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クエリ検索: "チーター" "動物"
192件中 1-20の結果を表示しています
  • *渡辺 伸一, *J de Villiers, *J van der Merwe, *佐藤 克文
    霊長類研究 Supplement
    2013年 29 巻 D3-1
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/02/14
    会議録・要旨集 フリー
     
    チーター
    は,陸上
    動物最速の動物
    で,草原を疾走する小型の有蹄類を追尾して仕留める.こうした
    チーター
    のハンティングはメディアを通じて研究者でなくとも誰もが知ることである.しかし,
    チーター
    のハンティングに関する研究の多くは,広大な草原に覆われた東アフリカの一部の地域で行われてきた.本研究では,
    チーター
    のハンティングについて,詳細な研究が行われていない,アフリカ南西部のナミビアで調査した.
    チーター
    の行動は,これまで主に目視観察により行われてきたが,潅木が生い茂るブッシュで目視観察は困難である.そこで本研究では,GPS・加速度・動画を記録するデータロガーを用いて,
    チーター
    の行動を自動計測した.本研究では,Harnas野生
    動物
    保護区で野生復帰プログラム中の雌雄 2個体へデータロガーを装着して行動を記録した.計 19回データロガーを装着して,計 37日間の行動データが得られた.加速度データの周波数特性と GPSによる移動速度のデータから行動を秒間隔で休息,移動,ハンティング,摂食に分類した.その結果,70回のハンティングが記録され,うち 7回のハンティングに成功した.ハンティング時の疾走時間は 35.4 ±26.6(平均 ±SD,レンジ11-152)秒,疾走距離は 160 ±144(29-645)mで,ハンティング中の最高速度は 30.5 ±10.9(13.6-60.7)km/hだった.この値は,これまで計測された
    チーター
    のハンティング時の速度と比較すると最も低い値だった.また,
    チーター
    はハンティング後,他の捕食者による獲物の横取りを避けるため,すぐに摂食を始めることが一般的である.しかし,本研究ではハンティング後,6-30分後から摂食を開始し,獲物の傍に 12時間以上滞在した.こうした結果は,これまで知られていた
    チーター
    のハンティングのイメージとは大きく異なる.おそらく競争者となる捕食者の密度が低く,灌木林が生い茂るアフリカ南西部の生息環境に本種が適応した結果だと考えられる.
  • 米田 一裕, 木下 こづえ, 林 輝昭, 伊藤 修, 大峡 芽, 奥田 和男, 川上 茂久, 谷口 敦, 奥田 龍太, 石川 達也, 佐藤 梓, 池辺 祐介, 只野 亮, 都築 政起, 国枝 哲夫, 楠 比呂志
    日本畜産学会報
    2010年 81 巻 2 号 133-141
    発行日: 2010/05/25
    公開日: 2010/11/25
    ジャーナル フリー
    動物
    園などでの飼育環境下にある
    動物
    の遺伝的多様性を維持することは重要な課題である.本研究では,イエネコのマイクロサテライトマーカーを用いて,飼育環境下の62個体の
    チーター
    の遺伝的多様性と血縁関係を解析することを試みた.
    チーター
    のDNAより17座位のマーカーの増幅を試みた結果,すべてのマーカーで増幅産物が認められ,そのうちの15座位は
    チーター
    においても多型性が確認された.これらの座位における平均の対立遺伝子数は4.65,ヘテロ接合度は0.6398,多型情報量は0.5932であり,本集団の遺伝的多様性は,野生の
    チーター
    の集団と比べて大きな違いは無かった.また,総合父権否定確率は0.999733であり,実際にこれらのマーカーを用いて正確な親子判別が可能であることが確認された.各マーカーの遺伝子型を基に62個体のクラスター解析および分子系統樹の作成を行ったところ,これらの個体は,いくつかの集団に分類され,各集団は基本的に家系と一致していた.以上の結果は,今後わが国の
    チーター
    集団の遺伝的多様性を維持する上で重要な知見であると考えられた.
  • *吉本 悠人, 川原井 晋平, 吉澤 円, 印牧 信行
    日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
    2020年 61.Suppl1 巻
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/30
    会議録・要旨集 フリー
  • 木下 こづえ, 稲田 早香, 荒蒔 祐輔, 関 和也, 芦田 雅尚, 浜 夏樹, 大峡 芽, 楠 比呂志
    日本野生
    動物
    医学会誌

