商船船員の食事から残菜を少なくし, 総摂取量に占める補食の割合を少なくして, 喫食者が満足するような食事, すなわち食事を望ましい形にするために, 出現頻度の高かった料理を, 主材料別に38種と, 主食としてのごはん, パン, めん類, 和・洋・中華別の料理形態, 付け合わせ料理4種, 味付け4種の計14種を合わせた, 合計52種を調査項目として, 嗜好度を定量化して, 商船船員の食嗜好度を分析し, 以下のように要約した。
1) 料理別の嗜好度では, 牛肉料理, 魚介料理の嗜好度が高く, 豚肉料理の嗜好度が低かった。
2) 主食類では, めん類が最も好まれ, 次いでごはん, パンの順であった。
3) 料理形態では, 洋風料理に比べ, 和風料理の嗜好度が高かった。
4) 付け合わせ料理では, サラダの嗜好度が高く, 味付けではしょうゆ味と味噌味の嗜好度が高く, ソース味は低かった。
5) 2元配置法による年齢階級別食嗜好では, 牛肉・豚肉・魚介の各食品群に有意の差がみられた。
6) 2元配置法による調査船別食嗜好では, 料理と調査船の両方に有意の差がみられた。
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