目的製織中, たて糸の張上げ張力を一定値に保持して, たて糸をはあくしているヘルドに
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を用いて上下運動を与えるとき, 糸の張力は波状的に変わる.たて糸としては, 静的な張上げ張力が考慮されて, この動的張力の変動がどのような波形のものが, 最も合理的であるかを検討せねばならない.よって静的張力,
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の外形と張力振動について研究するものである.
成果(1) 一定張力が加えられた走糸が,
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による張力振動を行なうとき, 1周期中の振動波形は, 主として
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の外形から誘起されるたて糸の伸縮によって生ずる.上口, 下口に位置するたて糸に生ずる大きい張力差は, 走糸と走糸径路の摩擦角, 長さの変化によって発生するから,
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の外形によるものと, 走糸径路に関するものの両者が第一義的に考慮されねばならない張力発生の要素であると思われる.
(2)
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の外形から生ずるたて糸の動的張力を表わす関数が, ステップ関数を包含すれば, 糸に強い衝撃を与える.したがってたて糸の開口運動には, 糸に衝撃的張力変動を与えてはならない事由から, 本研究の5種類のタベットの中でB, Eが合理的である.
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