    2009年 14 巻 1 号 59-66
    発行日: 2009年
    公開日: 2018/05/04
    ジャーナル フリー
    飼育下の雌ユキヒョウ(Uncia uncia)と雌
    チーター
    (Acinonyx jubatus)における性行動と発情ホルモンの関係を調べる目的で,週に2〜7回の頻度で,同一日に行動観察と採糞を行った。糞中エストロゲン(E)濃度はエンザイムイムノアッセイによって測定し,ユキヒョウでは25項目の行動の回数を,
    チーター
    ではRollingについてのみ回数を記録した。その結果,ユキヒョウでは,糞中E濃度との間に有意な正の相関関係が見られた行動は,Locomotion(r_s=0.4305, P<0.01),Flehmen(r_s=0.3905, P<0.01),Sniffing(r_s=0.3588, P<0.01),Rubbing(r_s=0.2988, P<0.01),Lordosis(r_s=0.2621, P<0.01),Pace(r_s=0.2335, P<0.01),Rolling(r_s=0.2285, P<0.01),Prusten(r_s=0.2216, P<0.01),Spraying(r_s=0.1876, P<0.01),Pursuing(r_s=0.1793, P<0.01),Attacking(r_s=0.1732, P<0.05)およびApproaching(rs=0.1423,P<0.05)の12項目であった。また糞中E値とこれらの行動の頻度は,共に季節的に変動し初冬から晩春にかけて高値を示した。
    チーター
    でも,糞中Eのピーク日やその直前にRollingが頻発し,両者の間には有意な正の相関関係が認められた(r_s=0.2714, P<0.05)。以上の結果から,飼育下の雌ユキヒョウと雌
    チーター
    において,発情ホルモン動態と関連したこれらの行動を観察することで,適切な交尾のタイミングを予測できる可能性が示唆された。
  • 入谷 明
    日本野生
    動物
    医学会誌

    1996年 1 巻 1 号 13-16
    発行日: 1996年
    公開日: 2018/05/05
    ジャーナル フリー
  • 楠 比呂志, 奥田 和男, 上田 かおる, 大江 智子, 林 輝昭, 伊藤 修, 川上 茂久, 齋藤 恵理子, 福岡 敏夫, 長谷 隆司, 佐藤 哲也, 土井 守
    日本野生
    動物
    医学会誌

    2006年 11 巻 1 号 25-30
    発行日: 2006年
    公開日: 2018/05/04
    ジャーナル フリー
    国内の3施設で飼育されていた18頭の成熟雄
    チーター
    から,経直腸電気射精法で採取した31サンプルの精液の性状を分析した。なお18頭中13頭は,繁殖歴がなかった。18頭の雄の精液の性状は,精液量が0.91±0.11ml,精液pHが8.1±0.1,総精子数が32.6±5.4百万,生存精子率が84.9±1.9%,精子運動指数が53.7±3.8,形態異常精子率が66.1±3.4%,正常先体精子率が68.5±5.1%で,これらの値は,他の
    チーター
    における報告値の範囲内であった。繁殖歴がある雄とない雄の精液を比較したところ,先体正常精子率以外のパラメーターについては,両者間で有意な差はみられず,繁殖歴がない雄の正常先体精子率(59.8%)も致命的なほど低くはなかった。以上の結果から,飼育下の雄
    チーター
    における低受胎の主因が,精液性状の低さである可能性は少ないと考えられた。
  • 井門 彩織, 足立 樹, 楠田 哲士, 谷口 敦, 唐沢 瑞樹, 近藤 奈津子, 野本 寛二, 佐々木 悠太, 伊藤 武明, 土井 守, 小川 博
    動物
    の行動と管理学会誌

