マウス, ラットおよびウサギの赤血球浸透圧抵抗性(血球抵抗性)をCPC法で測定し, 測定値に影響を及ぼす種々な条件について検討した. CPC法に用いる Coilの食塩水濃度は, マウスおよびラットの血液には30~150 mOsm, ウサギの血液には30~200 mOsmの濃度が適していた. 採血に使用する抗凝固剤(ヘパリン, 二重蓚酸塩, EDTA-2Na)により, 血球抵抗性に差がみられた. またマウスの血液採取部位によっても差がみられ, 最小抵抗値(HSP)および極大溶血値(HMP)は末梢血が心臓血よりも高い値を示した. ラットおよびウサギの血液を室温(29~32℃)に6時間, 4℃に24時間保存した場合, HSP, HMPおよび最大抵抗値(HEP)の増加はみられなかった. しかし, マウスの血液では室温保存3時間目以降にHSP, HMPおよびHEPの著明な増加がみられ, 4℃保存においても24時間目にHSPの増加がみられた. マウスの1週齢と6週齢の血球抵抗値には差がみられなかったが, 4週齢のHSPは1週齢および6週齢よりも低い値であった. 雄ラットの血球抵抗値は週齢による差を示さなかった. しかし, 雌ラットのHEPは成長に伴って減少した. ウサギの血球抵抗値は3力月齢と5力月齢には差がみられなかったが, 2力月齢のHEPは3力月齢および5力月齢よりも高い値であった.
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