本 明, 永井 史郎, 寺部 茂
    分析化学
    1996年 45 巻 8 号 765-770
    発行日: 1996/08/05
    公開日: 2009/05/29
    ジャーナル フリー
    キャピラリー電気泳動によるアントラキノン系食用色素(ラック色素・
    コチニール色素
    )の分析及び定量法を検討した.分離法としては,アクリル酸ブチル-メタクリル酸ブチル-メタクリル酸共重合体(BBMA)を2%含む20mMギ酸アンモニウム緩衝液(pH7.0)を泳動液として用いるミセル動電クロマトグラフィー(MEKC)により行った.しかし,同一条件下での連続分析において再現性がなかったため泳動液中に1mM EDTAを添加したところ再現性は改善された.主色素成分を標品として200~10000ppmの間で検量線を作成したところ高い相関係数で直線関係が得られ,この濃度範囲で十分定量が可能であった.又,市販の食品中から抽出した色素もこの条件で分析でき,その分離パターンは元の色素と同様であった.
  • *剣持 明, 川合 正臣, 三枝 由紀恵, 嶋本 敬介, 蓮見 惠司, 三森 国敏, 渋谷 淳
    日本トキシコロジー学会学術年会
    2010年 37 巻 P107
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/08/18
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】我々は,ラット甲状腺二段階発がんモデルにおいて,スルファジメトキシン(SDM)の発がん促進により高率に誘発される被膜 浸潤がんの形成に,PTEN/Akt経路の活性化の関与を見出している。本研究では,被膜浸潤がん抑制の有効な分子標的を探索する目的 で,このモデルを用いて,カイガラムシ由来の赤色色素で,血漿ヒアルロナン結合蛋白質(PHBP)の活性化を阻害して組織プロテオリ シスを制御するラッカイン酸及びカルミン酸について,被膜浸潤がん形成に対する抑制効果の病理組織学的解析と発現変動遺伝子の網 羅的検索を行った。【方法】6週齢の雄性F344ラットにDHPNのイニシエーション処置をし,その1週後から1500 ppm SDMを13週間 飲水投与し,同時に5%ラック色素(ラッカイン酸76.6%)ないし3%
    コチニール色素
    (カルミン酸35.6%)を混餌投与した。【結果】体重 は,ラック色素及び
    コチニール色素
    併用群ともにSDM単独群と差はなかった。甲状腺相対重量は,ラック色素併用群でSDM単独群よ り低値を示したものの,
    コチニール色素
    併用群では差はなかった。被膜浸潤がんの発生数及び総面積(/動物)は,ラック色素併用群で はSDM単独群に比べて減少したが,1腫瘍あたりの面積には差がなかった。また,
    コチニール色素
    併用群では個数,面積に差はなかった。 甲状腺がんの肺への転移数は,ラック色素併用群では減少したが,
    コチニール色素
    併用群は差がなかった。マイクロアレイ解析において, SDM単独群と比べてラック色素併用群で有意に発現変動を示した44遺伝子の中に,Aktの下流に位置する分子(Akt1s1, Nkap, G0s2,cdk2, Tmprss11f等)を多数見出した。【考察】ラック色素のみで浸潤がんの浸潤性ではなく,発生数が抑制された。両物質ともpro- PHBPの自己活性化を抑制するが,ラック色素は活性型 PHBPを阻害することも知られており,今回観察されたラック色素の抑制効果 には,後者の阻害効果が関与することが示唆され,Aktないしその下流に存在する多数の機能分子を標的とする機序が推察された。
  • 矢上 晶子
    日本皮膚科学会雑誌
    2022年 132 巻 13 号 2817-2823
    発行日: 2022/12/20
    公開日: 2022/12/20
    ジャーナル 認証あり

    近年,加水分解コムギ含有石鹸によるコムギアレルギーの事例を発端とし,化粧品や日用品に含まれる成分(抗原)により経皮ないしは経粘膜感作し,また職業性に繰り返し暴露されることにより感作を生じ,その後に重篤な食物アレルギーを発症した事例が注目されている.

    原因抗原としては,加水分解コムギ,大豆,

    コチニール色素
    などが挙げられる.また,ゴム手袋に起因するラテックス-フルーツ症候群はこのような発症機序による経皮感作食物アレルギーの先駆けと言える.加水分解コムギ含有石鹸によるコムギアレルギーの事例では,石鹸使用時の症状がなかった症例が約3割いたこと,石鹸使用をやめることでコムギアレルギーが寛解した例が多かったことなどが明らかとなった.そして,皮膚や粘膜感作による食物アレルギーでは,“食物アレルギー”の面だけをみていては原因を確定すること,適切な生活指導を行うことができないことが分かってきた.

    花粉-食物アレルギー症候群もそうであるが,最も重い症状を引き起こした原因と,その感作源が異なる場合は多いのかもしれない.我々は,化粧品や日用品によって,またそれ以外にも日常的に接触する何かによって,気づかないうちに重篤な食物アレルギーを発症しうることを認識した上で診療にあたりたい.

  • 福冨 友馬, 安冨 素子
    日本小児アレルギー学会誌
    2023年 37 巻 2 号 188-191
    発行日: 2023/06/20
    公開日: 2023/06/20
    ジャーナル 認証あり

    食事に関連して起こるアレルギー症状の原因として,食物以外のものに対するアレルギーが関与していることがある.特に成人では,このカテゴリーに該当する患者は稀ではなく,これは食物アレルギーの鑑別診断としても重要である.2021年のガイドラインでは,新しくこのような疾患を扱う章を作り,その中でエリスリトール・

    コチニール色素
    ・アニサキスによるアレルギー,経口ダニアナフィラキシー(パンケーキ症候群)に関して言及した.本稿では,それらの疾患概念,診断,生活指導に関して解説させていただく.特にアニサキスアレルギーは,成人でのアナフィラキシーの原因病態としても極めて頻度が高く,魚介類摂取後のアレルギー症状の原因として,常に念頭に置いておく必要がある.

  • 福田 憲, 熊谷 直樹, 西田 輝夫
    アレルギー
    2005年 54 巻 8-9 号 1096-
    発行日: 2005/09/30
    公開日: 2017/02/10
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 僚子, 荒川 浩一, 水野 隆久, 望月 博之, 徳山 研一, 松倉 聡, 森川 昭廣
    アレルギー
    2005年 54 巻 8-9 号 1096-
    発行日: 2005/09/30
    公開日: 2017/02/10
    ジャーナル フリー
  • 高田 香織, 金森 幸男, 金子 勝美, 川名 誠司, 飯田 和美
    アレルギー
    2005年 54 巻 8-9 号 1096-
    発行日: 2005/09/30
    公開日: 2017/02/10
    ジャーナル フリー
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