    2020年 56 巻 1 号 18-28
    発行日: 2020/03/25
    公開日: 2020/04/24
    ジャーナル フリー

    チーター
    において、種の保存のうえで飼育下個体の繁殖は極めて重要である。しかし、
    チーター
    の発情周期は飼育環境や個体間の関係で変動すると考えられ、雌からの発情時期の予測は難しい。そのため、本研究では雄の行動と鳴き声による雌の発情検知の有用性について明らかにすることを目的とした。9頭の飼育下
    チーター
    の行動観察、鳴き声の解析及び糞中エストラジオール-17β含量の測定を行った。その結果、観察期間中に繁殖に関与しなった雌のみで雄の行動と有意な相関がみられ、雄の行動から雌の発情を検知することは困難であった。一方で、「求愛に用いられる雄の鳴き声」は、繁殖相手と認識した個体に対して発せられており、交尾日が近づくにつれて「他個体とのコミュニケーションに使用される鳴き声」よりも顕著に増加していた。このことから、「求愛に用いられる鳴き声」の増加は、雌の発情検知及び雄が繁殖相手として認識しているかどうかを把握することに有用であると考えられる。しかし、雄が繁殖相手として認識していたとしても雌が必ずしも許容するわけではないことが明らかとなった。

  • 井門 彩織, 足立 樹, 楠田 哲士, 谷口 敦, 唐沢 瑞樹, 近藤 奈津子, 清水 泰輔, 野本 寛二, 佐々木 悠太, 伊藤 武明, 土井 守, 安藤 元一, 佐々木 剛, 小川 博
    哺乳類科学
    2014年 54 巻 2 号 257-264
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/01/30
    ジャーナル フリー
    チーター
    Acinonyx jubatus)において,種を保存するうえで飼育下個体の繁殖は極めて重要である.しかし,飼育下での繁殖は困難とされ,繁殖生理の解明が重要となっている.本研究では,飼育下での環境変化が
    チーター
    の発情に与える影響と要因を探ることを目的として,4頭の飼育下雌
    チーター
    の行動観察及び糞中エストラジオール-17β含量の測定を行った.各放飼場には,1日に2~3個体を交代で放飼し,雄の臭いや鳴き声などが雌の行動と生理にどのような影響を与えるのか調べた.その結果,4頭中1頭で,放飼方法を雌2頭交代から雌雄2頭交代に変化させることによって,行動の増加と糞中エストラジオール-17β含量の上昇が見られた.また,一部の雌の繁殖状況が同時に飼育されている他の雌の発情に影響を与えるのかを調査するため,育子中個体の有無で期間を分け,各期間で行動数と糞中エストラジオール-17β含量を比較した.その結果,同時飼育の雌に育子中個体がいた期間では,行動数と糞中エストラジオール-17β含量が発情と共に増加した.しかし,育子中個体の育子が終了した後の期間では,糞中エストラジオール-17β含量の変化と関係なく行動数に増減が見られた.以上のことから,雌
    チーター
    においては雄との嗅覚的接触が発情を誘発するとともに,同一施設で飼育される雌の繁殖状況が他雌個体の繁殖生理と行動に影響を与えている可能性が考えられた.
  • 井門 彩織
    動物
    の行動と管理学会誌

    2019年 55 巻 3 号 125-133
    発行日: 2019/09/30
    公開日: 2019/11/01
    ジャーナル フリー

    チーター
    の発情周期は個体関係や飼育環境によって変化することから,繁殖を効率よく進めていくためには,生理学的だけでなく行動学的モニタリングも重要である。しかしながら,性成熟に伴う発情指標行動や鳴き声の発現時期に関する研究は乏しい。このことから,行動学的モニタリングの開始時期の明確化と個体の行動特徴を正確に把握するために必要な発情指標行動の基礎的データを得ることを目的とした。2009年から2013年にかけて多摩
    動物
    公園で飼育されていた22頭の
    チーター
    を観察対象とし,発情指標行動と鳴き声の頻度,発現時期と鳴き声の変化の分析を行った。その結果,性成熟とされる生後24ヵ月に向かって行動,鳴き声共に変化することが明らかとなった。「匂いをかぐ」「グルーミング」は生後6ヵ月以内の早期から発現し,最も遅く発現した行動は,雌の「尿をかける」で3歳以降であった。その他の行動と鳴き声は,親離れが始まる生後15~17ヵ月から発現又は変化し始めると考えられた。しかし,成熟個体の行動発現頻度をみると4項目で個体差が見られた。このことから,雌雄の行動特徴と発現状況を生後15~17ヵ月以降から継続的に把握し,個体ごとの発情指標を選出する必要があると考えられる。

  • 上村 知也
    日本ロボット学会誌
    2023年 41 巻 3 号 266-270
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/05/03
    ジャーナル フリー
  • 有馬 一, 鈴木 由紀子
    科学教育研究
    2021年 45 巻 3 号 347-358
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/05
    ジャーナル フリー

    The purpose of this study was to clarify the effects of displaying the cheetah’s species-specific high-speed running behavior on visitors to the exhibition. It also explored the factors that motivate visitors to visit the exhibit and keep them there. A questionnaire was sent to 347 visitors to the exhibition, and the free-text responses were subjected to a quantitative text analysis. In order to understand the overall experience of visitors to the exhibition, an exhibition experience type was developed. The evaluation of the exhibition, the motivation to visit, and the factors that lead to continuous visits were examined in relation to the experience of visiting the exhibition, using satisfaction, willingness to visit, willingness to visit again, and number of visits as indicators. The results suggest that esthetic and praise experiences have a significant effect on the value placed on them by visitors. These experiences also suggest that they are related to the motivation to visit the exhibition and the number of visits.

  • 樋口 京一
    信州医学雑誌
    2008年 56 巻 6 号 405-406
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/10/01
    ジャーナル フリー
  • 楠 比呂志, 木下 こづえ, 佐々木 春菜, 荒蒔 祐輔
    日本野生
    動物
    医学会誌

    2009年 14 巻 1 号 37-50
    発行日: 2009年
    公開日: 2018/05/04
    ジャーナル フリー
    人間活動に起因する全球レベルでの自然改変や環境破壊により,地球史上過去に類をみない速度で,完新世の大量絶滅が進行中であり,その回避は我々人類の急務であると筆者らは考えている。そこで我々は,国内各地の
    動物
    園や水族館などと共同して,希少
    動物
    の生息域外保全を補完する目的で,それらの繁殖生理の解明とそれに基づいた自然繁殖の工夫や人工繁殖技術の開発に関する研究を展開している。本稿では,我々のこうした保全繁殖研究の内容について概説する。
  • *出口 明子, 三宅 志穂, 大貫 麻美, 三好 美織
    日本科学教育学会年会論文集
    2022年 46 巻 1
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/03/07
    会議録・要旨集 フリー

    筆者らは一般市民の生物多様性保全の意識の向上を図ることを目的として,オンラインツアーを活用した教育プログラムの検討を行っている.本稿では南アフリカにある

    チーター
    等の保護施設のオンラインツアーを対象として開発・実践した教育プログラムの評価について報告する.具体的には,プログラム参加者を対象に実施した質問紙調査に基づいて,プログラムの体験を通した野生
    動物
    の保護・保全,生物多様性への意識や理解の変化を検討した結果について解説する.

  • 御田 成顕, 細谷 忠嗣, 井上 裕香子, 伴 和幸, 冨澤 奏子, 松本 七海
    野生生物と社会
    2021年 9 巻 25-33
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/02/01
    ジャーナル フリー

     Zoos are expected to play a role in environmental education. However, zoos have not been able to provide sufficient opportunities for experiential learning to the age groups from the upper grades of elementary school to university students, who rarely have the opportunity to visit a zoo. Zoos are required to carry out various recruiting and public relations activities to increase the opportunities of coming to a zoo for these age groups. This study aimed to collect basic information relevant to pursuing the potential of zoos as a site of environmental education for these age groups. A questionnaire survey targeting 479 vocational school students in the city of Fukuoka was administered. As a result, zoos were generally recognized as a place for recreation. In contrast, some students interested in animals considered zoos to be a place for learning, and it is necessary to increase their satisfaction with this purpose. To enhance the role of the zoo as a place of environmental education, it is necessary to devise exhibitions in which animals can be enjoyed and to satisfy the basic requirements of visitors who visit for various purposes. It will be possible to promote the environmental education role of zoos by encouraging and arousing interest in the age group and connecting them to learning.

  • 成島 悦雄
    日本獣医師会雑誌
    2005年 58 巻 1 号 6-7
    発行日: 2005/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • *前田 慧史, 浅岡 雄也, 服部 祥英, 鈴木 朱羅, 小林 亮, 石黒 章夫
    ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
    2023年 2023 巻 1P1-F26
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/01/25
    会議録・要旨集 認証あり

    Cheetah is the fastest quadruped in the animal kingdom. To understand the mechanisms underlying the high-speed running ability, we focus on the two key characteristics of cheetah running: trunk bending and footfall pattern, known as rotary gallop. While trunk bending contributes to stride extension, the extent to which the footfall pattern contributes to high-speed running remains unclear. To address this issue, we hypothesized that the rotary gallop allows for effective utilization of trunk bending. A previous simulation study suggested that flexible trunk bending in response to the footfall pattern improves running speed. In this paper, we present a simple wheeled robot to verify our hypothesis in the real world.

  • 橋本 千尋, 山本 達也, 斉藤 恵理子, 吉野 智生, 外平 友佳理, 川上 茂久, 浅川 満彦
    日本野生
    動物
    医学会誌

    2015年 20 巻 3 号 47-49
    発行日: 2015/09/30
    公開日: 2016/01/20
    ジャーナル フリー
    サファリパークは自然環境を有効に利用した施設である一方で,寄生虫を媒介する野外
    動物
    の侵入傾向が高いと考えられる。そこで,約 1年間,群馬県に所在する施設で飼育されるネコ科
    動物
    糞便の寄生虫検査を行い,その影響を検討した。その結果,犬小回虫,猫回虫,一般線虫の虫卵およびコクシジウムのオーシストが検出されたが,吸虫や条虫など中間宿主を介する寄生虫は未検出であった。
  • 香原 志勢
    舞踊學
    2000年 2000 巻 3Supplement 号 33-37
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 諸橋 菜々穂, 佐野 宙矢, 加藤 孝典, 豊田 英人, 中村 智昭, 竹田 正裕, 桑山 岳人, 白砂 孔明
    日本野生
    動物
    医学会誌

    2020年 25 巻 4 号 119-127
    発行日: 2020/12/24
    公開日: 2021/02/24
    ジャーナル フリー

     カピバラ(Hydrochoerus hydrochaeris)は南米に生息する最大の齧歯類である。カピバラの胎盤構造はヒトと類似しているという報告があり,実験

    動物
    への応用も期待できる。カピバラの計画的繁殖には繁殖生理の理解が重要だが,その情報は限られる。近年飼育現場等では,ハズバンダリートレーニング(HT)による低ストレスの採血や非侵襲的に採取可能な糞を用いた内分泌モニタリング方法の開発が進められている。本研究では,カピバラの血液および糞を用いた発情周期の特定や妊娠判定法について検討した。非妊娠個体でのHTによる採血とスメア採取を確立し,糞および血中性ステロイドホルモン濃度測定とスメア検査を行った。また,妊娠個体における糞中性ステロイドホルモン濃度測定を行った。非妊娠個体において血中プロジェステロン(P4)とエストロン3硫酸(E1S)濃度変動から明確な発情周期様の変動が3周期(平均11.7±0.9日)確認でき,血中E1S濃度変動は糞中エストラジオール(E2)濃度変動やスメアでの無核角化上皮細胞の出現と一致した。糞中E2濃度変動からも明確な周期的変動が15周期(平均8.5±0.3日)確認されたが,糞中P4濃度変動からは明確な周期性は確認できなかった。妊娠個体では,妊娠中期から出産直前における糞中P4およびE2濃度上昇が確認された。 以上から,血中P4やE1Sおよび糞中E2濃度測定とスメア検査からカピバラの発情周期が特定でき,糞中P4とE2濃度測定から妊娠判定実施の可能性が示唆された。

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